2014年3月17日
山政睦実×現場主義
(http://const.livedoor.biz/)
タッチパネルに対応したMicrosoft Windows 8昨年10月には、Microsoft社のOS、「Windows」もバージョンアップし、タッチパネルに対応した「Windows 8」になりました。 これに伴い、各パソコンメーカーからタッチパネルを搭載した端末が続々と発売されています。 今までのWindowsOSを搭載した機種のようなデスクトップ型やノートパソコン型の他、タッチパネルに対応したことでタブレット型の端末や、キーボードと切り離すことができるセパレート型などが登場しています。 その中で、今回比較するのは、レノボ社から発売されている「ThinkPad Tablet 2」。 この端末は、キーボードを付属しないタブレットタイプ型で、持ち運びにも便利な軽量タイプとなっています。 写真の通り、端末を縦にすると、iPadなどと同じように表示画面が90度回転します。 また、側面のスイッチで、回転をオフにすることも可能なので、不意に画面が回転してしまうのを防ぐこともできます。 大きさはタフパッドと同じ10.1インチで、9.7インチのiPadと軽く、細長いといった感じです。 非常に軽量で、厚さ9.8mmの端末ですが、側面には、HDMI出力、USB端子にmicroSDカードスロットやSIMカードスロットを備えていますので、一通りのことを行うことができます。 USBメモリを接続すれば、通常のパソコンと同じように、メモリ内のデータを編集することができるため、現場でも事務所と同じような編集作業を行うことができます。 文字入力は、他のタブレット端末と同じように必要な時に、キーボードを表示させることが可能です。 また、この端末は指での入力の他、タブレット・ペンによる入力が可能なため、手書き入力をスムーズに行うこともできます。 現場で軍手をしている状態でも、入力や操作ができる上、タブレット・ペンは、端末の上部にすっぽりと収めることができるため、紛失防止にもなります。 さらに背面側には800万画素のリアカメラを搭載していますので、写真を撮影してそのままメール添付やOfficeソフトへの貼り付け、さらには電子納品編集なども可能です。 表側にも200万画素のフロントカメラを搭載しているため、現場からのテレビ会議への参加などを行うこともできます。 直射日光下での視認性について、Nexus 7と比較してみました。 ThinkPad Tablet 2のディスプレイは、反射性が高いため、架空線が鏡のように映り込んでいるのが分かります。 視認性の程度はNexus7とほぼ同じで、直射日光下で長時間使用するには厳しい状態でした。 比較した5機種のまとめ最後に今まで紹介した機能をもとに、建設現場での使い勝手を表2にまとめてみました。 Apple社からは今までのiPadのミニ版として、11月にiPad miniが発売されました。 iPad2やiPad Retinaディスプレイモデルが9.7インチなのに対してiPad miniは7.9インチ(Nexus 7は7インチ)になっていて、片手でも持ちやすい大きさの上、重さも約半分になっています。 防水ケースなどに入れても現場で操作するのにちょうど良い大きさになります。 建設現場の環境は、土木・建築・設備などの分野で大きく異なりますし、その中でも作るものによっても環境が大きく異なります。 安価なNexus 7に防水ケース程度の対策で使用することができる環境もありますし、逆に炎天下の現場ならCAMELUSが、大型パネルでデジタイザーが利用できるタフパッドが有利な環境もあります。 また、導入するシステムによって、OSが異なります。 Windows8であれば、Windows上で動いていた今までのアプリを使用することができます。 環境やシステムなど、それぞれの条件から最適な機種を選択すると良いでしょう。 まとめ図面や書類といった必要な資料などのファイルを事前に段取りして持って行くのではなく、タブレット端末を使用することにより、必要な時にその場で必要なファイルを開くことが可能となります。 建設ITガイド 2013 特集「建設ITの最新動向」 |
山政睦実×現場主義
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特殊ディスプレイを持つタブレット端末強い直射日光の下では画面が黒くなって視認性が悪くなりますが、通常の液晶画面ですとタフパッドのようにバックライトを強化することで、視認性を上げています。 これとは別に、太陽の明かりを逆に利用したディスプレイが「mirasolディスプレイ(ミラソルディスプレイ)」です。 これは、携帯電話で有名なアメリカのクアルコム社が開発したディスプレイで、外光を利用してディスプレイを発色しているため、直射日光の光が強いほどきれいに画面を見ることができます。 さらに、バックライトを使用せず、かつ屋外でフロントライトなしでも画面表示できるため、省電力であり、バッテリも長持ちします。 都築電気から発売されたAndroidタブレット端末「CAMELUS(キャメラス)は、このmirasolディスプレイを国内で唯一搭載し、耐衝撃・防水対応のケース内に本体を収納した業務用の「頑丈モデル(CAMELUS-R)」も発売されています。 このモデルもタフパッド同様に、120cmの高さからの落下に耐え、防塵・防水性能はIP54(防塵性規格:有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない、防水性規格:あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない)を備えています。 