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施工分野におけるi-Constructionの取り組み

2017年5月30日

 

はじめに

日本国土開発株式会社 土木事業本部 技術部 CIM/ICT推進チームリーダー 佐野 健彦氏


 
国土交通省CIMは、一連の建設生産システムの効率化を目的として2012 年に導入された。その後、建設現場における生産性向上およびプロセス全体の最適化を目的としたi-Constructionが、2015 年に国土交通大臣から示された。2016 年からは、ICTの全面的な活用(ICT土工)、全体最適の導入、施工時期の平準化が、トップランナー施策として推進されている。本稿は、ICT土工による施工実績および全体最適の導入を見据えた当社の取り組みに関する事例を紹介する。


 
 

ICTを活用した施工技術

 ICT土工の鍵となる技術は、3D計測技術と3Dデータを活用したICT建設機械技術に大別される。図-1は、3D計測技術と3Dデータを活用したICT建設機械技術を適用した当社の事例である。
 

図-1 3D計測技術と3Dデータを活用したICT建設技術による施工概要




 
 
3D計測技術は、UAVによるデジタル写真測量、3Dレーザースキャナーを用いた計測およびMMSによる計測などがある。ICT建設機械は、制御方式の違いによって、マシンガイダンスとマシンコントロールの2つに分類される。
 
これらのICT建設機械は、従来の土工では必要であった丁張りを設置することなく施工が可能である。施工に必要なデータは、3Dで作成された設計データおよび現況地形データであり、Land XML形式のデータをICT建設機械に直接インプットする。施工後の出来形確認は、前述の3D計測技術に加えて、ICT建設機械に搭載されたステレオカメラによってリアルタイムに計測できる仕組みが確立されつつある。
 
UAVもしくは3Dレーザースキャナー以外の方法として基準の整備が待ち望まれる。図-2は、1日当たりの撮影範囲および地上分解能の関係を撮影高度に対して図示したものである。
 

図-2 撮影範囲と地上分解能の撮影高度による違い




 
 
この図は、当社の実績に基づき作成した。左縦軸は、1日当たりに撮影が可能な範囲の累積面積、右縦軸は、地上分解能を示している。横軸は、UAVの撮影高度である。撮影高度が30mでは地上分解能7.3mm/pix、撮影高度が50mでは地上分解能が12.2mm/pixであることが読み取れる。地上分解能を高くすれば1日当たりの撮影範囲は狭くなる。精度が確保できる最適な撮影高度の把握は、生産性向上の観点から重要である。状況に応じた撮影高度の最適値は、撮影データの蓄積によって探求すべき課題である。
 
 

3Dモデル作成の効率化

国土交通省CIMは、2012年の導入当初から3Dモデルによる管理を前提としていた。そのため3D空間上で動作するICT建設機械や、3D計測技術との親和性は高い。現況地形の3Dモデル化は、UAVの場合、デジタル写真測量によって撮影された複数の画像データからSfMソフトを用いることで比較的短時間に3D点群データを取得可能である。
 
3Dレーザースキャナー計測の場合は、3D点群データを直接取得することが可能である。後工程のTINサーフェスモデル作成などの処理は、いずれの手法を用いた場合も短時間に精度良く作成することが可能である。背景には、特別な経験や技術を必要としないSfMソフトウェアの普及、コンピュータの演算処理速度の飛躍的な向上がある。一方、設計3Dモデルの作成は、依然として人が介在する作業を伴い、時間的損失が大きい。当社では、メガソーラーの案件などを手がけているが、詳細なモデルの作成には非常に手間がかかっていた。動もすれば効率化どころか業務の非効率化といった真逆の状況に陥りかねない。効率化を追求する上では、モデル作成の自動処理の実現は、生産性向上において重要な課題であるといえる。
 
図-3は、比較的緩い傾斜地を対象としたメガソーラーのモデル作成に使用した自動処理の例である。
 

図-3 自動配置プログラムを用いたモデル作成の概要




 
 
この工事は、造成工事を行わず地形なりにメガソーラーを配置する工事であった。配置するパネルの角度は、東西方向、南北方向でそれぞれ異なり、手作業で6,000ブロックを超えるモデルの配置は困難を極めた。そこで、MicrosoftVisual StudioやJavaなどの開発言語を用い、座標データからAutodeskCivil3Dのコマンドを生成するプログラムを開発した。モデルは、プログラムが生成したコマンドをコマンドラインにコピー&ペーストするだけで自動的に配置される。数カ月を要するモデルの配置は、2時間で完了した。 
 
また、冒頭に示したトップランナー施策の全体最適の導入は、主としてコンクリート工を対象とした取り組みであり、構造形式の標準化やプレキャスト化による生産性の向上を目指している。当社では、プレキャスト化に主眼を置き、ICTを活用した管理手法をEPS軽量盛土工に対して適用した(図-4)。
 

図-4 ICTを活用したEPS軽量盛土の管理




 
 
