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2023年9月5日
株式会社アーキテクト・ディベロッパー(architect developer,Inc.)創業2008年10月1日。 全社的なBIMを視野にこれは、BIM導入と同時に積算との連携をワンモデルで成功させた、ある会社の挑戦の物語だ。 ワンモデルでの積算検証プロジェクトの第一関門は3月の役員プレゼンだった。 設計データの情報不足BIM導入のための検証プロジェクトは、第1から第3までの3フェーズで行われた。 当然ながらデータ不整合、入力手間、部材重複登録などが生じ、むしろこれまでより人工がかかるという事態になった。 積算を考えた設計モデルアーキテクト・ディベロッパーのBIM導入プロジェクトは、積算精度の結果を受けて第3フェーズに入っていった。 縦割り体制が変わる第2フェーズで全体の6%に過ぎなかった積算出力項目数は、10月の時点で184の発注項目数に対し積算出力項目 建設ITガイド 2023 特集2 建築BIM ![]() |
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はじめに株式会社日積サーベイでは、BIM活用積算の普及を目指し、BIM対応建築積算システム「ΗΕΛΙΟΣ(ヘリオス)」を開発、提供しており、2023年1月には、新3Dビューワ機能などを搭載した最新版「ΗΕΛΙΟΣ2023」をリリースした(図-1)。 「COST-CLIP」の概要「COST-CLIP」は「ΗΕΛΙΟΣ」のBIM連携機能をリリース以降、多くの方々から要望いただいた「設計初期段階のBIMモデルの活用の幅を広げたい」、「BIMモデルによって概算の効率化を図りたい」、「コストを意識したBIM設計を推進したい」などといったニーズに対応するべく開発、提供しているシステムである。 BIM概算ツールの役割BIMモデルを活用して概算するために最低限求められる役割は大きく4つあると考えている(図-2)。 役割1.「BIMモデルの数量算出」BIMモデルに描かれた数量を単に集計するだけでなく、“概算数量”として集計することが求められる。 役割2.「BIMにない数量算出」概算に必要な部材が、必ずしもBIMモデルに描かれているとは限らない。
役割3.「単価データの連携」単価情報は、理論的にはBIMモデルの各部材に入力できるが、現実的な話ではない。
役割4.「算出したコストのチェック」BIM概算ツールには、単に概算コストを算出するだけでなく、算出した概算コストの妥当性や、設計変更の必要性をチェックしやすいことが求められる。 「COST-CLIP」の深化「COST-CLIP」は、BIM概算ツールの役割を果たすことを重視し、BIMソフトの標準機能にはない付加価値の提供を心掛け、日々機能改良を進めている。 1.「BIMモデルの数量算出」の深化-全てのBIM部材への対応- 2.「BIMにない数量算出」の深化-構造計算ソフトの数量対応- 今後の展開2019年に国土交通省が設置した「建築BIM推進会議」では、BIMを活用した概算やコストマネジメントが、主要なテーマに位置付けられており、「BIM活用概算/積算」の流れは広まりつつある。
会社概要会社名:株式会社日積サーベイ 株式会社日積サーベイ BIMソリューション部
高橋 肇宏
建設ITガイド 2023 特集2 建築BIM ![]() |
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2023年9月1日
工事特性として3D活用i-Construction施策により、3Dモデルを活用していくことは、これからの土木技術者にとって必要なスキルである。 3Dモデルを使った施工管理の魅力3Dモデル制作は、自己学習の範囲で帰宅後の夜2~3時間程度、週末は1日中没頭し10日~1カ月程かけて制作していたが、これが全く苦ではなかった。 ④施工計画書における説明図として活用。 ⑤完成予想図として活用 ⑥新工法の説明看板に活用 このように良いことずくめな3Dモデル活用であるがいくつか課題もあると考える。 ラーンカルチャー・学ぶ文化全社員の活用促進につなげていく方法をどうするかが課題の一つである。 3Dモデルをもっと活用せっかく時間をかけ苦労して制作した 3Dモデル。 3D 模型活用事例橋梁耐震補強工事における活用事例耐震補強用の部材がどのような形状をしていて、どのように取り付くのか、模型化することでよく分かる。
砂防堰堤工事における活用事例全国ニュースにも取り上げられた台風災害の発生した場所で、県内の注目度が高く、無人化施工の取り組みも実施していることから外部の人が多く訪れる現場であった。 無人化施工への挑戦宮崎県椎葉村にて2020年9月7日台風 10号により地元建設会社が被災した箇所に砂防堰堤工が計画された工事で、砂防堰堤背面に直高200mの崩壊法面を背負う環境下において施工される工事である。 3D設計のススメ掘削に際し事前に砂防堰堤工および砂防背面の掘削形状を3Dモデル化。 安全は全てに優先する私自身、現場の施工効率をアップさせるには、安全施工であることは必須条件だと考えている。 現代の土木工事はICT施工i-Constructionの施策に従いICTを活用すれば、安全施工が可能ではと考えたが、現在の市販技術ではICTモニターは車載式のため、無人化バックホウ技術とトレードオフの関係が成立する。 試行錯誤の遠隔ICTキャビン内のモニターを外部のタブレットで見ることができれば、遠隔でICTが可能ではないかと考え、カメラを設置しモニターに照準を合わせ、インターネット回線を使用してiPadで見られるようにした(写真-4)。 写真-4 どこでもICT誕生試行錯誤を繰り返しながら、弊社とタッグを組んで無人化施工に協力してくれた㈱アクティオへ技術開発要請をしており、一緒に検討を行っていたが、ついに外部タブレットにICT操作モニターを映し出すことに成功した。 創意工夫に終わりなし砂防堰堤の掘削工事は、完全無人化を実現し、災害ゼロから危険ゼロを達成し無事完了した。 旭建設株式会社 工事統轄部門 土木部長
