2024年6月17日
はじめに国土交通省では、令和5年度より小規模工事を除く全ての公共工事の詳細設計においてBIM/CIM原則適用となった。 これまでの取り組み概要図-2に、これまでのJR東日本におけるBIM/CIMの取り組みの概要を示す。 2016年に受発注者相互の共通データ環境となる「BIMクラウド」を試行開始し、2018年には3Dレーザースキャナーによる地形測量の原則化、JRE-BIM研修をスタートした。 BIMクラウド(環境)BIMクラウドの概要を図-3に示す。
ガイドライン(ルール)ルール面での整備も進めている。 研修(人)研修による社員のスキル向上も図っている(図-5)。
主な活用事例図-6に土木、建築、電気などの系統をまたがる工事での干渉や整合確認への活用事例を示す。 さらなる活用に向けた取り組み(三次元点群クラウドの活用)これまで述べてきたようにBIMモデルの活用は積極的に進めてきたが、BIMモデル作成費に比して得られる効果が十分とは言い難い。 デジタルツインソフトウエア「TRANCITY」の開発と活用さまざまなBIM/CIMの活用を進めていく中で、活用推進を阻害している要因 工事開始時点で作成したBIMモデルは3D地図上に地理座標を付与して配置し、工事完成時などには地上レーザースキャナーなどで作成した点群データと重ねることで設計情報との乖離箇所を視覚的に把握する。
点群による完成検査の推進BIM/CIMの活用の重点的な取り組みのもう一つとして、点群データによる完成検査記録の置き換えを推進している。 究極のBIM/CIMの姿の実現に向けて(3Dプリンティング)BIM/CIMが進んだ究極の姿は、調査・計画、設計、発注、施工、維持管理の全てのフェーズでBIMモデルデータのみで業務が完結することかと思われる。 おわりに以上のように、さまざまなBIM/CIMに関する取り組みを実施してきたが、BIM/CIMを活用して効果を享受するためには、プロジェクトの計画段階でどのようにBIMモデルを活用しようとするかを考えて始めるのが重要だと考えている。 東日本旅客鉄道株式会社 東京建設プロジェクトマネージメントオフィス
企画戦略ユニット マネージャー 井口 重信
建設ITガイド 2024 特集1 建設DX、BIM/CIM |
2024年6月8日
はじめに国土交通省では令和5年度よりBIM/CIMの原則適用(表-1)を進めており、国土交通省職員はもちろんのこと国土交通省の業務や工事を受注する民間企業も含めて、BIM/CIMを活用できるような環境整備を進めている。 中部地方整備局のi-Constructionモデル事務所の取り組み中部地方整備局のi-Constructionモデル事務所は現在、新丸山ダム工事事務所、設楽ダム工事事務所、紀勢国道事務所の 3事務所であり、それぞれのBIM/CIMの活用状況を紹介していく。 中部インフラDX行動計画の策定中部地方整備局では、これまでドローン測量やICT建機の活用など、さまざまなデジタル技術を積極的に導入・活用し、建設現場の安全確保、生産性の向上などに努めてきた。 おわりに令和5年度よりBIM/CIMの原則適用となり、3次元情報の利活用ができる人材の育成は急務である。 国土交通省 中部地方整備局 企画部 技術管理課 建設情報係長
大鹿 貴也
建設ITガイド 2024 特集1 建設DX、BIM/CIM |
はじめに中国地方整備局では、「中国地方整備局インフラDX推進計画」にBIM/CIMによる建設生産システムの効率化・高度化を位置付けて、3次元モデルの活用を推進してきたところですが、令和5年度から業務・工事においてBIM/CIM原則適用となり、さらなる活用を推進しているところです。 中国地方整備局における取り組み状況中国地方整備局のこれまでの取り組みとして、大規模構造物などを中心にBIM/ CIMを活用、順次対象を拡大しながら事例を収集し、「BIM/CIM活用の手引き(案)」や「BIM/CIM活用事例集」を作成・公表しています。 フロントローディングの取り組み事例中国地方整備局では、早期段階から一貫したBIM/CIM導入に向けて、測量、設計、施工の各段階でフロントローディングを実践しています。 おわりに中国地方整備局では、建設業界の生産性向上を図りつつ、整備局職員を含めた建設業界の働き方改革を実現することを目指し、各種の取り組みを実施しています。 国土交通省 中国地方整備局 企画部 技術管理課
建設ITガイド 2024 特集1 建設DX、BIM/CIM |
はじめに国土交通省では、建設現場の生産性向上を図るi-Constructionの取り組みの一つの施策として、BIM/CIM活用を推進しており、令和5年度から発注される直轄土木業務・工事をBIM/CIM原則適用の対象としております。 九州地方整備局における BIM/CIMの取り組み(1)九州地方CIM導入検討会九州地方整備局独自の取り組みとして、 CIM導入の促進、生産性の向上、働き方改革の推進を目指すため、2013年7月に「九州地方CIM導入検討会」(委員長:小林一郎熊本大学名誉教授)を設置し、河川、ダム、道路、砂防の4分科会で、CIM活用に向けた課題、対応策の検討を各事務所と連携しながらCIM活用の推進に取り組んでおります。
(2)BIM/CIM人材育成の取り組みBIM/CIM原則適用に関する実施方針では、業務・工事の発注に際し、BIM/CIMの活用についてリクワイアメント(要求事項)から、発注者が活用内容を特記仕様書へ明確に記載することとなり内容が大きく改定されました。 おわりに生産性向上は建設業界の長年の課題であり、その背景には、一品生産・屋外生産で労働集約型生産の構造的問題があり、さらには長時間労働や高齢化による人手不足問題などがあります。 国土交通省 九州地方整備局 企画部 技術管理課
建設ITガイド 2024 特集1 建設DX、BIM/CIM |