建設機械向け遠隔操作システムで施工現場を効率化・省人化
人口減少が進む中、建設業界では人手不足と施工現場の効率化が喫緊の課題となっている。
こうした状況の中で、国土交通省が推進するi-Construction 2.0により、施工現場の省人化に向けた取り組みが本格的に求められている。
この課題に対する解決策の一つが、建設機械の遠隔操作を実現するシステム「Smart Construction Teleoperation」である。
本システムは、現場の省人化を促進しながら、安全性や生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。
遠隔操作のメリット
Smart Construction Teleoperationは、建設機械の遠隔操作を可能にするソリューションである。
遠隔操作によって、オペレーターが現場の建設機械に乗り込まず、事務所などからカメラ映像を通じて現場の機械を操作することが可能になる。
従来は人が直接操作するしかなかった危険な現場で本システムを利用し、省人化と安全性の向上が期待できる。
さらに、一人のオペレーターが複数の建設機械を切り替えて操作することで、現場ごとのオペレーターの配置は不要となる。
また、作業待ちの時間を有効に活用しながら現場の省人化と生産性を向上させることも可能である。
加えて、難易度の高い作業は直接操作、簡易な作業は遠隔操作と使い分けオペレーターの時間を有効に活用し、建設機械の稼働効率が向上する。
働き方の面では、従来必要だった現場への移動が不要となり移動時間が短縮されるため、時間や場所に制約がある人材でも勤務できる柔軟な体制が整う。
また、最先端技術の導入による企業イメージの向上も期待できる。
システムの構成
Smart Construction Teleoperationは、現段階では本システムに対応したコマツ製の油圧ショベル(PC200-11、PC300-11、 PC400-11)、遠隔操作用コックピット、および遠隔操作システム、通信機器などで構成される。
建設機械にはソニーの最先端センサーを搭載したカメラおよび画像圧縮端末を設置し、逆光や暗い作業シーンでも鮮明な映像を提供する。
通信には5G・4GなどのモバイルネットワークやWi-Fiなどを利用できる。
NTTドコモのdocomo MECを活用することで、遅延を最小限に抑える仕組みにすることも可能である。
これらの技術を駆使し、リアリティーのある映像での遠隔操作を実現している。
また、現場で必要となる通信機器の選定、中継機器の設置や運用支援、機材故障時の対応など、導入後も包括的なサポートを提供する。
遠隔操作用コックピットには、実際の建設機械のような操作性に優れたモデルを提供中だが、通常のオフィスデスクに設置できるシンプルなモデルも現在開発中である。
また、将来的にはコマツ以外の機械への対応を構想している。
導入事例
(1) 産業廃棄物処理現場
コンクリートガラの積み込みや鉄筋コンクリートの小割作業で利用されている。
女性オペレーターが操作を行っている企業もある。
(2) 土木工事現場
掘削、旋回、排土、鋤取り、ダンプトラックへの積み込み作業に対応している。
また、ダンプトラックで運搬された土の整地作業にも利用されている。
遠隔操作システムを導入した企業では、女性3名をオペレーター兼事務職として採用するなど、多様な働き方を実現している。
個別に最適な導入プランを提案
遠隔操作システム対応の建設機械とセットで利用することを想定したシステムだが、現場の状況に合わせた最適な導入プランを提案することが可能。
すでに保有している建設機械をカスタマイズすることで対応できるケースもあるため、ユーザーの要望ごとに個別対応する。
実物の遠隔操作用コックピットは同社オフィスで見学可能(要問い合わせ)。
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株式会社EARTHBRAIN
https://www.earthbrain.com/
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