EPS軽量盛土は、2m×1m×0.5mの発泡スチロール製の直方体EPSブロックを積み重ねて道路の路体とする構造である。複数の工場を供給元としたすべてのEPSブロックには、工場出荷時に固有の番号を記録したQRコードを貼付した。現場では、位置座標の取得ができるQRコードリーダを用いて、材料の検収をし、EPSブロック設置位置等の情報についても同様にしてデータベースに記録した。データベースに記録された結果をもとにJavaで作成したプログラムを用いて、GNSSによる位置情報のズレを修正しながらCIMモデルを自動生成し、現場とCIMモデルのタイムラグを短縮した。この手法は、株式会社 科学情報システムズ(神奈川県横浜市)と共同開発した。
 
 

大規模造成工事における仮設防災計画の最適化手法の確立

 UAVで得られた3D地形データは、従来の等高線と比較すると圧倒的に精度が高く、撮影後すぐに利用できるため地形データの経年劣化がない。このデータを用いて仮設防災計画を行い、予測精度の精緻化を図っている。図-5は、Autodesk Infra Works 360で検討した事例である。
 

図-5 大規模造成工事における仮設防災計画の最適化




 
 

おわりに

 i-Constructionに示されたトップランナー施策について当社における具体的な取り組みを紹介した。ICTの積極的な活用は、意思決定や合意形成のスピードを向上させ、プロジェクトの全体最適化に大きく寄与することが分かった。今後は、これまで見逃されていた生産性を低下させている原因に対して部分最適化を行うとともに、全体最適化を推進してさらなる生産性向上をめざし、魅力ある建設業を創造していく責務があると考えている。図-6は、ICT土工の近未来予想図である。
 

図-6 建設重機の自動施工システム




 
 

参考文献

佐野健彦・大西隆夫
i-Constructionを全面活用した造成工事の実績および精度検証,平成28年度近畿地方整備局研究発表会論文集,国土交通省,新技術・新工法部門:No.12,2016
 
羽賀研太朗・佐野健彦・大上敏弘
ICTを活用したEPSブロック施工の出来形管理,土木学会第71回年次学術講演会講演概要集,土木学会,2016
 
 
 

日本国土開発株式会社 土木事業本部 技術部
CIM/ICT推進チームリーダー 佐野 健彦

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i-Construction時代の到来とCIM」



 
 



中国地方整備局におけるCIMの取り組みについて−鳥取西道路福井高架橋鋼上部工事(鳥取河川国道事務所)の事例−

2017年5月29日

 

はじめに

今回、施工段階におけるCIM導入の効果を検証するためCIM試行対象工事である鳥取西道路福井高架橋鋼上部工事について報告する。
 
 

鳥取西道路福井高架橋鋼上部工事の概要

鳥取県を東西に結ぶ一般国道9号線は朝夕をはじめ観光シーズンには深刻な交通渋滞が発生しているが代わりとなる道路もなく、大きな事故や災害の発生時には、日常生活はもとより、地域の経済活動に多大な支障をきたしている。
 
鳥取西道路は、上記の解消・緩和を目的に各路線の幹線道路ネットワ−クの形成による地域の活性化や生活圏域の拡大を目的とした鳥取県鳥取市本高から鳥取市青谷町青谷に至る延長約19.3kmの道路である。
 
本工事は、鳥取西道路の一環として、鳥取市福井地内に建設する橋梁上部工事(L=202m)で 今回の橋梁上部工事は、鋼橋架設および床版・橋梁付属物(壁高欄等)まで行う工事である。
 

図-1 鳥取西道路福井高架橋鋼上部工事の完成予想図




 
<工事概要> 
鋼橋架設工 324t
現場継手工(本締めボルト) 12,544本
現場塗装工 210m2
床版工(I型鋼格子床版) 1511m2
床版コンクリート 714m3
橋梁付属物工 一式
 

施工現場に果たしたCIM導入の役割

(1)施工前の設計照査
 
2次元の設計図書よりCIMの3次元モデルを作成することで可視化による設計照査を以下の通り実施した。
 
①2次元CAD図面(平面・縦断・横断)の設計照査
 
②本体構造と附属物の取り合い、部材同士の干渉等の不具合
 
③鋼橋における維持管理空間(検査路)の確保
 
●現場の声:「設計の不整合や現場条件による設計修正等の手戻りは、早い時点で対応したい。施工が進捗した段階では、修正に対しコスト高となるだけでなく対応案も限られる。この工事では、施工前に図面の修正や検査路の動線修正ができた」
 

図-2 CIMの3次元モデル(上図)と現場状況写真(架設・足場組立完了)(下図)

図-3 現場状況写真(下図)とCIMを活用した架設時の可視化図(上図)




 
 

図-4 本体構造と附属物の取り合い




 
 

図-5 維持管理空間(検査路)の確保と部材同士の干渉チェック




 
 
