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BIMによる設計と積算の連携へ組織横断的なチームで挑む!

2023年9月5日

株式会社アーキテクト・ディベロッパー(architect developer,Inc.)

創業2008年10月1日。
アパート・マンションなど集合住宅の企画・立案から設計、施工、その後の運営、物件管理、コンサルティングまで賃貸用集合住宅に関わる全機能を備えた総合力で成長を続ける。
売上高は450億8,300万円(2022年3月期)。
また、2022年3月末時点で管理戸数3,436棟・41,565戸の管理実績を誇り、管理物件における入居率は99.2%で実に10年連続99%以上という驚異的な割合を維持している。
 
 

全社的なBIMを視野に

これは、BIM導入と同時に積算との連携をワンモデルで成功させた、ある会社の挑戦の物語だ。
 
その会社の名は、株式会社アーキテクト・ディベロッパー。
同社がチーム編成など約3カ月の準備期間を経てBIM導入のための検証プロジェクトをスタートさせたのは2022年1月。
ただ、これは単に設計にBIMを導入するという話ではなかった。
 
賃貸用集合住宅に関わる全領域を手掛ける同社は、最終目標を“設計と積算の連携”をワンモデルで実現した上で、全部門を一気通貫させたBIMプロセスの確立に置いたのだった。
具体的に検証プロジェクトに挑むチームの編成にも、目標を全うする強い意志が現れていた。
本プロジェクトを現場で指揮した建築本部設計開発部設計システム課の課長・石井宗弘氏は次のように語った。
 
「最終目標を見据えて、組織横断的に各部門の代表を入れて編成しました。もちろん、当初は設計と原価(積算)の2部門がメインになるため、その他の部門はオブザーバー的な参加になりましたが、全社的な活用に向けてBIM知識の浸透と理解を全部門に広げる目的があったからです。社員が同じ方向を向くことが重要でした」
 
このプロジェクトには、BIMソフト「Archicad 」上で動くアドオンソフト「BI For ArchiCAD」が重要な役割を担ったが、本ソフトウエアを擁してBIMの活用スタイルを提案する株式会社U’sFactory(ユーズファクトリ)もメンバーの一員として参画した。
通常、コンサルタントとして指導する側にある同社を各部門の代表と同列にしたチーム編成に、アーキテクト・ディベロッパー自身の、並々ならぬ変革への意志が感じられた(図-1)。

図-1 BIM検証プロジェクトチーム
図-1 BIM検証プロジェクトチーム

 
 

ワンモデルでの積算

検証プロジェクトの第一関門は3月の役員プレゼンだった。
プロジェクトを本格的に始動させるためには、その大前提であったワンモデルでの“設計と積算の連動”が、BIMで可能なことを役員に納得してもらうことが第一だった。
同社ではこれまで原価計算にExcelを使っていたが、役員たちが見守る中、設計モデルのデータは、Excelの積算フォーマットに見事に出力された。
ここに本プロジェクトは、実用化に向けた本格的な検証段階に入ったのである(図-2)。
 
一般的にBIMによる設計と積算の連携は、BIMツールによる設計モデルを作成した後で別の積算ソフトを使って行われるが、これでは真の意味の連携とは言えない。
なぜなら積算担当者による代用入力が必須な上、手拾いでの入力、単価入力などの作業が避けられず、非効率なだけでなく誤入力や重複入力など人為的ミスが発生しやすく手戻りも多いからだ。
 
従って、積算精度は担当者の力量に左右されてしまう。
同社の場合、設計と積算のズレは、利益率低下に直結する。
石井氏は、同社にとっての設計と積算の連携の意味をこう語る。
 
「弊社は、一棟の単価が約1.0億~1.2億円の物件が多く、適正な利益を得るためには、積算額の誤差を最小限に抑える努力が欠かせません。従って、積算の精度向上は社内でも以前から課題となっていました」
そうした社内の意識を、BIMの導入とともに一気に次に進める契機となったのは、一人の新入社員の「BIMというソフトがありますよ」という一言だった。
この声を受けた設計部は、すぐに部内プレゼンを行いBIMの大いなる可能性を感じた。
そして設計部発による全社的なプロジェクトが始まったのだった(図-3)。

図-2 BIM導入スケジュール
図-2 BIM導入スケジュール
図-3 ワンモデルの構築とBIMプロセスの確立
図-3 ワンモデルの構築とBIMプロセスの確立

 
 

設計データの情報不足

BIM導入のための検証プロジェクトは、第1から第3までの3フェーズで行われた。
第1フェーズでは、敢えて設計部門と原価(積算)部門それぞれに別々のモデルを作成した。
文字通りゼロからのBIM導入で当たったため、一般的に行われている状況を再現するプロセスとなったが、設計部門が一つのデータであったのに対し、原価部門は躯体・内部部屋・外面仕上げの3データとなった(図-4)。

図-4 設計/原価 各部門による検証
図-4 設計/原価 各部門による検証

当然ながらデータ不整合、入力手間、部材重複登録などが生じ、むしろこれまでより人工がかかるという事態になった。
このとき設計部門が検証用に選んだのは、同社の鉄骨造(パネル工法)のブランド「逸鉄/ITTETSU」の既存物件だ。
決して容易ではないタイプを選んだ効果を石井氏はこう振り返る。
 
「構造が複雑な鉄骨造でしかも60分準耐火という3階建の集合住宅です。設計面では手間がかかりましたが、むしろこの構造でBIM導入をスタートできたことで、結果的にはその後の自信につながりました」
 
6月には第2フェーズに入った。
ここでは設計モデルのみでどこまで積算できるかをテストした。
結果は発注項目数184に対し積算出力できた項目がわずか11、全体の6%に過ぎなかった(図-5)。
 
「クロスや長尺シートなど、この11項目はたまたま偶然出た、という感じです。実は『Archicad』を入れてモデルを作りさえすれば積算できると思っていたのですが、できなくて当然でしたね。積算に必要な情報が図面に書かれていなかったのです。もっと細かな箇所まで作り込んでいく必要があったと痛感しました」
石井氏は、目標を見据えた実質的なスタートである第2フェーズの展開をこう省みた。
そして、まさにこの言葉に、ワンモデルでの“設計と積算の連携”成功のキーがあったのだ。

図-5 設計/原価検証結果図
図-5 設計/原価検証結果図

 
 

積算を考えた設計モデル

アーキテクト・ディベロッパーのBIM導入プロジェクトは、積算精度の結果を受けて第3フェーズに入っていった。
ここでの目標は、石井氏の発言とも結び付く“積算を考慮した設計モデル”の作成だった。
こうしてワンモデルでの積算精度を上げていくチャレンジが、繰り返されていった。
しかし、設計と積算の連動はなかなかスムーズに進まなかった。
 
「『Archicad』で複雑な断面形状を作成してオブジェクト配置しても、図面表現は満足できるクオリティなのですが、積算と連動できない。そんなケースが数多く発生しました。その都度、ユーズファクトリさんに相談し、積算用の専用オブジェを作成してもらいました。例えば一つ配置するだけで矩計図の表現が可能になる折板屋根やサイディングなどです。
内部で言えば、積算を考えなければ表現する必要のない巾木や壁紙のオブジェクトなども作成されました。これらによってパーツを一つひとつ描く必要がなくなり、手間も削減されました」
 
