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書籍版「建設ITガイド」に掲載した特集記事のバックナンバーです。

建設業界でのBIMの動向に沿った概算/積算BIMソリューション― 関係者の合意形成の“場”としての「COST-CLIP」と「Helios Link」—

2026.07.13

はじめに

(株)日積サーベイでは、BIMを活用した概算と積算の普及を目指し、設計初期段階の概算でのBIM活用に向け、「COST-CLIP(コストクリップ)」を、実施設計段階以降の詳細積算でのBIM活用に向け「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」、「Helios Link(ヘリオスリンク)」を開発、提供している(図-1)。

図-1 概算/積算BIMデータフロー
図-1 概算/積算BIMデータフロー

 
 

概算BIM

2022年にリリースした、BIMアドイン概算システム「COST-CLIP」は、「設計初期段階のBIMモデルの活用の幅を広げたい」、「BIMモデルによって概算の効率化を図りたい」といったニーズに対応するため、国内の主要BIMソフトである「Archicad」(グラフィソフトジャパン(株))、「Revit」(オートデスク(株))上で動作し、設計初期段階の概算コストが算出できる。
これにより設計プランを変更した際にも、リアルタイムに、建設工事全体の概算コストを早期に把握し、検討や分析が容易となる。
 
 

積算BIM

2015年にリリースした「Helios Link」は、建築積算システム「ΗΕΛΙΟΣ」のデータ形式に、BIMモデルのデータを直接変換するための、BIMソフト向けの「BIM連携機能」となる。
これにより、詳細積算においてもBIMモデルを有効活用することができ、積算業務を効率化できる。
実際、弊社でも積算事務所として、BIMを活用した積算業務を行っており、その効果を実感している。
 
 

国土交通省「BIM連携積算」開始以後の取り組み

2023年に国土交通省により「BIM連携積算(官庁営繕事業におけるBIMデータを活用した積算業務)」が試行開始した(図-2)。
それに伴い、新たに概算や詳細積算でのBIM活用に取り組むユーザーが増えてきている。

図-2 「BIM連携積算」ワークフロー  ※国土交通省の資料を参考に作成
図-2 「BIM連携積算」ワークフロー  ※国土交通省の資料を参考に作成

 
弊社は、ユーザー支援の一環として、「BIM連携積算」の始め方や取り組み方の相談にも対応している。
 
 

設計者と積算者の合意形成の“場”の必要性

国土交通省「BIM連携積算」の試行要領に記載されている「ワークフロー」では、設計当初の打合せなどでの設計者と積算者との合意形成が重要とされている。
一方で、前述のユーザー支援を行う中で、関係者双方のBIMへの習熟度などの違いから、合意形成の“場”が整いにくいことを実感した。
 

新機能「BIMモデリング状況の事前チェック支援機能」

「COST-CLIP」、「Helios Link」はリリース以降、多くのユーザーからの要望を反映すべく、毎年バージョンアップを行っており、2025年においては、「COST-CLIP Ver4.5」(2025年11月)、「Helios Link 2025」(2025年5月)をリリースした。
今回、いずれのバージョンアップにおいても、新機能「BIMモデリング状況の事前チェック支援機能」を追加している(図-3)。
この機能は、BIMモデルを概算や詳細積算に活用する前に、設計者と積算者との間で、BIMモデリング状況の共通認識を持ち易くし、双方の合意形成を促すべく、追加した機能である。

図-3 新機能「BIMモデリング状況の事前チェック支援機能」
図-3 新機能「BIMモデリング状況の事前チェック支援機能」

 

国土交通省「BIM図面審査」開始に向けて

国土交通省は確認申請において、BIMデータを用いて行うことができるように、段階的に取り組んでおり、2029年春からの「BIMデータ審査」に先立ち、2026年春より「BIM図面審査」が開始される。
 
「BIM図面審査」の開始により、その前後の段階にて、これまで以上にBIM活用の検討が促進されると思われ、概算や詳細積算でのBIM活用も例外ではない。
「BIM図面審査」の開始をきっかけに、新たに概算や詳細積算でのBIM活用に取り組む方々にも、合意形成の場として有効活用してもらえればと考えている。
 
 

「積算データ」の有効活用

弊社では、設計者が入力したBIMモデルを活用するための提案だけではなく、積算者が入力した「積算データ」を有効活用するための機能開発、提供に取り組んでいる。
BIM対応建築積算システム「ΗΕΛΙΟΣ」では、2025年12月末にリリースした最新版となる「ΗΕΛΙΟΣ 2026」での追加対応も含め、主に4つの「積算データ」の有効活用が可能となっている(表-1)。

表-1  「積算データ」の有効活用
表-1  「積算データ」の有効活用

 
 

今後の展開

今後も弊社は「COST-CLIP」、「ΗΕΛΙΟΣ」や「Helios Link」を通して、概算や積算でのBIM活用に加え、「積算データ」の有効活用により、設計者や積算者に限らず、発注者や施工者がより業務効率化できるよう、継続して、機能開発、提供に取り組んでいく。
 
 

会社概要

会社名:株式会社日積サーベイ
所在地:大阪市中央区大手前1-4-12大阪天満橋ビル8F
創業:1964年(昭和39年)10月
URL:https://www.nisseki-survey.co.jp/
資本金:2,000万円
従業員数:44名(2025年4月現在)
主な事業内容:建築積算、コスト算出、コンピューターシステムの開発

 
 
 

株式会社日積サーベイ システム開発部 リーダー
高橋 肇宏

 
 
【出典】


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最終更新日:2026-07-13

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