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書籍版「建設ITガイド」に掲載した特集記事のバックナンバーです。

四国地方整備局におけるBIM/CIMの取り組みについて

2022年9月12日

はじめに

四国地方整備局では平成24年度からBIM/CIMを活用し、これまでに業務52件、工事23件で活用を行っています(図-1)。
業務では道路予備設計や測量・地質調査、橋梁・トンネルの詳細設計などにおいて、本体の鉄筋・付属物の干渉チェックや橋梁構造の比較検討、地元説明などで活用、工事では鋼橋上部工事やトンネル工事において施工計画の検討や干渉チェック(図-2)、関係者協議、危険予知活動(写真-1)、出来型計測などに活用しています。
今後は令和5年度からの小規模を除く全ての公共事業におけるBIM/CIM原則適用に向け、3次元設計ストックを順次拡大し、施工段階で活用していく予定です。
これらを本格的に進めるために、四国地方整備局では令和2年度に各事務所に高性能PCを導入するとともに発注者の役割を担うための人材育成を本格化させたところです。
 
また、BIM/CIM原則化を効率的に進めるためには、それぞれの役割を担っている発注者、設計コンサルタント、建設会社の全てが一体となって取り組む必要があり、人材育成などの体制整備が課題の一つといえます。
 
この課題に対応するため、四国地方整備局においても人材育成センター整備に向け、令和3年度から検討を本格化する考えです。

BIM/CIMの実施状況(四国直轄工事・業務)

図-1 BIM/CIMの実施状況(四国直轄工事・業務)



 

【施工段階】効率的な設計照査(R2-4外環余戸南第1橋上部P35-P41工事)

図-2 【施工段階】効率的な設計照査(R2-4外環余戸南第1橋上部P35-P41工事)


【施工段階】現場における危険作業の周知に活用(R1-2外環空港線洗地川橋(下り)上部工事)

写真-1 【施工段階】現場における危険作業の周知に活用(R1-2外環空港線洗地川橋(下り)上部工事)



 

モデル事務所の取り組みについて

松山河川国道事務所は平成30年度に『i-Constructionモデル事務所』に認定されており、計画段階からBIM/CIMを活用する全国でも数少ない事例として、「松山外環状道路インター東線」事業において予備設計から「3次元データを活用」し効率化・省力化を推進しています。
 
BIM/CIMの活用で、フロントローディングを推進し、後工程に必要な情報を事務所内の測量設計・用地買収・施工・管理など関係者で意見交換を行いながら取りまとめを行っています。
 
また、クラウドで各フェーズの情報共有を行うだけでなく、測量設計・用地買収・施工・管理など複数の関係課のデータをとりまとめ、それらの3次元データに時間軸を含めた「4次元データ」として「情報プラットフォーム構築」を進めており、これにより事業全体の最新情報がステップごとに可視化できると考えています。
このほか、事業の地元説明会などにおいてBIM/CIMモデルを活用し、「見える化」することによって地域住民の事業への理解や協力がより深まり合意形成が効率的に行えるようになりました(図-3)。
 
発注者のBIM/CIM活用のポイントは、実現したい内容を明確にして設計コンサルタントの技術支援を得ながら目的を達成することと考えます。
BIM/CIMモデル作成を目的化することなく、ここで得たBIM/CIMマネジメントの知見を水平展開し、発注者の人材育成のみならず、地域のコンサルタントとともに進み、裾野を広げていくことでBIM/CIMの原則化につなげていきたいと考えています。
 
また、i-Constructionをより一層促進し、魅力ある建設現場を創出するためには、官・学が相互支援を行いながら取り組む必要性があることから、令和2年7月2日に愛媛大学と「i-Construction推進のための連携・協力に関する協定」を結んで、相互協力を進めております。
 
その一環として、3Dデータの利活用と事務所の若手技術職員と今後の担い手となる学生の育成を目的とした「連携講義」を開催しており、令和3年度は、松山河川国道事務所からi-Constructionを取り入れた事業(図-4)を設定し、講義の中で3Dデータの活用方法を習得するほか、活用した事業上の課題解決について議論を行うことで、BIM/CIMの有効性の把握や課題抽出能力など、さらなる効率化の取り組みについて考えることを学ぶとともに、担い手の技術習得に貢献する取り組みも計画しています。

【設計段階】地元説明会での活用(3D映像)(松山河川国道事務所松山外環状道路インター東線)

図-3 【設計段階】地元説明会での活用(3D映像)(松山河川国道事務所松山外環状道路インター東線)


愛媛大学と連携した講義(案)

図-4 愛媛大学と連携した講義(案)



 

インフラDXの取り組みについて

四国地域において、地域住民のニーズを基にデータとデジタル技術を活用し、社会資本整備や公共サービスの改革を推進するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、建設業や四国地方整備局の文化・風土や働き方を改革し、建設業の生産性の向上を図るとともに、インフラへの国民理解を促進し安全・安心で豊かな生活を実現するため、各部局が横断的に連携してインフラ分野のDXを推進することを目的に、「四国地方整備局インフラDX推進本部会議」を設置しました(図-5)。
令和3年度の取り組みとしては、令和3年8月24日に四国地整全体として取り組む「インフラDX推進計画」を策定し、中でも、地域の建設業および国・県・市町村の技術者のために、「インフラDX人材育成センター」の整備計画(案)および研修など計画(案)を策定や関係業界団体、大学などおよび県・市町村と連携し、方向性を検討していきたいと考えています。

四国地方整備局におけるインフラDX推進体制

図-5 四国地方整備局におけるインフラDX推進体制



 

おわりに

四国地方整備局においては、中長期的な担い手確保・育成の重要性を鑑み、モデル事務所で得られた知見を四国内に水平展開し、またインフラDXの取り組みを進めることで、BIM/CIM活用をより一層推進し、建設現場を魅力的でスマートな職場へと改革していきたいと考えています。

 
 

国土交通省 四国地方整備局 企画部 技術管理課 技術検査官
阿部 浩之

 
 
【出典】


建設ITガイド 2022
特集1 建設DX、BIM/CIM
建設ITガイド_2022年


 
 



 

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