石井氏がこう語る専用オブジェクトとは、例えば設計者が床の形を描きさえすれば、必要に応じて積算に必要な部材がセットされたオブジェクトが自動発生するイメージだ。
第3フェーズでは、積算との連携をスムーズにするため、こうした専用オブジェクトが次々に作られていった(図-6)。
 
そのための意見交換を円滑にするために、プロジェクトチームの定例会議は月2回、不定期の個別打合せは半年で15回というペースで実施され、設計部側からの要望に対する検討が行われた。
ユーズファクトリには施工マニュアルも手渡された。
このほかExcel上で質疑応答が行える「質疑相談シート」をCloudを用いてメンバーで共有し、出来上がったオブジェクトの不具合にはすぐに修正依頼が寄せられた。
そうした要望の数は週50件にも上り、ユーズファクトリ側の対応状況は定例会議で改めて共有された。
トライ&エラーの繰り返しは、BIMのみで積算できる割合を徐々に上げていった(図-7)。

図-6 一枚の屋根を配置すれば積算に必要な情報を持つオブジェクトが自動発生する
図-6 一枚の屋根を配置すれば積算に必要な
情報を持つオブジェクトが自動発生する
図-7 トライアンドエラーにより改良されたオブジェクト等
図-7 トライアンドエラーにより改良されたオブジェクト等

 
 

縦割り体制が変わる

第2フェーズで全体の6%に過ぎなかった積算出力項目数は、10月の時点で184の発注項目数に対し積算出力項目
137と全体の74.5%に上昇、実用化への目処が立ちつつあった(図-8)。
こうして本プロジェクトが当初の目標に手が届く位置になった背景には、第3フェーズで述べたような各担当者の努力の積み重ねがあった。
しかし、それ以前に根本的な成功要因を挙げるとすれば、最終ゴールに「全部門を一気通貫させたBIMプロセスの確立」を置いて部門間の垣根を壊すことを試みたプロジェクトの精神だったと言えよう。
同社には「UP(アップ)」という誰でも提案できる公募制度がある。
これに象徴されるオープンな社風が本プロジェクトを押し進めたのは間違いない。
 
BIMを導入しても、なかなか社内に浸透しない、という声をよく聞く。
それは、言葉を変えれば縦割り体制が邪魔して組織を挙げてのムーブメントにつながりづらいからだ。
アーキテクト・ディベロッパーでは、組織横断的なプロジェクトの精神を理解することで現場スタッフの考え方も変わっていった。
設計図書の作成が仕事だと思っていた設計システム課の担当者も「積算に配慮した図面を書けば、原価に直結する」ことを意識し始めた。
また、2次元上で自分が描いた線が実際の建築でどう納まるかを、BIMの3Dモデルを通し自らの目で確かめることで積算への理解はさらに進んだ。
全部門を一気通貫させるという最終ゴールに向けても、社内の関心は徐々に高まっている(図-9)。
 
「営業部門から『BIMx』を使ってプレゼンテーションしたいという要望が寄せられています。また、“Webでの内覧など物件を借りたい人向けに家具が置かれた状態を3Dで見せられたら”というアイデアも出ていますね。積算との連携は実用化まであと一歩ですが、来年度にはBIMによるワンモデルでの意匠設計と積算の本格稼働や、弊社の他の工法での検証も進めたいと思っています」
 
石井氏はプロジェクトの進行に自信をのぞかせながら、実用化の先にある組織のさらなる活性化も視野に入れているように見えた。

図-8 設計/原価検証結果
図-8 設計/原価検証結果
図-9 積算を考えた設計モデル
図-9 積算を考えた設計モデル

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集2 建築BIM
建設ITガイド2023


 



設計初期段階でのコストマネジメントに「COST-CLIP」を-BIM概算ツールに求められる役割とは?-

はじめに

株式会社日積サーベイでは、BIM活用積算の普及を目指し、BIM対応建築積算システム「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」を開発、提供しており、2023年1月には、新3Dビューワ機能などを搭載した最新版「ΗΕΛΙΟΣ2023」をリリースした(図-1)。
このΗΕΛΙΟΣは、BIMソフトとの連携として、2011年にはIFCファイルを中間ファイルとした「IFC連携」を、2016年にはBIMソフトのデータを直接ΗΕΛΙΟΣのデータ形式に変換する「ダイレクト連携」を実現した。
 
これらのBIM連携機能をリリースして以降、多くの方々に活用いただいており、弊社でもBIMを活用した積算業務を行っている。
 
そして、2022年1月には、BIMソフト上で利用可能なアドイン概算システム「COST-CLIP(コストクリップ)」の初弾となるバージョン1.0をリリースし、同年8月には機能追加版となるバージョン1.5をリリースした。
さらに、2023年2月にはバージョン2.0をリリースする。
 
今回は「COST-CLIP」に求められているBIM概算ツールとしての役割に触れた上で、新バージョン(Ver.2.0)の主要機能を紹介する。

図-1 ΗΕΛΙΟΣ 2023
図-1 ΗΕΛΙΟΣ 2023

 
 

「COST-CLIP」の概要

「COST-CLIP」は「ΗΕΛΙΟΣ」のBIM連携機能をリリース以降、多くの方々から要望いただいた「設計初期段階のBIMモデルの活用の幅を広げたい」、「BIMモデルによって概算の効率化を図りたい」、「コストを意識したBIM設計を推進したい」などといったニーズに対応するべく開発、提供しているシステムである。
 
また、「COST-CLIP」は、国内でよく使われている「Archicad(グラフィソフトジャパン株式会社)」や「Revi(tオートデスク株式会社)」上で動作し、設計初期段階の概算コストが把握できる。
これにより、設計プランを変更した際にも、リアルタイムに、建築工事全体の概算コストを把握できる。
 
企画段階からの利用に配慮し、最低限必要なBIMモデルを「部屋」のみとし、仕上情報の取得は表計算ソフトで作成した「仕上表」にも対応している。
また、ΗΕΛΙΟΣでのノウハウを生かし、「帳票出力」や「数量集計」に対応し、表計算ソフトで作成した「単価表」により、金額まで埋め込まれた、部分別内訳書が作成できる。
 
 

BIM概算ツールの役割

BIMモデルを活用して概算するために最低限求められる役割は大きく4つあると考えている(図-2)。

図-2 BIM概算ツールの役割
図-2 BIM概算ツールの役割

 
そのうち、役割1.「BIMモデルの数量算出」は、BIMソフトが標準装備する「数量集計機能」でも対応可能である。
一方で、役割2.~4.は、BIMソフト単体では対応が難しい。
 
 

役割1.「BIMモデルの数量算出」

BIMモデルに描かれた数量を単に集計するだけでなく、“概算数量”として集計することが求められる。
 
「COST-CLIP」では、一般的な概算で用いられる「部分別集計」に対応している。
 

役割2.「BIMにない数量算出」

概算に必要な部材が、必ずしもBIMモデルに描かれているとは限らない。
しかし、描かれていない部材(例えば、仮設、構造体や雑物)も、概算上無視できない。
そのため、BIMモデルに描かれていない数量も算出できることが求められる。
 
