2023年9月14日
はじめに近年、建設業界においては「生産性向上」や「働き方改革」などに注目が集まり、多くの企業においてBIMの推進に取り組む部門が設置され、BIMの取り組みが拡大・多様化しています。 調査の概要(1)実施概要実施概要は以下のとおりです。
(2)回答企業の属性会社規模について、従業員1,000名超の企業の回答数は25社でした(図-1)。 BIM推進の方針と基盤整備の状況(1)BIM適用条件BIM適用案件の選定方法は、設計も施工もプロジェクト条件に応じた適用が多いです(図-4)。
(2)BIMワークフローとデータ連携方法標準となるBIMワークフローは半数以上が未設定です(図-5)。
(3)BIM推進組織BIM推進組織のある企業は、回答した企業の85%を占めています(図-7)。
(4)作業所長の配置時期とBIMマネージャーの配置1作業所長の配置時期は着工前またはケース・バイ・ケースがほとんどで、仕組みとして設計段階での配置を定めている企業は限られます(図-8)。 (5)BIMモデラーの確保BIMモデラーについて、全体では約60%が確保できているが将来不足を予想しています(図-10)。 (6)BIMの教育BIMの教育は全体としてほぼ何らかの取り組みを行っており、特に社内研修が多く実施されています(図-11)。
(7)モデル作成のマニュアル・ガイドの整備モデル作成のマニュアルやガイドについて、設計では意匠が高く全体で約60%が設定していて、構造と施工では半数近く設定しています(図-12)。
(8)BIM実行計画書の運用BIM実行計画書は全体では85%が全てまたは必要に応じて作成・運用していますが、BIM適用プロジェクトの全てで作成・運用しているのは3分の1にとどまっています(図-13)。 設計のBIM活用状況(1)意匠・構造・設備3部門での活用度合い(1) 意匠設計でのモデル作成は35%、モデルによる整合確認とモデルから設計図作成は20%程度の活用率です(図-14)。
(2)設計施工間でのモデル連携度合い設計施工一貫方式の工事では、施工での設計モデルの継続活用は20%程度、引継書と設計モデルの発行はいずれも15%です。
(3)積算(見積部門)での活用度合いモデルから躯体見積数量の算出は全体で10%程度、仕上見積数量算出と設備見積数量算出は数%の活用率に限られています(図-18)。 施工のBIM活用状況(1)施工BIMの活用シーン施工BIMの活用シーンとしては、施工期間中の各種会議で広く活用されている状況がうかがえます(図-19)。 (2)施工計画・事前検討での活用度合い施工モデル作成は全体でほぼ半数で実施されています。
(3)施工図作成での活用度合い施工図作成での活用について全体では、モデルから躯体図、平面詳細図、設備施工図作成が10%程度の活用率です(図-21)。 (4)施工管理での活用度合い施工管理での活用について全体では、打合せ・合意形成での活用率が35%と高く、共通データ環境の活用が20%程度
(5)工種別の専門工事会社との連携状況仮設、鉄骨、衛生、空調、電気の各工事での活用率が高く、過半数で活用されています(図-23)。
(6)専門工事会社との連携度合いモデルの重ね合わせによるBIMモデル合意が躯体・設備で20%程度、仕上げで10%程度、発注や製作への活用は数%にとどまっています(図-24)。 今後の活動アンケート調査の結果より、課題の抽出と今後の対応をまとめました(表-1)。 一般社団法人 日本建設業連合会 建築生産委員会 BIM部会 BIM啓発専門部会主査
建設ITガイド 2023 特集2 建築BIM 最終更新日:2023-09-18 |