これにより、建設現場などでの過酷な条件下でも問題なく端末を使用することができます。 本体には、ネックストラップがついていて、首や肩から下げることができるため、立ったままでの操作も楽にできます。 Googleから発売されたNexus 7Nexus 7(ネクサス セブン)は、Google Nexusシリーズのひとつで、Googleが販売している端末です。 Apple社がiOSの端末としてiPadを作るように、Google社が純正Android端末として販売しているものです。 さらに、このNexus 7は、16GBタイプのもので、直販価格19,800円という安価で入手することができます(2012年11月現在)。 純正Android端末だけあって、Android OSは最新(2012年11月現在)の4.2が搭載され、7インチ端末に使いやすい工夫がされています。 なんと言っても、安価に手に入れることができるのが、最大の特徴です。
Nexus 7とCAMELUSの比較基本的に画面サイズや耐衝撃性や防水性が異なるので、一概に比較するのは難しいですが、OSのバージョンやカメラ有無、バッテリの容量に大きな差があります。 もちろんNexus 7には防塵性や防水性、耐衝撃性を備えておりませんので、現場で気兼ねなく使用するには、別途防水ケースなどを購入する必要があります。 まずは、mirasolディスプレイの実力を試すために直射日光下での画面の視認性について2機種を比較してみました。 結果は写真でも一目瞭然ですが、バックライト式のディスプレイではどうしても画面が見えづらくなります。 その点、太陽の光を利用して発色しているmirasolディスプレイは、直射日光が強いほど、逆に発色が良くなります。 では、曇り空や室内の場合はどうでしょうか。 曇り空になると、バックライトのあるNexus7の方が、発色がよくなりますが、mirasolディスプレイも問題なく画面内の文字を読み取ることができます。 次に、室内での視認性について試してみました。蛍光灯を点けた部屋の壁際で、比較してみましたが、バックライトを持つNexus7はもちろんきれいに見ることができますが、mirasolディスプレイのCAMELUSでも、まったく問題なく、読み取ることができました。 これは蛍光灯の光でも、mirasolディスプレイがしっかりと発色できていることになります。 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その1》 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その2》 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その3》 【出典】 建設ITガイド 2013 特集「建設ITの最新動向」 |
山政睦実×現場主義
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はじめに2008年に日本でもApple社の「iPhone」が発売され、2010年5月にはタブレット端末である「iPad」が発売されたことをきっかけに、スマートフォンやタブレット端末を持つ人が非常に増えています。 頑丈な端末、TOUGH PAD(タフパッド)
本体には、電源接続部やmicroSD挿入口、USB端子、HDMI出力端子などを備えていますが、それぞれの端子部には、防水用のゴムパッキンを備えたカバーがついていて、これによって高性能な防塵・防水性を確保しています。 本体の重さは約1kgあるため、長時間持って使用するには、少し重たい感じがします。 欲を言えばネックストラップなどが付いていると操作するにも楽ですし、持ち運びにも便利になるでしょう。 カメラもフロントとリアの両方に装備し、フロントは200万画素、リアは500万画素の画素数を持ち合わせていますので、テレビ会議に利用したり、現場の状況写真を撮影するには十分な性能を持っています。 ディスプレイは通常のタブレット端末と同じように、マルチタッチに対応したタッチパネルになっているので、指での操作のほか、デジタイザーにも対応しています。 これなら現場で軍手を着けている時でも、デジタイザーペンを利用して細かい操作を行うことができます。 デジタイザーペンは背面にあるホルダーに格納することができるので、必要なとき取り出して便利に使うことができます。 屋外で利用したときに画面が見やすいように、約500cd/㎡の高輝度液晶を搭載し、さらに反射対策としてAR(Anti-Reflection)反射防止処理が施されていますので、直射日光下でも画面が視認できないということはありませんでした。 タフブックなどでパナソニックが長年培ってきたタフネス構造を搭載したタフパッド、今後この手の端末が多く登場してくる中で、本命といえるタブレット端末になることでしょう。 iPadに防水ケースそのままでは全く防水性のないApple社のタブレット端末「iPad(アイパッド)」シリーズですが、本体を建設現場など過酷な条件でも利用できるようなさまざまなケースが登場しています。 今回、実験に使用したiPad用の防水ケースはこちら。 この防水ケースは、防水性能IPX8(防水性規格:継続的に水没しても内部に浸水することがない)の性能を持っています。 iPadを挿入する部分は、三重のジッパーになっており、水の浸入を防ぐ強固な構造となっています。 