「COST-CLIP」では、BIMにない概算項目の「自動計上」機能の追加で、各種床面積やBIMモデルからの数量をベースに直接仮設、構造体や雑物を含む、建築工事全体の概算コスト算出に対応している(図-3)。

図-3 COST-CLIP「自動計上」
図-3 COST-CLIP「自動計上」

 

役割3.「単価データの連携」

単価情報は、理論的にはBIMモデルの各部材に入力できるが、現実的な話ではない。
単価は永久に同じではないからである。
そのため、単価の変動に対応できることが求められる。
 
「COST-CLIP」では、表計算ソフトで作成した「単価表」との連携に対応している。

 

役割4.「算出したコストのチェック」

BIM概算ツールには、単に概算コストを算出するだけでなく、算出した概算コストの妥当性や、設計変更の必要性をチェックしやすいことが求められる。
 
「COST-CLIP」では、二次利用(編集)が容易でシンプルな概算表である「総括表」出力機能の追加により、数量やコストのチェック、検討をしやすくしている(図-4)。

図-4 COST-CLIP「総括表」
図-4 COST-CLIP「総括表」

 
 

「COST-CLIP」の深化

「COST-CLIP」は、BIM概算ツールの役割を果たすことを重視し、BIMソフトの標準機能にはない付加価値の提供を心掛け、日々機能改良を進めている。
新バージョン(Ver.2.0)でも、ユーザーからの意見を多く反映しながら、BIM概算ツールとしての役割を深化させている。
ここでは、主要な2つの機能について紹介する。
 

1.「BIMモデルの数量算出」の深化

-全てのBIM部材への対応-
前バージョン(Ver.1.5)までは、意匠BIMモデルの主要部材である「部屋」、「壁」、「建具」に特化して対応していたが、新バージョン(Ver.2.0)ではBIMモデルに描かれた全ての部材(例えば、構造体や雑物)の数量算出に対応した。
 
BIMモデル化されたものは、そのまま全て計上できるようになったことで、コスト担当者だけではなく、設計者にとっても、より概算が「見える化」しやすくなった。
 

2.「BIMにない数量算出」の深化

-構造計算ソフトの数量対応-
新バージョン(Ver.2.0)では、構造計算ソフト(Super Build/SS7など)から出力した数量データについて、「COST-CLIP」への取り込み、集計に対応した。
これによって、設計段階やBIMモデルの入力状況に応じて、構造体の数量の算出を、以下の3つから選択できるように
なった。
 
①各種床面積ベースの「自動計上」
②構造計算ソフトの数量データ活用
③構造BIMモデルからの数量算出
 
 

今後の展開

2019年に国土交通省が設置した「建築BIM推進会議」では、BIMを活用した概算やコストマネジメントが、主要なテーマに位置付けられており、「BIM活用概算/積算」の流れは広まりつつある。
 
リリースして2年目を迎える「COST-CLIP」も、この流れをさらに加速させる存在となるべく、今後もユーザーに積極的なヒアリング調査や提案を行っていく。
特に、リアルタイムでコストの変化を確認できる機能や、「積算資料(経済調査会)」等の刊行物の単価データを連動できる機能など、さまざまな機能追加や改良を加えることで、よりいっそうBIM概算ツールの役割を担っていけるよう取り組んでいくことを約束する(図-5)。

図-5 COST-CLIPの今後

 

会社概要

会社名:株式会社日積サーベイ
所在地:大阪市中央区大手前1-4-12大阪天満橋ビル8F
創業:1964年(昭和39年)10月URL:https://www.nisseki-survey.co.jp/
資本金:2,000万円
従業員数:43名(2022年4月現在)
主な事業内容:建築積算、コスト算出、コンピューターシステムの開発
 
 
 

株式会社日積サーベイ BIMソリューション部
高橋 肇宏

 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集2 建築BIM
建設ITガイド2023


 



地方発!BIM/CIM・ICTチャレンジ事例 3Dモデル活用と3次元設計のススメ、特殊条件下でのICT活用

2023年9月1日

工事特性として3D活用

i-Construction施策により、3Dモデルを活用していくことは、これからの土木技術者にとって必要なスキルである。
 
今から10年ほど前、弊社が受注した宮崎県発注の耳川河口部護岸工事は、工事特性として地元住民の合意形成を図りながら施工していくことをプロセスとして組み込まれた工事であった。
しかし、施工前に工事の完成形をイメージすることは地元住民の方々には容易なことではないため、工事の説明手段として3DCADを使って現場をモデリングすることがよいのではないかと考え、当時インターネット上で無料配布されていたSketchUPというアプリを使い現場を3Dモデリングしたことが3D活用を始めたきっかけであった。

護岸工事

 
 

3Dモデルを使った施工管理の魅力

3Dモデル制作は、自己学習の範囲で帰宅後の夜2~3時間程度、週末は1日中没頭し10日~1カ月程かけて制作していたが、これが全く苦ではなかった。
逆に、PC上で現場が出来上がっていくことが楽しくて仕方がないという状況であり、現在まで10年間で10現場の3Dモデルを制作した。
 
これまでの実績を踏まえ既出とは思うが、メリットをいくつか挙げてみたい。
 
①自分自身の理解が深まる。
②利害関係者(地元住民・発注者)との協議などにおける合意形成が容易。
③設計図書の照査が容易。特に、異なる構造物の整合性が明確に判別できる。

例:L型擁壁と軽量盛土の接続部を協議
例:L型擁壁と軽量盛土の接続部を協議

④施工計画書における説明図として活用。

橋梁耐震補強工事
橋梁耐震補強工事
橋梁耐震補強工事

⑤完成予想図として活用

完成予想図として活用

⑥新工法の説明看板に活用

新工法の説明看板に活用

このように良いことずくめな3Dモデル活用であるがいくつか課題もあると考える。
 
 

ラーンカルチャー・学ぶ文化

全社員の活用促進につなげていく方法をどうするかが課題の一つである。
 
弊社には、若手社員が中心となって実施している「旭ドボク塾」という勉強会がある。
 
社員は県内各地の現場に配属されているため、誰でも気軽に参加できるように短時間で毎週火曜日の17時05分~20分間とし、WEBで実施している。
 
勉強会のテーマは多岐にわたり、従来技術や新技術、BIM/CIMやICT施工と仕事に関することはなんでもメニューに取り上げ、お互いに技術研鑽をしている。
1年ほど前になるが、3Dモデル制作に長けた先輩社員を講師として1カ月(4週)の3Dモデル制作訓練を行った。
3Dモデル制作にはそれなりのスキルを要し、まとまった時間も必要となるため敬遠している社員がいるように感じられた。
しかし旭ドボク塾での操作訓練を経て3Dモデル制作ができる人が増えた。
 
目標は全社員活用である(写真-1)。

写真-1
写真-1

 
 

