建設ITガイド

トップ >> 注目ソフトPickUp >> インフラ維持点検支援システム MEMOREAD
注目ソフトPickUp

CIMやBIMをはじめCADや土木、建築、積算、電子納品などの各分野における注目ソフトウェア、ITツールを紹介しています。

インフラ維持点検支援システム MEMOREAD

株式会社アイ・エス・ピー

点群を活用して点検現場と内業を変革する新技術

差分解析(損傷部の抽出)
差分解析(損傷部の抽出)

 

概要

 
MEMOREAD(メモリード)は、インフラ構造物の点検業務において、現地調査から内業までの効率化や第三者被害の抑制に寄与するインフラ維持点検支援のために開発された新システム。
点群データから直接3Dの面モデルを作成する技術を活用し、3Dモデルと点群データの差分から、その距離(離れ)をグラデーション表示で可視化することで、構造物の経変劣化として現れるコンクリート表面の変状や剥離・剥落、鉄筋露出ジャンカ、はらみ、たわみやねじれなどの変形や施工不良などを発見する。
現地調査の工程短縮や点検者の負担軽減につなげる支援ソフトとして期待されている。
 
実際に橋梁点検で行った実験によると、従来の点検方法に比べて38%の時間短縮が実現した。
下見や現場踏査時に計測した点群データから点検前に解析を済ませておくことで、調査乗り込み前に損傷箇所の全容を把握することができ、点検の方法をイメージしやすくする、点検時の配員や工期を予測する、架設機材などの手配など、作業計画が立てやすくなるといった作業に役立てられる。

概要

 
 

機能紹介

 

差分解析

構造物の表面に現れる損傷を可視化させる機能で、剥離や剥落をはじめ、進行したうき、鉄筋露出、膨張、沈下・陥没、たわみ、ねじれ、曲げ、ジャンカやコールドジョイント、エフロレッセンス(白華)や、施工上の打設リフトやPコン、型枠跡などもはっきりと可視化できる。
精度も高く、表面の凹凸をリアルに再現・可視化する技術こそが「差分解析」の真骨頂。
見えないものを見える化する技術は、現場から内業までの作業を効率化し、一連の流れの中で効果を発揮する。
 

点群からの3Dモデル化

点群データからTIN(三角網)による面のモデルを作成する機能。
現場計測のデータ精度が高ければ、手摺のある橋梁、メタル系の鋼製梁の橋梁といった複雑な形状でも忠実な再現が可能。
また法枠やオーバーハングがある吹付面、トンネルなどをワンクリックでモデル化する自動作成機能も搭載しており多彩なモデリングが可能である。

点群からの3Dモデル化1
点群からの3Dモデル化2

 

各種計測機能

取り扱うデータが座標値を保持していることから、距離計算や断面修復部の補修材の量計算などが簡単に行える。
その他にも間隔や面積、深さ、断面計算、勾配・傾斜などの維持点検に必要な情報取得も、点群データを使えば現場に行かず事務所に居ながらにして確認することができる。
特にコーナー部の剥落・欠損部分の断面修復量の計算も、同機能を使えば正確なボリューム計算が行える。
 
これまでは現地において複数員の調査員で実寸計測を行っていたことを考えると、現場の安全管理が不要の上、計測時間の短縮や労務費の経費削減にも十分貢献できる技術である。

各種計測機能

 
 

開発コンセプトと活用展望

 
このシステム開発のきっかけは、開発プロジェクトメンバーの一人が以前の職場で橋梁点検を行っていた経験から、現場での過酷な労務環境や業務量の多さの改善や調査員の負担を軽減したいと思い立ったこと。
 

「MEMOREAD」で現場を支援

打音調査はうきを検出する方法として適切な方法ではあるが、業務内容からして現場の点検者の負担たるや相当なものである。
これを支援するのが差分解析だ。
一から剥離やうきなどの損傷部を探す手間を大幅に短縮できる。
また点検台帳があるといっても数年の年月の中で表面変化は刻一刻と進行している可能性があり、台帳に頼りすぎると点検時の精度に大きく影響することが予想される。
そこで事前に点群データから差分解析で表面部の凹凸を可視化することで、進行したうきや剥離などの損傷に加え、型枠のはらみや施工不良箇所を抽出する。
すると点検するインフラ構造物の重点箇所を絞り込める。
またどんなに注意を払っても起こりうる叩き落しの防止にもつながり、最終的には第三者被害抑制に大きく寄与する技術となる。

差分解析からの損傷図作成技術
差分解析からの損傷図作成技術

 

「MEMOREAD」で内業も支援

点検業務のもう一つ大きな作業。
それは損傷部のスケッチや撮影などの記録作業である。
実はこの作業、時間と手間がとてもかかる。
これが、色で可視化された差分解析結果があることで、究極に短縮・省略することが可能となった。
このシステムには色が変わる境界線をCAD用のポリライン機能で直接トレースする機能が搭載されており、誰でも簡単に、リアルで精巧な損傷図作成ができる。
 
今までは書きこまれたスケッチ図から図面を起こしていたが、絵が汚くて分からない、寸法やサイズ感がおおざっぱ、絵と現地の状況が合っていない、など多くの問題点を抱えていた。
それが点群データを用いた差分解析結果からの損傷図起こしであれば、各点が座標を持っているため、寸法計測や深さ、長さ全て正確に実寸で入力できる。
 
また時間短縮効果もさることながら、過去や未来の損傷図との比較も可能にし、損傷図の統一化にも大きく寄与する技術となる。
従来、人や会社によって損傷図の作成方法や精度がバラバラで比較ができず、どこが変化したかどうかが分からなかった。
しかしこの技術革新により誰でも簡単に精密な損傷図が作成できることとなり、過去と現在のデータ比較を可能にしたのである。
 
打音調査にせよ損傷図作成用のスケッチや計測にせよ、時間制限の中で心身的にも余裕がなくなっている環境である。
「MEMOREAD」は、これを続けていくのは困難という考えの下、維持管理ではこれまであまり活用されてこなかった「点群」を使うという、ひらめきから生まれた。
 
 
 

標準価格(税別)

 
70万円~
 
株式会社アイ・エス・ピー
Tel.03-3857-8956(東京事務所)
https://www.ispland.co.jp/
 
動作環境
OS Windows11/10(6.4bit)
CPU 推奨2GHz以上
メモリ Min8GB
HDD空容量 256MB以上


最終更新日:2024-05-14




新製品ニュース

木造建築物構造計算システム「KIZUKURI Ver9.0」をリリース木造建築物構造計算システム「KIZUKURI Ver9.0」をリリース


建設ITガイド 電子書籍 2024版
建設ITガイド2024のご購入はこちら

サイト内検索

掲載メーカー様ログインページ



  掲載をご希望の方へ


  土木・建築資材・工法カタログ請求サイト

  けんせつPlaza

  積算資料ポケット版WEB

  BookけんせつPlaza

  建設マネジメント技術

  一般財団法人 経済調査会