2023年8月28日
弊社の人材育成メインは新入社員集中研修弊社におけるBIM/CIM教育のメインは、2014年度以降毎年5月の一カ月で実施している新入社員集中研修です。 ニーズ対応研修弊社におけるその他のBIM/CIM教育は、ニーズに応じた1~3日間のハンズオン研修です。 社内BIM/CIM資格弊社では「モデラー」「インストラクター」「マネージャー」という社内資格を付与しています。 人材育成の課題上記のような人材育成を現在行っていますが、社内外の人材育成に関する課題について考えてみました。
資質はモチベーションの維持で必要な資質は以下の4つと考えます。
これまで1人だけ新入社員研修中にリタイアした人がいます。 最後に「プログラミング力」。 中級・上級の学習目標達成が課題国土交通省BIM/CIMポータルサイトの研修コンテンツ内の「教育要領(案)」では、
ことを初級(当面の普及目標)としています。
という中級と
という上級の学習目標を達成するのは難しいということです。
共通データ環境(CDE)を意識してISO19650とかCDEという言葉をよく耳にします。
だと思います。
ワークショップの教育環境教育(学習)方法には次の4つがあると言われます。
社内で初めてBIM/CIMを担うこととなったAさんで想像してみます。 上級育成についての所感
という状況で「CDEで複数の実務を効率化するための適切な指揮、指導を行うことができる」上級人材を育成することについて考えてみました。
オーナーをフォローするコンサル目標は、Society5.0 社会を実現すること、フロントローディングなどでプロジェクトのトータルコストを削減することです。
経営感覚も必要建設コンサルタントは「土木建築工事の設計、監理、土木建築に関する調査、企画、立案、助言」を行うサービス業ですので、
育つ環境がないのが問題このスキルを持った人材はそんなに大量には必要ないとも思いますが、現時点ではオーナー側のプロジェクトマネージャーという立場を経験する環境(機会)が少ないのが、建設コンサルタントが上級人材を育成する上での問題であると考えます。 当面どのように育てるか?将来的にはDXのためデータの整理方法をルール化することは重要です。
例としての四面会議マネージャーは、プロジェクトの当初からプロジェクトを計画し、随時更新していく必要があります。
これは先の「各プロジェクトのマネージャーが集まってワークショップ」でも疑似体験として活用できると思います。 さいごに今回、これまで携わってきた社内外での人材育成について振り返る機会をいただき感謝しています。 復建調査設計株式会社 DX推進センター BIM/CIM推進室 室長
亀田 雄二
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM |
はじめにBIM/CIMとは、「測量・調査・設計」、「施工(着手前)」、「施工(完成時)」、「維持・管理」の各段階で3次元モデルを導入し、各段階における情報を充実させ、活用を図るとともに、3次元化することで情報共有を容易にし、品質確保と業務の効率化・高度化を目指すものです。 信州BIM/CIM推進協議会とは「信州BIM/CIM推進協議会」は、「民・学・官」の各組織が協力してBIM/CIMについて学び、知識を共有し、技術力の向上を目指すとともに、若手技術者の育成を図ることで、県内建設産業の持続的な発展に資することを目的としております。 令和3年度までの取り組みについて令和元年度(設立)令和元年の発足当初は、外部から講師を招いてBIM/CIMに関する講演を行っていただいたり、6日間に及ぶハンズオン研修会(官・民参加)を開催して、若手技術者の3DCADの操作習熟を図りました。 令和2年度令和2年度からは、国の基準に準じた「BIM/CIM活用業務実施要領(案)(長野県建設部:令和2年4月1日適用)」を発出し、長野県発注業務において、モデル事業として取り組みを開始しました。 また、このほかにも発注者側で納品成果のチェックなどに対応可能な機器や環境の整備に取り組み、「自治体ネットワークの三層分離」に基づく行政環境の見直しを踏まえ、各部署に個別のインターネット回線を新設し、スタンドアロンで用いる高性能パソコンを配備するなど、発注者側での体制構築を行いました。 令和3年度令和3年度は、令和2年度に引き続き発注者側での体制整備を進めるとともに、県のBIM/CIMモデル事業を強く推進し、見込みを含む取組数が約100 件に上りました(表-2)。