フロントカメラの使用はもちろん、リアのカメラ部も防水ケース内に入れている状態でも撮影ができるように透明になっています。 さらに、イヤホン端子は、ケースの外側まで防水性を保ったまま延長されているため、イヤホンやスピーカーを接続することも可能です。 この防水ケースには、ネックストラップが付属されているため、使用時は首に掛けたり、持ち運び時は肩から掛けることで、本体を落下させるリスクを減らすことができます。 タフパッド同様に、雨の中へ防水ケースに入れたiPadを持って行ってみました。 防水ケースに入れたiPadは、今回比較している端末としては、IPX8という最上級の防水性能を持っているため、雨天の屋外でも全く問題なく使用することができます。 操作性も問題なく、指に画面がついてくる感覚のままでした。 さらに、バスルームにて、シャワーでの直撃実験を行ってみました。 防水ケースに入っていることにより、シャワー直撃の影響は全くなく、さらに指での操作も問題なく行うことができました。 防塵・防水性のないiPadですが、防水ケースに入れることにより、高い防水性を持った端末にすることができましたが、耐衝撃性を備えたわけではないので、落下や接触などには注意しなければなりません。 また、充電は毎回本体をケースから出さないとできないため、ケースへの入れ替え作業が発生し、不便さが残ります。 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その1》 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その2》 現場向けタブレット勢揃い! ~過酷な条件下での使い勝手を検証~《その3》 【出典】 建設ITガイド 2013 特集「建設ITの最新動向」 |
2014年3月11日
一般財団法人 経済調査会
積算技術部技術調査室長 吉沢 毅
施工パッケージ型積算方式の積算方法積算単価への補正施工パッケージ型積算方式における積算作業とは非常にシンプルであり、標準単価を積算単価に補正することが積算作業の大部分を占めています。 標準単価から積算単価への補正に用いる代表機労材規格は、機械では最大3規格、労務では最大4職種、材料では最大4規格、市場単価では最大1規格が採用されます。 補正の具体例【基本的な補正例】標準単価から積算単価への補正事例として、アスファルト舗装工 表層(車道・路肩部)【45~55mm・1.4m以上・密粒度AS20・タックコートPK-4・標準単1,484円/㎡】について、積算単価【名古屋単価(H24.10)】に補正する計算を、次の通り実施しました。 この補正式では、機械・労務・材料の東京(H23.9)と名古屋(H24.10)の価格比を、表層(車道・路肩部)における機械、労務、材料のそれぞれの構成比に応じて反映させることによって、標準単価を積算単価に補正しています。 【労務費等の割増への対応】豪雪地域や夜間等の特殊条件の割増例として、アスファルト舗装工 表層(車道・路肩部)【45~55mm・1.4m以上・密粒度AS20・タックコートPK-4・標準単価1,484円/㎡】について、積算単価【名古屋単価(H24.10)】の労務費構成部分に対して20%の割増を施す事例を以下に実施しました。 【代表機労材規格以外への対応】アスファルト舗装工 表層(車道・路肩部)の代表機労材規格には再生アスファルト混合物は設定されていません。 課題施工パッケージ型積算方式では積上げ積算方式のような下位代価表が存在しないため、設計書は簡素化されました。 まとめユニットプライス型積算方式と同様に施工パッケージ型積算方式は、受発注者双方の積算労力の軽減等を目的と 【主な参考文献】●「施工パッケージ型積算方式の解説」平成24年6月(一般財団法人経済調査会) 【主な施工パッケージ型積算対応ソフトウェア】●土木積算システム『メビウス ZERO』吉備システム(株) 建設ITガイド 2013 特集「建設ITの最新動向」 |
一般財団法人 経済調査会
積算技術部技術調査室長 吉沢 毅
はじめに国土交通省では、受発注者双方の積算労力の軽減等を目的とした「ユニットプライス型積算方式」を平成16年度より一部の工事で試行してきました。 施工パッケージ型積算方式の概要施工パッケージ型積算方式は、施工単位ごとに機械経費、労務費、材料費を含んだ施工パッケージ単価を用いて直接工事費を算出する積算方式です。 導入スケジュール施工パッケージ型積算方式は、平成24年10月1日以降に入札を行う国土交通省の直轄土木工事(港湾空港関連を除く)から試行導入されました。 ユニットプライス型積算方式との相違点施工パッケージ型積算方式は、ユニットプライス型積算方式と同様に、歩掛の代わりに総価契約単価合意方式において合意された単価データを蓄積し、それを分析して積算に用いるものですが、以下の相違があります。 施工パッケージ型積算方式の仕組み施工パッケージ型積算方式の仕組みは図-1の通りです。 主な用語の定義と解説は、表-1の通りです。 【積算】施工パッケージ型積算方式では、標準単価を積算単価に「補正」することで積算を行います。 補正に必要となるデータとその出典は、表-2の通りです。 【入札】入札の段階では、工事費内訳書から応札者単価を収集します。 【単価合意】国土交通省の直轄工事では、平成22年度より総価契約単価合意方式を導入しました。 【単価分析】単価分析では合意単価に加え応札者単価が活用されますが、国土交通省では以下のデータは解析に用いないことで、一定の精度を確保するとしています。 建設ITガイド 2013 特集「建設ITの最新動向」 |