3Dモデルをもっと活用

せっかく時間をかけ苦労して制作した 3Dモデル。
外部の人への説明に活用してこそ生きると考える。
 
その都度PCを開いて3Dモデルを起動してもよいが、世の中には3Dプリンターという画期的な機器があるので使わない手はないだろう。
 
工事目的物は分かりやすく!もっと簡単に!を追求した方が、利害関係者への説明が容易となり、最終的には自分のためになるのである。
 
 

3D 模型活用事例

橋梁耐震補強工事における活用事例

耐震補強用の部材がどのような形状をしていて、どのように取り付くのか、模型化することでよく分かる。
部材の寸法違いや形状違いがあった場合は当然のことながら模型の段階で設置できないことが分かる。
 
データ変換は必要だが制作した3Dモデルを3Dプリンターで流用可能なので便利である。

 

砂防堰堤工事における活用事例

全国ニュースにも取り上げられた台風災害の発生した場所で、県内の注目度が高く、無人化施工の取り組みも実施していることから外部の人が多く訪れる現場であった。
このため現場説明を行う際に3Dプリンター模型による説明で現場をイメージしやすくした。
 
特に、発注者による現場視察7回、現場見学会は、県内の建設会社、リース会社、土木事務所職員、地元の工業高校土木科生徒と4回の現場見学会を実施し説明用に大いに活用できた。

 
 

無人化施工への挑戦

宮崎県椎葉村にて2020年9月7日台風 10号により地元建設会社が被災した箇所に砂防堰堤工が計画された工事で、砂防堰堤背面に直高200mの崩壊法面を背負う環境下において施工される工事である。
 
この条件下、当初設計段階で無人化バッ クホウによる砂防掘削作業が計画されていた(写真-2)。
 
弊社として初めての施工方法であったが、掘削工事において人を介在しないで施工できるのであればと、さらなる安全対策を協議し工事を開始した。

写真-2
写真-2

 
 

3D設計のススメ

掘削に際し事前に砂防堰堤工および砂防背面の掘削形状を3Dモデル化。
その結果、左下のような複雑な形状であることが発覚。
また、現地土質調査の結果、背面の掘削勾配が3分勾配⇒6分勾配へと変更となり、それに伴い砂防堰堤本体形状も変更になった。
この機会に掘削形状をシンプルな形状へと弊社で3D設計し発注者に提案した(図-1)。

図-1
図-1

 
 

安全は全てに優先する

私自身、現場の施工効率をアップさせるには、安全施工であることは必須条件だと考えている。
 
掘削工事に無人化バックホウを使い、人を介在させずに施工を進めるという基本方針を厳格に履行することがこの工事の本質である。
 
しかし、掘削形状がシンプルになり丁張数が大幅に減ったとはいえ、丁張2本の設置に半日を要するような環境では、作業員が現場内に常時とどまる状況となるため、危険リスクは高いままだ(図-2、写真-3)。

図-2
図-2
写真-3
写真-3

 
 

現代の土木工事はICT施工

i-Constructionの施策に従いICTを活用すれば、安全施工が可能ではと考えたが、現在の市販技術ではICTモニターは車載式のため、無人化バックホウ技術とトレードオフの関係が成立する。
 
土砂崩壊地における土砂撤去などの単純作業であれば丁張など必要ないため無条件で無人化バックホウによる無人化が実現できるが、建設工事での無人化施工はICTと組み合わせなければ本当の無人化施工は不可能だと気付いた。
 
木杭、ぬき板、大ハンマー、削岩機などを持って危険な場所を歩かせられないし、自分も歩きたくない。
 
何とかしてバックホウの外でICT技術が使えないか試行錯誤が始まった。

 
 

試行錯誤の遠隔ICT

キャビン内のモニターを外部のタブレットで見ることができれば、遠隔でICTが可能ではないかと考え、カメラを設置しモニターに照準を合わせ、インターネット回線を使用してiPadで見られるようにした(写真-4)。

写真-4-1
写真-4-2

写真-4
 
しかし、以下の問題点が確認された。
 
①山間部のためインターネット環境が悪く映像遅延が発生。
最悪フリーズして固まる。
②施工中のバックホウ振動により、カメラが動き、モニターを30分以上捉えられない。
固定方法を工夫したが解決できず、カメラ調整のため現場内に立ち入らなければならなかった。
 
 

どこでもICT誕生

試行錯誤を繰り返しながら、弊社とタッグを組んで無人化施工に協力してくれた㈱アクティオへ技術開発要請をしており、一緒に検討を行っていたが、ついに外部タブレットにICT操作モニターを映し出すことに成功した。
 
この現場で生まれたこの技術を「どこでもICT」と名付けさせていただいた。
 
これにより、本当の意味での無人化施工が実現した(写真-5、図-3)。

写真-5
写真-5
図-3
図-3

 
 

創意工夫に終わりなし

砂防堰堤の掘削工事は、完全無人化を実現し、災害ゼロから危険ゼロを達成し無事完了した。
 
文中にも書いたが、「安全は全てに優先」とは安全施工こそが生産性向上のカギであると考えているからである。
安全対策に関する創意工夫に終わりなし。
乾いた雑巾をさらに絞って水を絞り出すが如く、知恵を絞ってさらなる挑戦をしていきたい。
 
 
 

旭建設株式会社 工事統轄部門 土木部長
河野 義博

 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集1 建設DX、BIM/CIM
建設ITガイド2023


 



維持管理分野からのBIM/CIM

はじめに

弊社は東京都江戸川区に事務所を置く社員20 名の小さな会社です。
2005 年に会社設立以来、設計コンサル様や建設会社様より仕事を頂き、橋梁を中心にコンクリートおよび鋼構造物の調査・診断、補修・補強設計などの維持管理関連の仕事を行っております。
そのなかで、三次元処理技術を活用し従来のワークフローの改善に努めております。
本稿では会社紹介と弊社の中での3D 技術の生い立ちについて紹介させていただきます。
 
 

会社紹介

会社設立

会社設立以前、私はショーボンド建設に在籍し、約20 年、諸先輩方から橋の維持管理について指導を頂きました。
独立時はこれからは地場の建設業の皆さまが地元の土木構造物の維持管理を担う時代になると信じ、少しでも役に立てることができればと会社を設立しました。
しかし初めての会社経営であり、経営的センスは全く持ち合わせていなく、社員が徐々に増えるに従い、人を雇用する責任、会社運営方法など回りの方々に助けられながら経営してまいりました。
 
そのような中、中小企業ならではの問題(人材確保、高齢化など)と直面し、藁をもつかむ思いで、技術を探し、試し、判断、運用を繰り返してきました。
その結果が表-1です。
決して時代を先取りしようとするものでなく、目の前に見えている問題に対して、対処してきたという状況です。
このような対処方法も前職での経験があったからこそと今も感謝しております。

表-1
表-1

 
 

会社の基本原則

弊社の特徴は現場第一主義です。
理由は弊社が橋梁の調査、補修・補強設計業務を中心としており、補修・補強設計を行うには、設計の知識もさることながら、現場状況の把握や工事の流れや品質管理などを理解していないと質の良い設計ができないからです。
 