令和4年度の取り組み令和4年度からは、「各部会の活動」が増えたほか、定期的にBIM/CIMや推進協議会に関する話題の共有や話し合いを行 う「信州BIM/CIMトークライブ」、「第3回実務者会議」、「BIM/CIM活用現場見学会」、「県職員向け3DCAD操作研修」など、これまでと比べて多くのイベントを企画・実施しておりますので、各取り組みの具体的な様子について、ご紹介いたします。 信州BIM/CIMトークライブ信州BIM/CIMトークライブは、2週間に1度開催するWeb会議形式の打合せを兼ねた意見交換の場です。 各部会とBIM/CIM推進委員前述のとおり、信州BIM/CIM推進協議会では、「測量・設計部会」、「地質部会」、「建設部会」、「データ活用部会」の4つの部会を組織し、各部会において、それぞれのテーマに関する事例の共有や課題の検証を行うこととしております。 第3回実務者会議令和4年7月14日に、全体として3回目になる実務者会議を開催しました。 BIM/CIM活用現場見学会令和4年11月15日に、国土交通省関東地方整備局長野国道事務所協力のもと、 BIM/CIM活用工事現場の見学会を実施いたしました。 BIM/CIM関連ソフト使用状況アンケート各部会の活動を開始し、建設業界を横 断的に意見交換するようになって出てきた業者意見の一つに「どんなソフトウエアを使えばよいのか分からない」というものがありました。 県職員向け3DCAD操作研修県のBIM/CIMモデル事業が増えていることに伴い、協議会の中で「県担当者によってBIM/CIMに関する知識レベルに大きな差があり、対応に苦慮している」という意見が目立つようになってきました。 今後の課題これまでは、BIM/CIMに関して県内の各業界団体と「①情報を共有」し、「②意見を交換」し、「③課題を整理」できる「④体制づくり」のため、取り組んでまいりました。 おわりに信州BIM/CIM推進協議会は、もうすぐ令和元年の発足から5年を迎えようとしております。 長野県 建設部 建設政策課 技術管理室 基準指導班 主任
黒岩 楠央
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM |
はじめに国土交通省では、i-Constructionの取り組みを中核に、データとデジタル技術を活用したインフラ分野のDXの取り組みを進めています。 人材育成の取り組み近畿地方整備局では2020 年に「近畿地方整備局インフラ DX 推進本部会議」を設置し、インフラ分野のDXの推進に取り組んでいます。
BIM/CIM研修BIM/CIMによる建設現場の生産性向上について理解を深めるとともに、3次元 CADソフトの基本操作、業務および工事での活用に関する知識を習得することを目的として2021年度から整備局職員、地方自治体職員を対象として実施し、2年間で約350名が研修を受講しています(写真-1)。
BIM/CIM施工研修BIM/CIM研修は整備局、地方自治体などの発注者を対象とした研修でしたが、来年度からのBIM/CIM原則適用に向けて、受注者側の人材育成も必要となることから、施工者、設計者、発注者を対象とした研修を今年度より新たに実施しました。 BIM/CIM説明会BIM/CIM研修は実際の業務において BIM/CIMを活用する職員を対象に研修を実施していますが、2023年度からの原則実施に向けて、広く職員にBIM/CIMに関する取り組みを浸透させる必要があるため、BIM/CIMの施策概要や、3次元CADソフトの基本操作方法を講習する BIM/CIM説明会を開催しています。 豊岡河川国道事務所 BIM/CIMに関する勉強会i-Constructionモデル事務所となっている豊岡河川国道事務所ではBIM/CIMの普及を促進するため、2019年度より毎年、 BIM/CIMに関する勉強会を開催しています(写真-2)。 勉強会では事務所近隣の地方自治体職員や地元企業(但馬地方の建設業、測量設計業)を対象に豊岡河川国道事務所におけるBIM/CIM導入の実施事例や、3次元 CADソフト操作の実演、現場見学などを行っています。 情報発信の取り組み近畿地方整備局インフラ分野のDXに関する取り組みを情報発信や体験による、整備局をはじめ産官学におけるBIM/CIM活用に向けた人材育成を目的として、インフラDXに関する各種施設を整備しています。 近畿インフラDX推進センター(所在地:枚方市山田池町11-1)
近畿地方整備局DXルーム(所在地:大阪市中央区大手前3-1-41) 淀川大堰閘門インフォメーションセンター(所在地:大阪市北区長柄東3-3-25) 淀川大堰閘門の整備では、厳しい工程や狭隘な現場条件に対して、工事工程監理の高度化や品質の向上を目指して、BIM/CIMを全面的に取り入れています(図-3)。