(2)施工前(施工計画)の架設計画検討
 
架設計画については、高架下を市道が横断しておりその交通量や交通規制による影響が架設方法を決定する評価項目となった。このため、架設方法による施工に関する影響を「見える化」により検証した。また、関係機関協議や地元説明会において活用しており、実施内容については以下の通りとした。
 
①昼間・夜間の架設施工に関する問題点の把握および検証
 
②道路管理者協議および住民説明会では、架設段階(各ステップ)ごとに市道切り替え(迂回路)や安全管理対策(保安施設)についてアニメーション動画で説明
 
●現場の声:「従来の関係機関協議や地元説明会では、2次元図面を用いて説明していたが、構造物の把握に時間を要し、具体的な工事完成後のイメージや環境対策の確認が不十分で施工途中に指摘を受けたり、その対応で施工を中断せざるを得ないこともあった。
 
今回、CIMの3次元モデルを活用し、施工中、完成時点の進捗状況をアニメーションで説明したところ近隣住民の方々の理解も得られ、具体的な環境保全・安全対策について活発な意見が交わされた」
 
●現場の声:「夜間施工では、ドライバーの視点で検証すると周辺に照明施設がないため、施工箇所とその周辺で照明施設の有無による照度差があることが分かった。このため、夜間施工の場合には、誘導灯や連続的な照明施設が安全管理上、必要であることが確認できた」
 

図-6 市道の切り替えに伴う架設時の俯角(75°)の確認




 
 

図-7 CIMを活用した夜間施工(架設時)の可視化図




 
 
(3)施工中の安全管理検討
 
工事特性として高所作業が安全管理のポイントと考え、CIMの利点である任意の視点からの可視化に着目し、作業手順の確認、KY(危険予知)活動等の安全管理について以下の通り実施した。 
 
①工事特性として高所作業の安全管理に配慮し、足場工等の仮設工を3次元データ化
 
②桁架設工、足場工について作業手順を可視化することで、作業員に対する安全指導やKY活動に活用
 
③占用物件(電線)との離隔確認(1. 5m以上)
 
●現場の声:「施工段階ごとに現場作業員が入れ替わるため、安全教育のレベルを継続的に維持しなければならない。このため、足場等の仮設工を詳細に再現し可視化することで作業手順を確認し危険予知に反映していくためのツールとした」
 

図-8 CIMを活用した安全管理(作業手順会議)




 
 

図-9 占用物件(電線)との離隔(1.5m以上)を確認するための可視化図




 
 
(4)工事施工後の維持管理検討
 
CIMを活用した今後の維持管理への取り組みとして、構造物としての3次元データだけでなく必要な属性情報と関連付けることで、今後の点検・診断等に役立つデータベースとして引き続き検討していくため、今回、以下について実施した。
 
①部材の品質・出来形を属性情報としてモデルに組み込み、データベースとして維持管理に向けた活用を検討
 
②工事完成後の橋梁点検結果、塗装工事等を属性情報とした時系列データの追加機能や検索機能を追加
 

図-10 モデルに組み込んだ品質・出来形の属性情報画面




 
 
 

CIMデータ活用に対する課題

(1)CIMデータ作成
 
土工、河川、ダム、橋梁、トンネル等の5工種についてCIMを導入していくが、それぞれ分野、構造・形式、施工規模、地域特性等によりCIMによる検討項目やモデルの構成要素も異なる。また、全ての検討項目に対して3次元データを作成していくと膨大な情報量となり、それに伴い作業時間や経費も必要となる。このため、工種、規格、施工規模等に応じた検討項目を踏まえ3次元モデルの詳細度(LOD:Level of Detail)を設定していく必要がある。
 
 
(2)CIMデータの環境整備
 
今回の事例は、受注者希望型工事であるため受注者にてCIMモデルを構築したが、調査・設計段階で作成された3次元モデルの場合では、ソフトウエアの違いによりデータ変換や修正にかなりの労力や時間が必要となることが多い。このため、設計から維持管理までそれぞれのデータ貸与において、円滑なデータの受渡や共有化が図れるようソフトウエアの規格等について標準化が望まれる。
 
 
(3)CIMを活用するための人材育成
 
今回、当該工事のCIMデータの作成および活用検討において、担当者はCADの実務経験はあるもののCIMについては初めてであった。このため、CIM講習会の参加、社内勉強会の資料作成、ソフトウエアによる支援を含めた人材育成の取り組みがCIM活用において効果的であり、CIMを導入していくためには、担当者の人材育成は避けられない課題である。
 
 

おわりに

今回は、CIMの長所である構造物の「見える化」による施工前の設計照査や架設計画、施工中の安全管理について検討してきた。今後、この3次元データの更なる活用の向け、維持管理のデータベース化についても検討していきたい。
 
 
 

国土交通省 中国地方整備局 企画部 技術管理課
建設専門官 大賀 祥一

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i -Construction時代の到来とCIM」



 
 



北陸地方整備局におけるCIMの取り組みについて−大河津分水路の改修事業における事例−

 