河野 義博
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM ![]() |
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はじめに弊社は東京都江戸川区に事務所を置く社員20 名の小さな会社です。 会社紹介会社設立会社設立以前、私はショーボンド建設に在籍し、約20 年、諸先輩方から橋の維持管理について指導を頂きました。 会社の基本原則弊社の特徴は現場第一主義です。 維持管理におけるBIM/CIM新設と維持管理の違い新設は計画から始まり構造物を造るまでであり、維持管理はその後のお世話かと思います。 企画・改善の方針維持管理業務のなかで、特にソフトウエアなどを開発する場合、私が特に注意することは、最初から全自動を目指さないことです。
企画・改善の着眼点維持管理業務の中では、企画・改善項目を見つけ出すことは容易なことです。
維持管理分野だからこそBIM/CIM先にも申しましたが、既設構造物を扱うのが維持管理です。
BIMとCIMBIMとCIMは一般的に日本では建築と土木での使い分けかと思いますが、両者を比べるとBIMは伸び伸びと自由に活用され確実に進歩、普及しているように見えます。
維持管理分野からのBIM/CIM CIMへの取り組みきっかけ2007年より画像処理技術に取り組んできました。 3Dレーザースキャナーの活用2012年より3Dレーザースキャナーを運用開始しました。 4D汎用マネジメントソフト( Arena4D)2015 年より導入しました。 UAVの試行最初の導入は2011年でした。 UAVの活用UAVを本格運用し始めたのは、2021年よりSkydio-J2の運用がきっかけでした。 UAV活用の未来を求めて今年度よりKDDIスマートドローン株式会社様と橋梁分野での業務提携を結びました。 おわりに弊社では画像処理に始まり、UAVまでさまざまな技術に取り組んでまいりました。 株式会社補修技術設計 代表取締役社長
中馬 勝己
建設ITガイド 2023 特集1 建設DX、BIM/CIM ![]() |
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2023年8月28日
弊社の人材育成メインは新入社員集中研修弊社におけるBIM/CIM教育のメインは、2014年度以降毎年5月の一カ月で実施している新入社員集中研修です。 ニーズ対応研修弊社におけるその他のBIM/CIM教育は、ニーズに応じた1~3日間のハンズオン研修です。 社内BIM/CIM資格弊社では「モデラー」「インストラクター」「マネージャー」という社内資格を付与しています。 人材育成の課題上記のような人材育成を現在行っていますが、社内外の人材育成に関する課題について考えてみました。
資質はモチベーションの維持で必要な資質は以下の4つと考えます。
これまで1人だけ新入社員研修中にリタイアした人がいます。 最後に「プログラミング力」。 中級・上級の学習目標達成が課題国土交通省BIM/CIMポータルサイトの研修コンテンツ内の「教育要領(案)」では、
ことを初級(当面の普及目標)としています。
という中級と
という上級の学習目標を達成するのは難しいということです。
共通データ環境(CDE)を意識してISO19650とかCDEという言葉をよく耳にします。
だと思います。
ワークショップの教育環境教育(学習)方法には次の4つがあると言われます。
社内で初めてBIM/CIMを担うこととなったAさんで想像してみます。 上級育成についての所感
という状況で「CDEで複数の実務を効率化するための適切な指揮、指導を行うことができる」上級人材を育成することについて考えてみました。
オーナーをフォローするコンサル目標は、Society5.0 社会を実現すること、フロントローディングなどでプロジェクトのトータルコストを削減することです。
経営感覚も必要建設コンサルタントは「土木建築工事の設計、監理、土木建築に関する調査、企画、立案、助言」を行うサービス業ですので、
育つ環境がないのが問題このスキルを持った人材はそんなに大量には必要ないとも思いますが、現時点ではオーナー側のプロジェクトマネージャーという立場を経験する環境(機会)が少ないのが、建設コンサルタントが上級人材を育成する上での問題であると考えます。 当面どのように育てるか?将来的にはDXのためデータの整理方法をルール化することは重要です。
例としての四面会議マネージャーは、プロジェクトの当初からプロジェクトを計画し、随時更新していく必要があります。
これは先の「各プロジェクトのマネージャーが集まってワークショップ」でも疑似体験として活用できると思います。 さいごに今回、これまで携わってきた社内外での人材育成について振り返る機会をいただき感謝しています。 復建調査設計株式会社 DX推進センター BIM/CIM推進室 室長
亀田 雄二
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