損傷調査では鉄筋探査、はつりやコア採取、断面修復、現場試験、工事現場の調査では、設計照査、墨出し、実寸計測、製作図まで、一貫して自分たちでできることは全て自社で行っています。
当然人によって向き不向きはありますが、まずはさまざまな作業を自分の五感で感じとることが維持管理では重要と考えています。
 
 

維持管理におけるBIM/CIM

新設と維持管理の違い

新設は計画から始まり構造物を造るまでであり、維持管理はその後のお世話かと思います。
お世話というのは非常に息の長い付き合いであり、単なる仕事ではなく、そのものへの愛着がないと適切なお世話はできません。
常に知識と知恵を習得しながら、何度も何度も直接会い相手を理解しながら自分も勉強をする。
これを繰り返すうちに自然と愛着が生まれ、お世話、診断ができるようになります。
 
維持管理では、専門知識も非常に重要ですが、それだけではままならず、日常の点検方法から始まり、定期点検方法、診断、緊急処置の判断、対処方法、施工方法、工事、その後の運用まで、全般にわたる知識やネットワークが必要となってきます。
いくら新設の知識があったとしても、すぐにできるものでもありません。
 
既設橋梁を見たときに、その橋の履歴書をイメージできると面白くなってきます。
また、古い橋梁であればその橋の設計者がどこを大事に設計したかを見抜けるようになると、なお良い設計が行えるようになるかと思います。
 

企画・改善の方針

維持管理業務のなかで、特にソフトウエアなどを開発する場合、私が特に注意することは、最初から全自動を目指さないことです。
前述の新設と維持管理の違いにも含まれますが、新設の場合であれば、当然全自動ソフトを目指します。
維持管理の場合は、橋により条件は全て異なります。
 
いくつかのサンプル橋梁に合わせて全自動を作るとそれらの橋でしか使用できません。
半自動くらいで融通が利くようにしておけば、利用できる橋梁は格段に増えます。
その半自動の部分に今まで人力だけに頼っていた部分や人ではできなかった部分などを自動化し、まずは大変な部分を取り除き、確実に利用でき効果が実感として現れるようにします。
それがワークフローの改善につながります。
いくら新技術と言っても使える対象や人が少なく実務とかけ離れていては、多額の費用を費やした割には利用者がいないなど、全くの採算割れになり生産性向上どころか、継続すら難しいものになります。
私共のような小さな会社では社内での利用価値が上がれば生産性は向上し、開発・改善の効果は顕著に表れます。

表-2
表-2

 

企画・改善の着眼点

維持管理業務の中では、企画・改善項目を見つけ出すことは容易なことです。
維持管理業務の中では今もなお手作業が多くあります。
これは決して怠慢なわけではなく、調査などの仕事をする環境、対象物が千差万別であり、しかも過酷な条件のなかで行わなければなりません。
このような状況の中で、機械化やソフト等による自動化はパターンが多くかなり難しいものとなります。
しかし手作業が多いのは事実であり、その部分を洗い出せば課題は簡単に抽出できます。
また、その際にスーパーマンを目指すのではなく作業者の相棒的存在になるようにしています。

 

維持管理分野だからこそBIM/CIM

先にも申しましたが、既設構造物を扱うのが維持管理です。
既設構造物の3Dデータを取得できれば調査の手間を大幅に削減するだけでなく、後の維持管理にも有効利用でき、将来にわたってのコスト削減が期待できます。
また、維持管理には現状での構造寸法や損傷度合の把握が重要であり、従来はそれらを把握するために全て手作業で調査を行ってきました。
世界のBIMの技術の中には現況を3Dで再現する技術は年々進歩しており、非常に簡単に利用できるまでになっています。
将来、現場では現況のデータ取りに専念し、現場をパソコン上で超リアルに再現し3Dデータ上で点検を行うようになる日は近いものと思います。
維持管理ほど3D 技術の活用範囲が広いものはありません。

 

BIMとCIM

BIMとCIMは一般的に日本では建築と土木での使い分けかと思いますが、両者を比べるとBIMは伸び伸びと自由に活用され確実に進歩、普及しているように見えます。

 

維持管理分野からのBIM/CIM

 
建築では昔から意匠を重視する文化があり、そこに3D 技術がうまくマッチし、仕事の流れの中でも合意形成手段としてや生産性を上げるツールとして有効利用されています。
それは3Dの特徴や利点を自然に理解でき、民間同士の中でメリットさえあれば自由に伸びていく土壌があることが考えられます。
 
CIMはBIMのような土壌がない中で、生産性を向上する手段として選択しました。
この点が両者に差が生じる原因とも思われますが、業界に関わる全ての方が3Dの特徴、利点をよく理解し、従来のワークフローの中に組み入れることにより、生産性向上を目指す必要があるかと思います。
 
 

CIMへの取り組み

きっかけ

2007年より画像処理技術に取り組んできました。
きっかけは、耐震補強工事でのアンカーボルトを定着するためのコンクリートコア削孔を行った位置を計測する業務です。
計測方法としては、コア削孔したコンクリート面の前面に透明のマイラー紙を貼り付け、マジックで削孔穴をマイラーに書き込み、事務所に戻ってからそのマイラー紙を差し金で計測するというものでした。
 
精度も良くなく、新入社員当時から20年も経つのに同じ計測方法に疑問を持ち、良い方法はないか必死に探しました。
そこで出会ったのがNikonの「GS -1画像診断支援ソフト」でした。
写真上でひび割れをプロットして延長が算出できるのなら、ひび割れの代わりに削孔穴をプロットすれば位置を特定できるのではと導入したのが始まりでした。
 
それ以来、Nikonの小出氏とのお付き合いが始まり、画像、赤外線とご指導を頂き、弊社の一番の特徴である画像処理の礎となりました。
 
その後、小出氏にはNikon退職のおり、ご自身の判断でたった10名の弊社を選んでいただき、社会人としてのマナーから始まり、何事にもチャレンジしていく社風にまで成長させていただきました。
 

3Dレーザースキャナーの活用
図-1 点群データ
図-1 点群データ

2012年より3Dレーザースキャナーを運用開始しました。
きっかけは損傷調査を行う際に、まず現地を計測して現況一般図と構造図を復元します。
この作業は経験と知識が必要となる作業であり、弊社の中の経験不足のカバーと効率化が目的で導入しました。
この当時、「レーザースキャナーでデータを 取ってください」という依頼は皆無であり、お客様にも全く興味を持っていただけませんでした。
それでも弊社が関わる案件では必ずスキャンを実施し、点群上で計測し図面を作成しました。
理由としては経験不足による計り忘れを防ぎ、図面を書く際にも非常に便利であり、社内での価値が生み出せたからです。
また、「点群は非常に維持管理には有効なデータ」だと確信し、依頼がなくとも点群としてデータを残していました。
現在では600橋近い点群データを蓄積しています。
 
その後、運用を続けていくうちに、従来の2Dの図面を書く手段として点群を利用することに大きな矛盾を感じ、3Dデータをそのまま3D成果として活用できる方法を模索し始めました。
そこで4D汎用マネジメントソフト(Arena4D)と出会います。
 