はじめに

北陸地方整備局信濃川河川事務所では、平成27年度より大河津分水路の改修事業の調査・計画段階および設計段階においてCIMの試行に取り組んでいます。今回、その取組概要と現時点での成果を紹介します。
 
 

大河津分水路の改修事業とは

 大河津分水路は信濃川の洪水を日本海へ流すため造られた延長約9kmの放水路で、河口部は洪水を安全に流下させるための断面が不足している他、分水路建設後90年以上が経過し、施設の老朽化・機能低下も顕著になっています。これらのことから、信濃川水系全体の流下能力を向上させ、浸水被害の防止を図るため、平成27年度に大河津分水路の改修事業に着手したところです。本事業は、概ね18 年間という長期の事業工程の中で、山地部掘削、低水路拡幅、第二床固改築および野積橋架替を実施することとしています(図-1)。
 

図-1 大河津分水路 改修事業計画図




 
 

なぜ、CIMなのか

本事業は、多くのステークホルダーが存在する中、同時に複数の構造物の築造等を円滑に進める必要があります。そのため、事業の初期段階から各工事の特徴を捉え、想定される課題を解決しながら事業進捗を図ることが求められています。そこで平成27 年度は山地部掘削、平成28年度は山地部掘削、第二床固改築および野積橋架替の調査・計画段階および設計段階においてCIMを試行しています。
 
①複合的かつ大規模な事業
 
本事業では、複数の本設・仮設構造物を同時並行で施工することが予想され、施工上の干渉が懸念されます。また、長期にわたる事業のため、事業中の元設計に対して随時全体計画の修正が必要になる可能性があります。それらを極力回避、また、適切に対処するため関係者間において情報の共有、一元化を図ることが重要となります。
 
②多様な土質区分・長大法面の出現
 
山地部掘削では、1千万m3を超える大規模掘削を事業計画期間内で実施する必要があります。掘削地は多様な土質区分を持ち、脆弱な地層やスレーキング特性を有することに加え、掘削後は最大約100mの長大法面が出現します。そのため、既往情報を確実かつ的確に精査し法面対策工等の検討を行うことが重要となります。また、各年度の掘削範囲は、全体工程計画や土砂搬出先状況等に影響するため、計画変更に応じ速やかに岩種別の掘削土量を把握し、必要となる法面対策工の検討を迅速かつ的確に実施することが求められます。 
 
これらの要求事項を満足しつつ、設計および施工計画の立案を効率的・効果的に実施するため、3次元施工ステップモデルや3次元地質モデル等に関するCIM試行に取り組んでいます。
 
 

CIMモデルの概要

今回のCIMの試行で扱っているCIMモデルの概要を、以下に整理します。
 
①3次元施工ステップモデル
 
事業の全体像を関係者間で共有、把握することを目的として、山地部掘削、第二床固改築、野積橋架替の設計段階においてCIMを適用しました。
 
それらのCIMモデルを統合し、3次元施工ステップモデルを作成することにより、事業進捗に応じた施工段階ごとの既設構造物の取り合いや仮設工の干渉等を視覚的に確認することが可能となり、分かりづらい施工計画上の問題点を事前に把握し、その対策に係る検討資料としての活用が期待できると考えられます。
 
②3次元地質モデル
 
ボーリングデータを元に3次元地質モデルを作成しました。これにより、地質関係情報の統合・可視化に加え、岩級区分別・標高別水平断面図の自動作図や各施工ステップにおける岩級区分別掘削土量の自動算出による負担軽減、さらに今後必要となるボーリング調査において、深度や位置等の決定のための検討資料として活用が期待できると考えられます。
 
また、3次元地質モデルに概略設計段階の法面対策工を追加した3次元法面対策工モデルを作成しました。これにより、法面対策工の概略設計段階における地質との整合性や課題の把握等、概略から詳細設計へ検討結果を継承することで、設計の品質向上が期待できると考えられます。
 
 

CIM導入による効果

 
①3次元施工ステップモデル(図-2)
 
・3 次元施工ステップモデルにより、現時点の概略の施工計画において構造物と山地部掘削は干渉しないことが確認でき、また、地元住民との合意形成ツールとしての活用が期待されます。
 

図-2 3次元施工ステップ図(抜粋)




 
 
②3次元地質モデル(図- 3)
 

図-3 3次元地質モデル(掘削途中)




 
 
・3次元地質モデルと事業進捗に応じた3次元施工ステップモデルを重ね合わせることで、施工途中での地質状況が明瞭になり、施工上の配慮が必要と考えられる箇所の地質構造を容易かつ的確に把握することが可能となります。不可視部分である法面対策工における支持層の定着部確認等に活用できると思われます。(図-4)
 

図-4 3 次元法面対策工モデル




 
 
・3次元地質モデルを活用することで、岩級区分別・標高別水平断面図を容易に作図することができるようになります(図-5)。従来手法との比較で作図に8 人・日を要するところ、本試行では1人・日で実施でき、工数削減・経費縮減が期待できることを確認しました。
 