インフラDXシンポジウム昨年7月6日に開催されましたインフラ DXシンポジウム(日刊建設工業新聞社(、一社)近畿建設協会主催、近畿地方整備局後援)において、約750 名(オンライン参加含む)参加のもと、地域の建設業界の皆さまとBIM/CIM施工への挑戦について意見を交わし、近畿地方整備局における取り組みを紹介するとともに、BIM/CIM活用に向けた課題を共有しました(写真-3)。 おわりにインフラ分野のDX は、2022 年度を「挑戦の年」に位置付け、官民で果敢な取り組みが進められています。 国土交通省 近畿地方整備局 技術管理課
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM |
はじめに関東地方整備局では、令和5年度の小規模を除く全ての公共工事についてBIM/ CIM原則適用に向けて、段階的に適用を拡大しているところであるが、原則適用に向けた取り組みについて2点紹介する。 「関東BIM/CIM 活用(3次元データの作成・活用)ロードマップ」の概要関東地方整備局では、インフラ分野の DXを推進するため、BIM/CIMの活用による建設現場の生産性向上や働き方改革の促進、3次元データの維持管理への活用などの実現に向け、BIM/CIM活用ロードマップを策定し、令和3年4月に「関東 BIM/CIM活用ロードマップ」を策定したところであるが、BIM/CIM活用対象事業などでは、事業の初期段階からBIM/CIMを活用することで、受発注者双方の業務効率化・高度化が図られることから、事業の上流に位置する測量・地質調査段 階から3次元データの作成・活用を行うことを原則とした「関東BIM/CIM活用(3次元データの作成・活用)ロードマップ」を令和4年6月に公表し、測量・地質調査段階から3次元データを作成・活用を行うこと を位置付けたところである(図-1)。 「3次元出来形計測技術を用いた出来形管理の活用手引き(案)」の概要情報通信技術(ICT技術)の活用により、土工については、マシンコントロールまたはマシンガイダンスを有するICT建設機械による施工やICT計測技術を用いた3次元出来形管理が一般的になっており建設現場の生産性向上に大きな成果を上げてきている。 第1編では、共通編として、用語の解説、 3次元計測技術を用いた出来形管理の概要のほか、3次元計測技術の概要(図-2-2)として本手引き(案)で対象としている3元計測技術を、工種別に示し、特徴・留意事項などについてとりまとめた。 おわりに関東地方整備局では、受発注者の働き方改革と、建設現場の生産性向上に向け、引き続きBIM/CIM活用に関する取り組みを推進していく。 国土交通省 関東地方整備局 企画部 技術管理課
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM |
2023年8月21日
はじめに建設業は「地域の守り手」、「地域振興の担い手」として重要な役割を担う基幹産業であるが、東北地方においては進行著しい少子高齢化や、冬季の厳しい自然環境などから担い手の確保が大きな課題となっている。 東北地方整備局におけるインフラDX推進に向けた取り組み①東北復興「働き方・人づくり改革プロジェクト」東北地方整備局では、2016年度から「働き方改革の推進」、「生産性向上の推進」、「担い手の育成・確保」の三本柱からなる「東北復興『働き方・人づくり改革プロジェクト』」を官民連携で取り組んでいる(図-1)。
②インフラDXの推進体制2021 年11月には、整備局全体が一体で取り組む「東北地方整備局インフラDX推進本部」を設置した(図-3)。
③3次元データの利活用(BIM/CIM)についてi-Constructionモデル事務所である鳴 瀬川総合開発工事事務所では、3次元情報活用モデル事業である「鳴瀬川総合開発事業(宮城県加美郡加美町)」において、大規模かつ長期にわたるダム事業の特性を踏まえ、調査・設計段階からBIM/CIMモデルを活用した事業監理に取り組んでいる。
④インフラDX推進の環境整備などについて 2022 年度からは東北地域におけるDX 推進に向けた環境整備・研修内容の充実を図っていくとともに、県・市町村などの職員や民間企業の技術者に拡大していくこととしている。 図-7 (仮)東北インフラDXセンター・ルームの機能案(左)と、DXセンターの設備イメージ(右) おわりに建設業の新3K(給与がよい・休暇がとれる・希望がもてる)の実現に向けては、長きにわたって積み上げ築いてきた経験と技術にデジタルという新たな技術をいかに融合させていくかが鍵になると考えている。 国土交通省 東北地方整備局 企画部
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