4D汎用マネジメントソフト( Arena4D)
図-2 Arena4D画面
図-2 Arena4D画面

2015 年より導入しました。
しかしながら当初3年間は有効利用できませんでした。
Arena4Dは、もともとイギリスのソフトで、マニュアルからソフトまで全て英語であり、後に日本語のマニュアルもでましたが、機能のほんの一部しか理解できない状態でした。
 
そんな状態の中、フィリピンの外注委託先より一人、就労ビザを取得し弊社に迎え入れることができました。
これを機にArena4Dのさまざまな機能を把握し、業務の中での活用が可能となりました。
また、今ある機能だけでは足りず、干渉チェックや差分解析の機能の部分開発に参画しました。
 
Arena4Dは、点群をベースデータとして、その上にさまざまなデータを重ね合わせができるソフトです。
過去に作成した2D-CADデータや撮影したjpegデータなど有効活用ができる上に、時間軸を設定できるため、維持管理においては有効な活用が期待できます。
また、3Dの特性を十分に発揮し、将来を見据えた3D-成果を自由に創作できます。
 

UAVの試行

最初の導入は2011年でした。
その当時UAVは市販されていなく、マニアの方が外国から部品を取り寄せ組み立てており、それを購入しました。
 
きっかけは、橋梁調査を行う際、事前に下見を行います。
山間部の橋梁では橋面は踏査できるのですが、橋下は急峻な斜面であるため降りていくには危険が伴います。
その当時、親綱に一眼レフを縛り付け橋面から宙づりにし、橋下の状況を確認していました。
これもほかに何か良い方法はないか探しUAVに着目しました。
 
しかしながら、最初に飛行を試した際、わずか3秒で墜落してしまいました。
操縦の難しさと安全に関わる知識がないと事故につながると深く反省し断念しました。
 
2018年、UAVが市販され始め、性能も向上したことから、私を筆頭にUAVスクールへ通い操縦資格(民間)を取得しました。
現在では調査員20~60代まで10名が取得しています。
これは全員が操縦するわけではなく、UAV調査時の安全を確保するために、直接、操縦しない者も安全知識を習得するためです。
 
翌年より、UAVに一眼レフ相当のカメラが上向きに搭載できる機種が販売されたのを機に橋梁への適応を始めました。
具体的には床版の詳細調査を行う際に、従来は点検車上から床版を一眼レフで取得した画像から画像診断をしておりました。
この点検車上の作業を軽減および効率化するのが狙いでした。
しかし、UAVが大型機であり一般的な橋梁では飛行空間が狭く危険であることや画質が一眼レフより劣ることから、なかなか活用が進みませんでした。
 

UAVの活用

UAVを本格運用し始めたのは、2021年よりSkydio-J2の運用がきっかけでした。
水を得た魚のように、次々と今までの調査での作業をUAVに置き換えできるようになりました。
これはSkydio-J2が小型であるのと同時に障害物回避機能(ビジュアルスラム)を有し最小離隔50cmでの撮影が可能であり、橋梁点検での狭隘部で損傷確認するための進入性や近接性能に優れるためです。
画角は小さくなるものの画質は一眼レフと同等の画質が確保できることにより、活用範囲は大幅に拡大しました。
 
UAVでは搭載されたカメラで写真もしくは動画を撮るのが簡単な使用方法です。
しかし、写真を撮るだけでは活用範囲が限られます。
その取得した画像をいかに活用するかでUAVの価値が変わります。
SfMなどの技術を組み合わせれば、自在に既設構造物を高繊細画質で3D化が可能となります。
 
例えば、UAVで撮影した画像をSfMソフトにて3D化します。
このデータは点群にも容易に変換できます。
そうすれば用途としては、現橋を高鮮明な3Dデータとしてパソコン上で損傷を把握することが可能となります。
また、点群に変換することにより、構造寸法も用意に計測ができるようになります。
3Dレーザースキャナーと組み合わせれば、3Dレーザースキャナーではデータを取得しにくい箇所をUAVで画像を撮影し3Dデータとし、両者を重ね合わることで、欠損のない3Dデータを作成できます。
 
このように自在に3Dデータを作成することが可能となります。
 

UAV活用の未来を求めて

今年度よりKDDIスマートドローン株式会社様と橋梁分野での業務提携を結びました。
と同時にSkydio2+を提供していただき運用しています。
 
橋梁分野でのさらなる活用や将来へのコスト縮減を目指した提案など、この業界に携わる方々へ分かりやすくかつ利用しやすい環境を整えつつUAV活用を広めていきたいと考えています。
弊社は微力ではありますが、KDDIスマートドローン様よりUAVに関する指導を受けながら努力してまいります。

写真-2 Skydio 2+
写真-2 Skydio 2+

 
 

おわりに

弊社では画像処理に始まり、UAVまでさまざまな技術に取り組んでまいりました。
土木技術者の中にはこれは技術ではなく手段だと思われる方も数多くみえると思います。
私もまったく同様に思います。
ただ、土木の専門知識だけでは成り立たなくなっているのも事実であり、専門外のつながりがないとなかなか本業を全うできなくなってきています。

写真-3 KDDI小山データセンターにて
写真-3 KDDI小山データセンターにて

 
弊社の場合は、新技術を行うことが目的ではなく、会社の本業をいかに精度よく、年齢構成などに関係なく将来にむけて継続させるかの一点でその手段を探してきました。
国の施策には全くと言っていいほど無頓着でした。
補助金なども一度だけ申請したことはありますが、その後は申請したことはありません。
ほぼ自力で行ってきています。
そのような中、専門外の方々と接する機会が増え、業界に固まっていた時と比べ、非常に楽しく仕事ができるようになりました。
 
ただ、私自身は土木出身ですので、いつまでも本業を全うできる技術をこれからも模索していきたいと思います。
また、中小企業間でCIMの活用が推進するよう7年前よりM-CIM研究会を発足し、情報交換や勉強会を行い、弊社が利用している技術も皆が共有できるよう活動をしています。
興味のある方は是非、声をかけていただければと思います。
 
最後に全国の維持管理に携わる方々に少しでも参考になればと切望するとともに、常日頃、ご指導、お世話になっている方々に感謝申し上げます。
 
 
 

株式会社補修技術設計 代表取締役社長
中馬 勝己

 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集1 建設DX、BIM/CIM
建設ITガイド2023


 



建設コンサルタントにおけるBIM/CIM人材育成- 現状のモデラー育成、人材育成の課題、上級育成に関する所感-

2023年8月28日

弊社の人材育成

メインは新入社員集中研修

弊社におけるBIM/CIM教育のメインは、2014年度以降毎年5月の一カ月で実施している新入社員集中研修です。
一週間ほど、座学・ハンズオン研修を行った後、先輩社員などの指導の下、実業務を題材とした課題を熟すという内容です。
最終日の発表会では、社長賞をはじめとする各賞が用意されていることもあり、指導者も含めて真剣に取り組んでいただいています。
 
私の考える効果は以下の通りです。
 
①やはり若い人の方が向いている。
②同期の間で(仲良くなるので)情報網が形成される。
③(副次的に)土木や2D図面への入り口となる。
 
課題としては、折角学んだノウハウを計画系、環境系では生かす場面が少ないということでした。
これに対して、ICT 技術を含むDX全般に対応する組織「DX推進センター」の2021年度設立を機に、GIS、AI、RPA、XRなども選択可能とすることで、より一層研修への意欲向上が図れています。
 