図-5 水平断面図自動作図




 
 
・岩級区分別の数量算出においては、従来の平均断面法で5人・日を要するところ、本試行では、3 人・日で実施できました。断面図の作図や数量算出は、設計変更が発生するごとに、その都度作業を行う必要があり、高い効果が期待できるものと思われます。
 
 

今後の展開

今後の展開として、今回の試行で扱ったCIMモデルが次工程の施工段階・維持管理段階でも活用可能となるよう、検討を進めていきたいと考えています。特に昨年度末、国土交通省i-Construction委員会により報告されたトップランナー施策の一つである「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」の活用促進に寄与することを見据え、山地部掘削において、UAV(無人航空機、ドローン)やLS(レーザスキャナ)等の測量データを事業工程確認や出来形管理に活用する等、施工段階での活用を視野に入れた取り組みも進めたいと考えています。
 
 

まとめ

大河津分水路の改修事業では、調査・計画段階および設計段階において、3次元施工ステップモデル、3次元地質モデル等を活用する等、CIMの試行に取り組んできました。その結果、設計作業の負担軽減や施工計画の検討等で効果が期待できることを確認致しました。 
 
本試行において確認できた効果の他、今後、詳細設計段階や施工段階においてCIMを活用する中で効果を確認できるものもあると思われます。事業の進捗に伴い、新たな課題が出てくる可能性も大いにありますが、より良い活用・運用の仕方を見出すべく、引き続きCIMの試行に取り組んで参ります。
 
 
 

国土交通省 北陸地方整備局 信濃川河川事務所
計画課 企画係 福田 紗央

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i-Construction時代の到来とCIM」



 
 



i-Constructionにおける生産性向上の「神髄」に迫る−15の基準は何を物語っているのか。施工会社からのメッセージ−

2017年5月26日

 

イノベーションとの遭遇

株式会社 大林組 土木本部本部長室 情報技術推進課長 杉浦 伸哉氏

「i-Construction」と聞いて、皆さんは何を考え期待されるだろうか。今盛り上がっているだけの施策で、あまり身近に感じていないだろうか。それとも、これをチャンスに今までの仕事の流れや考え方を劇的に変えるタイミングだと思い、積極的に展開しているだろうか。
 
2016年から本格的に広まってきた「i-Construction」施策は、良い意味でも悪い意味でも、建設業において物議を醸している。発表されてからもう1年が経過した。この1年で上記に書いたような現状維持派と、積極推進派は半々だという結果もある。おおむね、このような流れや傾向は一般的だと思われるが、3 年後に、2 派がどのような会社になっていくのか、感じている方はどのくらいいるのか、非常に興味がある。
 
イノベーションの歴史は太古から失敗と成功の繰り返しにより進んできた。21世紀に入り、「シーズ」が「ニーズ」を満足させるためのツールとして活躍できる時代になってきたことにより、一気に生産活動への具体的な「シーズ」の落とし込みが可能になった。
 
シーズの落とし込みは、ニーズの中で具体性をもって行われなければならない。
 
ここで、私が言っている「シーズ」とは、ICT活用工事を構成するさまざまなICT機器を意味し、「ニーズ」とは、受注者である施工会社やコンサルもさることながら、発注者を含めた建設業に携わる全ての人間を指している。 UAVや3Dレーザスキャナー、GNSSローバ、CIMを活用し、測量段階や設計段階、施工計画や施工検討段階で多くのシーズを使いながら、最後は検査段階においても、シーズを使い効率を上げていく流れを作ったのが、i-Constructionという施策である。点を線で結べる会社が増えることが、本当の意味で生産性向上を行える会社である。点のままで終わる会社は、残念ながら、見かけの生産性向上しかできない。そんなイノベーションが、いよいよ建設業界にもやってきたのである(図- 1)。
 

図-1 大林組におけるICT活用工事実施状況(2016年12月現在)




 
 

ICT活用工事の効果

当社では、1990年台から情報化施工と呼ばれる施工を推進してきたが、大規模造成工事という特殊な工事での取り組みという認識のため、どんな工事でも適用という状況ではなかった。施工会社はどこでもこの感覚であったと思われるが、それでも長年、建設重機から出力されるデータを使い施工管理を行ってきたのは、面的に広いエリアの施工状況をいち早く把握するためのイノベーションとしては、非常に優れた「シーズ」であったためである。
 
しかし、この優れた「シーズ」を最後でその効果を激減させるのは、発注者における検査監督要領が従来通りの検査方法であり、「シーズ」を活用することまで踏み込んだものになっていない状況であった。
 
今回のi-ConstructionにおけるICT活用工事では、施工プロセスの各段階で実施する① 3次元起工測量 ②3次元設計データ作成③ ICT建設機械による施工 ④ 3次元出来形管理等の施工管理 ⑤ 3次元データの納品を行い、発注者が実施する検査業務においても、④のデータを活用して面的な検査監督業務を行うことが明記された。
 
