書籍版「建設ITガイド」に掲載した特集記事のバックナンバーです。
沖縄総合事務局におけるBIM/CIMの取り組み
2025.07.14はじめに
国土交通省では、令和5年度より、BIM/CIMの原則適用(図-1)を進めており、国土交通省職員だけでなく、国土交通省の業務や工事を受注する民間企業などもBIM/CIMを活用できるように環境整備を図っています。
BIM/CIMの活用に当たっては、測量・調査・設計などの各段階から3次元データを導入し、施工や維持管理などの各段階への3次元データの連携が重要となります。
これにより、事業段階ごとの関係者との情報共有が容易になります。
沖縄総合事務局における取り組み状況
沖縄総合事務局での取り組みとして、モデル事務所を中心に進めてきましたが、令和5年度より業務・工事でのBIM/CIMの原則適用を受け、管内の他事務所でもBIM/CIMのさらなる活用を図っています。
BIM/CIMを効果的に活用し、建設生産システムの効率化を図るためには、発注者および受注者双方の人材の育成が不可欠です。
沖縄総合事務局では、BIM/CIMの適用が十分に浸透していない現状を踏まえ、受発注者を対象としたWebや対面での講習会を開催(図-2)し、効果的に活用を推進しています。
また、人材育成の拠点として沖縄総合事務局開発建設部に「沖縄インフラDXルーム」の整備し、令和4年12月20日より運用を開始しました。
インフラDXの推進に向けて、VRコンテンツなどの体験が可能なDX技術を活用しています。
今後、DXルームで体験できるコンテンツの充実と人材育成に向けた環境整備に取り組んでまいります。
デジタルツインの作成および活用1)
沖縄総合事務局では、令和元年10月に発生した火災により焼失した首里城の復元整備を進めており、それに併せて復元作業の見える化「見せる復興」に取り組んでいます。
BIM/CIMを軸とする「首里城デジタルツイン」を作成し、復元までの首里城正殿の可視化を図ることで、工事関係者間での工事中・完成後のイメージを共有するツールとしての活用、また、一般の方への復元整備に関する理解を促進する情報発信ツールなどとして活用しています(図-3)。
フロントローディングの取り組み事例
BIM/CIMモデル事務所において、BIM/CIMの原則適用を受け、調査・測量・設計・施工の各段階でのフロントローディングの取り組みを進めています(図-4)。
特に施工段階においては、ICT活用工事に際し起工測量時にUAVレーザー測量を行い、設計データと点群データを合成した統合モデルを作成し、当初設計と施工計画作成時に手戻りを防ぐ意味でフロントローディングで活用するなどの取り組みを進めています。
おわりに
建設現場の生産性向上を図るためには、インフラDX、i-Construction、BIM/CIMなどの取り組みを普及・推進することが重要です。
これらの取り組みが社会全体に浸透し、一般化することで、魅力ある建設業へつなげていくことが期待されます。
〈参考文献〉
1)勝美 直光、新垣 博愛:首里城公園におけるBIM/CIMを活用したインフラDXの推進
-首里城デジタルツインの効果と課題-、令和5年度国土交通省国土技術研究会概要論文集 ~イノベーションⅡ部門~、2023
【出典】
建設ITガイド2025
最終更新日:2025-07-14
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