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書籍版「建設ITガイド」に掲載した特集記事のバックナンバーです。

官庁営繕事業におけるBIMの展開

2023年9月26日

はじめに

官庁施設(国家機関の建築物)には、庁舎をはじめ、研究施設、図書館、博物館、社会福祉施設など、さまざまなものがあります。
国土交通省大臣官房官庁営繕部では、官庁施設を整備するとともに、それらが適切に保全されるよう各省庁への支援を行っています。
 
国土交通省には、i-Constructionの一環としてBIM/CIM推進委員会を、そのWGとして建築BIM推進会議を設置しています。
本会議では、建築分野におけるBIMの進展を目指して幅広い検討が進められています。
 
官庁営繕部では、それらの検討成果を踏まえ、官庁営繕事業におけるBIMの試行、試行結果を踏まえたガイドラインの策定、改定など、BIM活用による生産性向上に向けた取り組みを進めています。
 
 

これまでの取り組み

官庁営繕部では、2010年度から新築設計においてBIMの試行に着手し、試行を通じて得られた知見を踏まえ、「官庁営繕事業におけるBIMモデルの作成および利用に関するガイドライン」(以下、BIMガイドライン)を2014年3月に策定、公表しました。
BIMガイドラインは、官庁営繕事業における設計業務または工事の受注者によるBIMモデルの作成および利用に当たっての基本的な考え方、留意事項などを示したものになります。
 
その後も設計業務や工事においてBIMの試行を継続しており、2020年度には、長野第1地方合同庁舎の設計業務において、工事受注者への引き継ぎを視野に入れたBIMデータの作成、BIMデータからの設計図面(一部)の作成などの試行を行いました。
 
2021年度には、PFI事業である名古屋第4地方合同庁舎整備事業において、施工段階に加え、維持管理段階における活用を前提としたBIMデータの作成などの試行に着手しました。
 
また、これらの試行と並行して、「官庁営繕事業における一貫したBIM活用に関する検討会」(座長:芝浦工業大学蟹澤宏剛教授)のご意見をいただきながら、BIM活用のワークフローとBIMに関する発注仕様書となるEIR(発注者情報要件)の試案を作成するとともに、BIMガイドラインの改定を本年3月に行いました。
 
BIM活用のワークフローは、受発注者が参照する資料として、新築事業における設計から施工段階までのBIM活用に関する作業の流れを整理したものです。
官庁営繕事業の特徴である、設計と施工の分離、設備工事の分離発注、第三者監理などを前提に作成しています(図-1)。

図-3 2022年度 官庁営繕事業におけるBIM活用の取り組み
図-1 官庁営繕事業におけるBIMのワークフロー

 
EIRの試案は、BEP(BIM実行計画書)の作成、BIMデータの納品、BIM活用の対象項目などの項目を設定しており、この試案を参考に、発注者として求めるBIMの活用内容を個別事業ごとに明示することを想定しています。
BIM活用の対象項目については、実施を必須とする指定項目、実施を受注者の任意とする推奨項目に分類して記載することとしています(図-2)。

図-2 設計業務にかかるEIR(例) 抜粋
図-2 設計業務にかかるEIR(例) 抜粋

 
また、BIMガイドラインについて、EIRの作成に関する事項を拡充するとともに、発注者が求める要件はEIRに記載することとし、BIMガイドラインは適用する資料から参照する資料へと役割を見直しています。
 
 

2022年度の取り組み

2022年度は、上記ワークフローに沿って、EIR試案を活用したBIMの試行を行います(図-3)。

図-3 2022年度 官庁営繕事業におけるBIM活用の取り組み
図-3 2022年度 官庁営繕事業におけるBIM活用の取り組み

 
設計業務では、契約後にBEPの提出、業務完了時にBIMデータと工事受注者への引継資料の提出を求めることとしています。
 
設計段階で作成されたBIMデータは、工事発注に当たり競争参加者に提示して工事目的物の完成イメージの共有などに役立てることとしています。
また、工事契約後に発注者、設計者、施工者などをメンバーとするBIM調整会議を実施し、施工におけるBIMデータの活用について調整を行うこととしています。
 
これらの手順を踏むことで、設計段階のBIMデータを施工段階で活用するための課題が明らかになり、それを解決していくことによってBIM活用が進むものと期待しています。
 
また、EIR試案を活用した試行結果を踏まえ、「官庁営繕事業におけるEIR作成の手引き(仮称)」を策定することで、官庁営繕事業および事務の効率化に役立てるほか、地方公共団体などの公共建築発注者にも周知して参照いただけるようにしたいと考えています。
 
このことにより、設計業務や工事の発注においてEIRの作成が普及し、公共建築分野におけるBIM活用の進展に寄与できると考えています。
 
 

おわりに

官庁営繕部では、引き続き各省庁、地方公共団体、業界団体と連携し、BIM活用に取り組んでまいります。
 
先にご紹介したBIMガイドライン等の資料は、官庁営繕部HPに掲載しておりますので、ご参照ください。
 
※(参考)官庁営繕部HP
 
 
 

国土交通省 大臣官房 官庁営繕部 整備課 施設評価室

 
 
【出典】


建設ITガイド 2023
特集2 建築BIM
建設ITガイド2023


 

最終更新日:2023-10-14



 


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