この流れにより、従来、受注者が受注者のために行ってきた取り組みが、一気に発注者と受注者の相互で活用されることになった。これは活気的なことで、このように従来、受注者としての「点」で活用されてきたものが発注者という「点」にも使われるようになることで、初めて「線」として使われるようになる(図- 2)。
 

図-2 3次元データを使った出来形検査監督実施の流れ 赤枠部分が重要なポイント




 
 

15 の基準への期待と「カイゼン」への取組み

線としてつながったものを活用できるようにするために、ICT活用工事を行う上での要領・基準類が15も新規や改訂となり公表されたのが、2016年3月31日である。
 
さて、この基準の中で、施工会社として非常に気になる基準が含まれていた。最終的な出来形管理を今回は、従来の管理断面における出来形計測から一気に施工エリア全体を「面的管理」に切り替えるという部分である。
 
そのためには、出来形計測の方法を従来の断面における計測から、UAVや3Dレーザスキャナーを活用し、施工部分を面的なデータとして取り込み、検査時にそのデータを活用しなければならない。
 
3Dレーザスキャナーでの実施については、ほとんどの方が誰も疑わないであろう。しかしながら、今回はUAVというツールをも活用してよいという流れができており、UAVを活用する場合の精度も求められている(図-3)。
 

図-3 UAVを使った出来形管理要領について




 
 
当社では3 年前からすでにUAVを使った出来高数量把握への取り組みは実施しており、UAVでの出来高数量を出す精度としてもかなり高精度な数値まで出せるようになっており、高さ精度で5cm以内に納めることは可能である。
 
今回出来形管理を進めるためのUAV実施基準として書かれている「地上画素寸法が1cm/画素以内との記述や、進行方向の写真ラップ率が90%以上」という「仕様規定」により、高さ精度で5cmを求められているが、当社で従来実施している「地上画素寸法が2cm/画素、進行方向の写真ラップ率が80%」での実施と比較することで、計測時間や精度がどのくらい生産性に関わるのかを確認することにした(図- 4)。
 

図-4 出来形管理要領に書かれているUAV撮影仕様




 
 
表-1のように、地上画素寸法として1cmから4cmまでの状況を構築し、比較検討を行った。
 

表-1 地上画素寸法による比較




 
 
これらの撮影方法によりSfMによる写真解析結果を基に、精度検証のための場所を以下の場所において実施した。特に写真解析においては誤差が大きく出やすい法面部を含め2カ所で比較検討を行った(写真-1)。
 

写真-1 検証点場所




 
 
その結果、検証点全てにおいて、実測との誤差が±5cmの中に収まっていることが確認できた。今回策定された15 基準の中において、出来形計測時の検証点の許容値については、道路土工では±5cmという範囲であれば、合格となっているため、十分この許容値に入っていることが証明された(表-2)。
 

表-2 検証点精度比較(地上画素寸法)




 
 

進行方向ラップ率の違いがもたらす作業性について

地上画素寸法がデータ解析において特段問題になることがないことが証明されたが、次は「進行方向ラップ率」についての違いが解析においてどの程度の影響があるのかを検証した。
 
比較対象としては従来の当社実施方法である地上画素寸法2cmと今回の出来形基準で規定された地上画素寸法1cmとを比較した。
 
 
進行方向ラップ率の違いによる施工効率の変化
 
表-3を見ていただければ明らかであるが、当社従来方法と比べ、地上画素寸法やラップ率が少し違うだけでもこのような大きな施工効率につながることが分かっている。
 

表-3 施工効率比較




 
 
よって、次の検証としては、地上画素寸法が1cmと2cmのそれぞれに対し、進行方向ラップ率を70%〜 90%で実測と比べてどの程度の誤差があるかを検証した。
 
 
ラップ率の違いによる実測比較
 
地上画素寸法とラップ率の違いを変えたものを表-4で示す。
 

表-4 地上画素寸法とラップ率比較




 
 
この組み合わせで検証点における高さ比較をしたのが次の表-5、6である。
 

表-5 検証点精度比較(ラップ率)地上画素寸法2cm




 
 

表-6 検証点精度比較(ラップ率)地上画素寸法1cm




 
 
結果としては、地上画素寸法1cmで進行方向ラップ率が70%の場合に平坦部の誤差許容値である±5cmを超える点が出た。その後、これが「点」としてだけの誤差なのか、周囲の面としても同じような誤差が生じるのかを確認するため、図-5のように同じ場所を3Dレーザスキャナーで計測したものと面的に比較検討した。
 
その結果、やはり地上画素寸法1cmで進行方向ラップ率が70%の場合は、面的にも平坦部の許容誤差±5cmを超えるエリアがあることが分かった(図- 5)。
 

図-5 点群データ比較




 
 
結果はこの通りであり(表-7)、従来当社が出来高数量のために行ってきた計測方法(地上解像度2cm、進行方向ラップ率80%)が、出来形という最終結果への基準として利用される精度の高い出来形計測にも十分使える仕様であることが確認された。
 