開始当時は、2D図面の3D化がメインでしたが、その後、4D施工シミュレーション、比較検討、属性付与とステップアップしています。
2022年度のモデリング以外の課題としては「配管byプログラミングツール」「入札図書収集by RPA」「渋滞分析by Vissimn」「AR by VPS技術」などがありました。
 
ただ、私的には毎年5月は何やかんや非常に大変です。
でも、若い人を見て力をもらえているとも感じます。
 

ニーズ対応研修

弊社におけるその他のBIM/CIM教育は、ニーズに応じた1~3日間のハンズオン研修です。
 
対象者は、グループ会社、協力会社などを含む中堅社員、CADオペレーター、(海外からの)出向社員などです。
これらの対象者を区別せずに一緒に研修することはやっていません。
対象者が使用したいソフト、内容をヒアリングした上で適した内容の研修を行っています。
ニーズの例としては「今度入って来るCADオペさんに造成設計検討をフォローしてほしいので、線形の作成や法面の自動生成の方法を教えてあげてほしい」といったもので、「では研修を実施しますので、その前にこの基本操作編を自己学習させておいてください」といった感じです。
ただ、この研修を終えても、バリバリにソフトを使いこなせる方はいませんので「何かあったらいつでも相談してください」といった対応をとっています。
できないところをやってあげるのではなく、できるように教えてあげるといったスタンスです。
 
確かに「定期的に同じ内容の基礎的なハンズオン研修を行って欲しい」というニーズもあります。
「その方が効率的かもしれない」とも思う一方、「その後何割の方が継続してノウハウを生かしてくれるのか」という疑問もあります。
第一、変化のスピードも速いし、何より同じことを繰り返すのは私が面白くないのです。
 

社内BIM/CIM資格

弊社では「モデラー」「インストラクター」「マネージャー」という社内資格を付与しています。
一番最初だけ自ら作成した「モデル」「マニュアル」「BIM/CIM実施計画書・報告書」を審査して資格を付与しました。
その後は、年2回試験を実施しています。
試験は朝9時にメールで問題を配布し「何を見てもよいので回答を12時までに返信して!」というものです。
 
「モデラー」には得意なソフトを申告してもらい、例えば「添付する完成イメージ図を参考とし、添付するCADファイルを基に指示するモデルを作成せよ!」といった感じです。
合格者にはソフトを優先的に使用する権利を与えています。
 
「インストラクター」には、モデラー問題の「回答過程をマニュアルにせよ!」という出題をしますが、合格したとしても名誉以外のインセンティブがないため、受験者はごく少数です。
会社には例えば資格給といったインセンティブ付与をお願いしているのですが実現していません。
 
「マネージャー」にはBIM/CIMに関する広範な知識を求めたいのですが、その知識を把握する出題は難しく、現在はトピックな問題(できないこと)に対して課題(しなければならないこと)と具体的な方策を記述していただく問題としています。
採点がなるべく客観的になるような工夫が肝要です。
モデラー資格を持たないマネージャーもいます。
モデリングできなくても、「どんなことができるか」と「BIM/CIMの本質」を理解していれば、指示ができるはずだと考えています。
 
ただ、変化が激しいので、スキルを保つための方策は模索中です。
 
 

人材育成の課題

上記のような人材育成を現在行っていますが、社内外の人材育成に関する課題について考えてみました。

 

資質はモチベーションの維持で

必要な資質は以下の4つと考えます。

  • パソコンが嫌いじゃないこと
  • 新しもの好きなこと
  • 凝り性なこと
  • できればプログラミングできること

これまで1人だけ新入社員研修中にリタイアした人がいます。
同期を見回して自ら向いていないと烙印を押しちゃったみたいです。
過呼吸という症状も出てしまいました。
厳しい言い方かもしれませんが、スマホは片時も手放さないのに、仕事でパソコンに向かうと頭が痛くなるって、心の問題ですよね。
 
よく言われますが「BIM/CIMはイノベーション」です。
新しいことに興味を持って、既得権益がそれを阻害しているのであれば、それを乗り越えていく意思も欠かせない資質と考えます。
多くのアンチがいる状況では挑む価値も大きいです。
 
「凝り性」であることも重要です。
限られた時間内によりよい結果を出そうという意思は「集中力」とも言えます。

最後に「プログラミング力」。
私にとっても課題です。
しかし、与えられたアプリを使いこなすだけではなく、どうすればもっと良くなるかと考えること、さらに自らそれを実装する力は、これからどんどん求められてくると考えます。
 
これらの資質は結局モチベーションを持てれば醸成されると考えます。
動機は何でもよいです。
不純かもしれないですが「気になるあの人と一緒に仕事がしたい」でも立派な動機となりますし、より高くモチベーションが保てるはずですよね。
逆にどうしてもモチベーションが持てないようなら、BIM/CIMだけが建設コンサルタンツの仕事ではないので、モチベーションを持てる仕事を探した方がよいです。
ただ、これからはBIM/CIMぐらい熟さなくてはという時代になると思いますが…。
 

中級・上級の学習目標達成が課題

国土交通省BIM/CIMポータルサイトの研修コンテンツ内の「教育要領(案)」では、

  • 3次元CADの基本的な操作方法(従来:図面の閲覧 等)を習得する。
  • 『活用ガイドライン』を理解し、自身が担当する実務において活用項目を設定(活用業務・工事単位)することができる。
    また、授受する資料などを確認することができる。

ことを初級(当面の普及目標)としています。
 
これらは、まずビューアで3次元モデル を見てみること、用意されている研修コンテンツを利用することで概ねクリアできると考えます。
ただ漠然と見るだけではなく、さらっとでよいので何回も触れることにより学習効果が上がると考えます。
なお、研修コンテンツについては、随時、追加・改良することも重要と考えます。
 
問題は、

  • 3次元 CAD を利用した操作方法(従来:図面の修正 等)を習得する。
  • 『活用ガイドライン』に従い、自身が担当する実務を効率化することができる。

という中級と

  • 関連する複数の実務を含めて効率化することができる。
  • 適切な指揮、指導を行うことができる。

という上級の学習目標を達成するのは難しいということです。
特に上級の学習目標を達成することが建設コンサルタントにおける人材育成の課題です。

 

共通データ環境(CDE)を意識して

ISO19650とかCDEという言葉をよく耳にします。
CDEの要件を要約すると

  • 図面、モデル、ファイルなどデータが一意に識別できるようにしなさい
  • 国で定義した命名規則を使いなさい
  • 信頼性、正確性、用途が確信できるようにデータを分類しなさい
  • データの版管理をしなさい
  • 承認プロセスを管理しなさい

だと思います。
BIM/CIMの本質は「後工程に必要な情報伝達」だと言われています。
前述の中級・上級ではこれらを意識できる人材でなければなりません。
 
「目的のデータを探し出せない」「いろんなファイル名の付け方があるな~」「このデータは設計協議途中のもの?施工中のもの?」「え~と、最終1つ前のデータはどれ?」「もう発注担当者は承認していたよな~」といったことがないようにしなければなりません。