表-7 地上解像度とラップ率の組み合わせ




 
そもそもICT活用工事を進めるための目標は「生産性向上」である。そのためのイノベーションであり、イノベーションをさらに使いやすくするための取り組みとして、「カイゼン」は行われるべきだと考える。
 
 

「カイゼン」はされるのか

このような状況を踏まえ、国土交通省と日本建設業連合会においてUAV撮影条件見直しのため現場検証を行うことになった。起工測量と出来形測量が対象で、撮影条件となる地上解像度とラップ率(画像の重複率)の規定値を緩和できるかどうかを検討することになり、当社の現場において11月26日に国土交通省と当社における合同の検証を行った(写真-2)。 
 

写真-2 検証への取り組み




 
 
結果がどうなるかはまだ分からないが、少なくともこのような取り組みを進めることで、さらに多くの課題への「カイゼン」が進むことは、i-Const-ructionが求めている理念であり、当社のみならず、多くの会社がこのような「カイゼン」への取り組みを進めることが求められている。
 
 

さらなるイノベーションが生産性向上へのカギ

平成28 年3月に「空中写真計測(無人航空機)を用いた出来形管理要領(土工編)(案)」を含む15の基準が出て1年になろうとしている。
 
すでにICT活用工事における出来形検査を受けるに当たり、この基準を適用している現場が出てきていると思われるが、国土交通省が進めるi-Constructionの目的は、建設産業全体の生産性向上であり、それを阻害してまで、基準にこだわるものではないと思われる。
 
平成28年4月に出されたi-Constructionの報告書に書かれているが、現状を「さらに」良くするための提案は積極的に受け入れる「カイゼン」姿勢を国も取ることを約束している(図-6/http://www.mlit.go.jp/common/001127288.pdf)。
 

図-6 i-Construction〜建設現場の生産性革命〜




 
その意味において、今回のようなデータを基に、施工性をさらにカイゼンするための提案は積極的に受け入れてもらうことが可能であると思われるし、また、そうしなければ業界全体としての生産性は向上しない。
 
その意味でさらなるイノベーションを展開するための「カイゼン」は重要であり、その流れを止める訳にはいかない。
 
このような「カイゼン」が今後の建設業全体としての生産活動に定着することで、従来の建設業における請負体質の既成概念を脱却し、常に「カイゼン」がもたらされる流れになることを祈りつつ、関係者全員が真の生産性への「神髄」に迫ることを、受発注者の垣根を越えて議論できるようになることが重要である。
 
本報告のみならず、多くの方が同様の取り組みを各方面で報告することが「カイゼン」への第一歩であることを期待し、本報告を終える。
 
 
 

株式会社 大林組 土木本部本部長室
情報技術推進課長 杉浦 伸哉

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i-Construction時代の到来とCIM」



 
 



北海道開発局におけるCIMの取り組みについて

2017年5月21日

 

はじめに

CIMは社会資本の計画、調査、設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても活用し一連の建設生産システムにおける業務の効率化、高度化を図るものです。
 
国土交通省では平成24 年度からCIMの試行を進めており、平成28 年8月にCI M導入ガイドライン(素案)が策定され本格導入に向けての検証が行われています。
 
北海道開発局においても平成24年度から河川・道路事業においてCIMの試行を行っています。平成27 年度までの実績は道路、橋梁および電線共同溝の詳細設計などの業務7件、舗装工事、河道再生工事などの工事4件で試行されています。
 
そのうち昨年度試行を行った電線共同溝の詳細設計2件の業務について紹介させていただきます。
 
 

CIM試行の事例紹介

(1)一般国道36号苫小牧市における電る電線共同溝詳細設計
 
本詳細設計では国道36号苫小牧市栄町市街部の延長500mを対象に地中埋設物の干渉および可視化による関係機関との合意形成、属性情報の付与による将来的な管理台帳の3次元化を目的にCIMモデルの作成を行いました。
 
①景観の確認
 
地上部分にて景観の検討を目的に3 次元モデル化を行いました。沿道建物については詳細度(以下「LOD」)100、電柱、照明柱、標識、植樹はLOD200と定め、3次元モデルによって無電柱化による景観の効果を関係機関や地域住民に説明し理解していただきました(図- 1)。
 

図-1 構造物モデル 地上部分




 
 
②地下埋設物の干渉確認
 
電線共同溝と上水道、下水道、ガス、NTTの既設埋設物の交差状況を3次元で表現し、参画事業者、埋設物管理者が一堂に会して干渉の有無について確認しました。2次元図面では表現できない位置関係が一目で見ることができ「分かりやすい」と評価されています(図-2、写真-1)。
 

図-2 構造物モデル 地下部分




 
 

写真-1 関係機関との協議




 
 