 

ワークショップの教育環境

教育(学習)方法には次の4つがあると言われます。

  • 自学自習
  • 講義
  • ワークショップ
  • On Job Time (OJT)

社内で初めてBIM/CIMを担うこととなったAさんで想像してみます。
 
まず「何から手を付ければよいのだろう」ということで、ネット検索します。
国土交通省BIM/CIMポータルサイトの研修コンテンツに行き当たり、自学自習します。
 
これだけでは「間違って認識していないかな」という不安があるので、BIM/CIMセミナーなどの講義を聴きます。
 
「そういうことか」と納得すれば、次は「とりあえず、あのソフトを使って3Dモデルを作ってみよう」となり、操作説明を受講し、トレーニング教材で自学自習します。
ここで実務を身近で教えてくれる人がいない、BIM/CIM関連業務がないといった状況なので、他社の集中研修に特別参加することにしました。
ワークショップであり、他者からの刺激を受け、BIM/CIMにより一層取り組む強い動機付けになりました。
 
その後AさんはBIM/CIMを社内拡大するため、自分の経験を基に、OJTだけではなく、なるべくワークショップを絡めた教育環境を就業時間内に確保できるよう経営陣を説得して、今では仲間とともに BIM/CIMに取り組んでいます。
しかし、上級の人材育成については「どうすべきなのか」悩んでいるこの頃です。
 
といった感じになるのかなと思います。
 
 

上級育成についての所感

  • 資質・モチベーションはある
  • 経営層の教育への理解がある

という状況で「CDEで複数の実務を効率化するための適切な指揮、指導を行うことができる」上級人材を育成することについて考えてみました。

 

オーナーをフォローするコンサル

目標は、Society5.0 社会を実現すること、フロントローディングなどでプロジェクトのトータルコストを削減することです。
それをプロジェクトごとにマネジメントするのが上級人材の役割であるとすると、活躍する立場はオーナー側(発注者あるいはPPP/PFI事業の場合には、委託された民間事業者・管理者など)であるべきです。
もしオーナー側に適任者がいなければ、それをフォローするのは発注者と契約を結んだ建設コンサルタントの技術者だと考えます。
ある大学の先生が「それをできるのは調整能力に優れているコンサルの人間」という言葉に触発もされました。

 

経営感覚も必要

建設コンサルタントは「土木建築工事の設計、監理、土木建築に関する調査、企画、立案、助言」を行うサービス業ですので、
専門的知識、調整能力を持った人材がよい技術者と言えますが、プロジェクトをマネジメントするためにはそれに加えて、可視化されたデータから状況を判断し、効率化するための適切な指揮、指導を行うための解析能力、さらには経営感覚といったスキルも必須と言えます。
 
ちょっと変な例かもしれませんが、ソフト間でIFCの相互流通が不完全な今現在
「設計者から施工者にデータが渡らない」問題は、単に両者の使用するソフトウェアが違うから起こっています。
仮に以下の2つの選択肢がある場合、現時点、プロジェクトマネージャーは効果を出すためにはAを選ぶのは当たり前で、IFCが整ったとしても、マネージャーはトータルで効果のあるソフトを選定するだけといった経営を重視したドライな感覚も必要と考えます。
 A:施工者は設計者が使っていたソフト、あるいは相性の良いソフトを使用する
 B:費用をかけて施工者が使っているソフト用のデータを作る

 

育つ環境がないのが問題

このスキルを持った人材はそんなに大量には必要ないとも思いますが、現時点ではオーナー側のプロジェクトマネージャーという立場を経験する環境(機会)が少ないのが、建設コンサルタントが上級人材を育成する上での問題であると考えます。
 

当面どのように育てるか?

将来的にはDXのためデータの整理方法をルール化することは重要です。
また、データの格納場所を確保することも必要ですが、それだけでは先の目標を達成する条件にはなり得ないと考えます。
 
一度に全てが理想的な姿でスタートできない以上、当面、選ばれたプロジェクトで BIM/CIMマネージャーを任命してOJTで経験を積み、成功例の蓄積で理想のマネジメントに近付けていくしかなく、マネージャーを補佐するものがマネージャーに育つといった方法が適していると考えます。
その過程では、各プロジェクトのマネー ジャーが集まってワークショップをし、自主学習、講義につなげるといった機会もあった方がよいです。
 
これをやろうとしているのが、DXデータセンターでの実証実験なのかもしれません。

 

例としての四面会議

マネージャーは、プロジェクトの当初からプロジェクトを計画し、随時更新していく必要があります。
成功例が蓄積していけば将来的にはAIが自動で判断してくれるという夢の世界が来るかもしれませんが、当面はやはり多くを人が担わなければなりませんし、技術の進歩が速すぎても、人が介在しなければならない場面は多く発現すると考えます。
 
そのような合意形成を必要とするプロジェクトの計画立案に有効な合意形成手法の一例として「四面会議」を紹介します。
四面会議という場は、結果として、参加者間の役割分担と包括的で相互連携的な計画案づくりを可能にします。
 
SWOT分析やブレーンストーミング+ KJ法により、役割毎に四面会議図を作成し、ディベートを行うのですが、面白いのは途中でプレーヤーの役割を交換したディベートを行うことです。
これにより当事者以外や外部者の視点からの各分担案の補強(当事者・内部者だけでは見落としがちの論理的・思考的回路の詰め)が可能になり、その分だけ総合的な実行可能性を高めることが期待できます。
 
実は私もまだ経験したことはないのですが、ぜひやってみたい合意形成手法です。
その際、4人の役割を想定すると以下のようになろうかと思います。

  • 役割 プレーヤーA:BIM/CIMマネージャー
  • 役割 プレーヤー B:設計担当
  • 役割 プレーヤー C:施工担当
  • 役割 プレーヤー D:市民

これは先の「各プロジェクトのマネージャーが集まってワークショップ」でも疑似体験として活用できると思います。

 
 

さいごに

今回、これまで携わってきた社内外での人材育成について振り返る機会をいただき感謝しています。
まだまだBIM/CIMに関するベクトルは人によりまちまちで、 BIM/CIMの本質『後工程に必要な情報伝達』実現にはなかなかの難しさを感じていますが、そのベクトルを収束させていくためにも上級人材育成は非常に大事だと改めて感じました。
 
先般、ある大学の大学院生を対象に
「BIM/CIMについて知ろう」というテーマでお話しさせていただきました。
コンサル志望も多く、「今できることは何ですか?」といった質問もいただき、彼ら彼女らが、将来、BIM/CIMをけん引してくれる姿を想像し、楽しみになりました。
 
 
参考資料
国土交通省BIM/CIMポータルサイト
http://www.nilim.go.jp/lab/qbg/bimcim/spec_cons_new.html
四面会議システム解説
https://www.jcca.or.jp/files/achievement/riim_report/vol_06/002report6.pdf

 
 
 

復建調査設計株式会社 DX推進センター BIM/CIM推進室 室長
亀田 雄二

 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集1 建設DX、BIM/CIM
建設ITガイド2023


 



 


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