地中部分についてはLODを200と設定し、維持管理を見据えて属性を付与しました。管路部では管種、管径、管路長、管理者毎のケーブル規格の情報を格納しました。
 
③施工計画
本業務では施工計画と仮設工について検討を行いました。仮設工の検討では作業の効率化を図るため新技術である大型覆工板による施工が可能か検証し有用性を確認しました(図-3)。
 

図-3 仮設モデルの検証




 
 
施工計画では施工ステップを3次元で示すとともに車線規制および施工機械の配置を再現し、工事期間中の通行への影響について住民説明を行い、視覚的に理解していただきました(図-4、写真-2)。
 

図-4 施工モデルの検討




 
 

写真-2 住民説明会の様子




 
 
④効果検証
設計検討や設計照査におけるCIM導入効果としては、2次元に比べ3 次元で実施することで既設埋設物の干渉、離隔の確認を効率的に行うことができました(図- 5)。
 

図-5 CIM導入効果の検証




 
 
受注者へのヒアリングでは、3 次元モデルで可視化することによって工事段階において不慣れな施工者には施工のイメージがしやすくなり大いに役立つ、また電線共同溝と既設埋設物の交差が輻輳するところにおいては、全体ではなく局所的にモデル化するだけでも非常に効果があるとの意見が挙げられました。
 
 
 
(2)一般国道5 号小樽市における電線共同溝詳細設計
 
本詳細設計では国道5号小樽市花園の市街部で延長640mを対象に地中埋設物の干渉および可視化による関係機関との合意形成、設計の最適化、属性情報の付与による維持管理の効率化を目的としてCIMモデルの作成を行いました。
 
①地下埋設物干渉確認
 
設計の最適化として地下埋設物との取り合いを可視化し干渉チェックを行い、特殊部で一部、干渉しているところを確認し設計に反映しました(図- 6)。
 

図-6 既設埋設物との干渉チェック




 
 
②景観の確認
 
合意形成の迅速化、効率化を目的とし3次元モデルを作成し、地域住民の方に説明しました。現実に近いイメージで分かりやすいとの感想があり合意形成も円滑に行うことができました(図-7、8)。
 

図-7 景観の検証




 
 

図-8 景観の検証




 
 
③施工の効率化(フロントローディング)
 
既設構造物と電線共同溝の干渉について、2次元では分かりづらい箇所の確認を行いました(図-9)。
 

図-9 既設埋設物との干渉チェック




 
 
この3次元モデルでは河川の既設管渠との交差部において土かぶりがとれない箇所での埋設方法の検討、高架橋横断箇所や道路中央部での交通規制の方法について検討を行いました。
 
このように施工時に想定される問題点を事前に検討し、工事に活用可能なモデルとなりました。また、既設埋設物および電線共同溝を3次元化し、維持管理の効率化、高度化を図るために施設情報や位置情報の属性情報の付与を行いました(図- 10、11)。
 

図-10 属性情報(位置情報)の付与




 

図-11 属性情報(施設情報)の付与




 
 
④効果検証
 
受注者からは、従来は平面図や縦断図など複数の図面で形状を把握していたのが、3次元のデータ一つで全体の設備の位置関係の把握が可能、CIMモデルの制作に時間はかかったが、チェックに要する日数の削減により11日間が9日間と2日間の作業日数を削減できた。また、工事へのCIMモデルの円滑な引き継ぎが重要、既設埋設物の設計と実際の位置がどの程度整合がとれているかなどの意見が挙げられていました。
 
 

おわりに

 
これまでのCIMの試行を通じて次のような効果が挙げられています。
 
①3次元モデルによるイメージの明確化は受発注者間や住民説明、事業者、管理者によるイメージギャップの減少、
 合意形成には非常に有効である。
 
②配筋や地下埋設物など、2次元図面による情報では確認しづらかった部分などを確認でき、設計が的確に行える。
 
③3Dレーザースキャナーを使うことで、急斜面や交通量の多い交差点など安全に測量することが可能である。
 
④事前に3次元で検討できるため、現場での手戻りが減った。
 また、今後、CIMの円滑な導入に向けては次のことが挙げられています。
 
⑤ソフトウエアやパソコン、通信環境を整備する必要がある。
 
⑥2次元図面から3次元モデル作成は時間と労力がかかるため測量段階から3次元モデルを導入することにより、
 CIMを効率よく活用できる。
 
⑦CIMモデル作成のコストを考慮すると、配筋モデルを過密部など部分的に作成するなどの検討が必要である。
 
⑧CIMの普及には3次元モデルを制作できる技術者の養成が必要である。
 
CIMモデルの活用はフロントローディングによる、工事着手前の段階でさまざまなミスや危険を回避できます。
 
CI M導入ガイドライン(素案)では、土工、河川、ダム、橋梁、トンネル分野への導入について検証が行われており、今後、i-Constructionの取り組みの一つとしてCIMの効果的な活用による生産性の向上が期待されているところです。
 
 
 

国土交通省 北海道開発局 事業振興部 技術管理課

 
 
 
【出典】


建設ITガイド 2017
特集1「i -Construction時代の到来とCIM」



 
 



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