建設業×ITツールの情報・事例紹介サイト

建設ITガイド

Case

建設DX活用事例

建設ソフトやハードウエアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

鉄骨ファブリケーターの未来を開く KAPシステムを核とした自動現寸・データベース運用の最前線

日本ファブテック株式会社

建築鉄骨専用CAD「KAPシステム」

日本ファブテック株式会社
所在地:東京都港区
創業:1914年(大正3年)
資本金:24億円3,780万円
従業員数:約700名
事業内容:鋼構造物の設計・製作とソフト開発・販売ならびにコンサルティング業務
 
日本ファブテック株式会社
日本ファブテック株式会社
鉄構事業本部 工務統括
村田 博之 氏
 
日本ファブテック株式会社は、これまで鉄骨や橋梁など鋼構造物の設計から製作・建設までを一貫して担う専業メーカーとして数多くの大型プロジェクトに関わり「ものづくりの喜びが人々の笑顔につながる」社会基盤の整備に貢献してきた。
同社の強みは、常に正面から物事に取り組み、さまざまな問題に直面した中で研鑽し、経験を積み重ね育んできた「技術力」とそれを担うプロフェッショナルな「人財」である。
 
 

半世紀の進化を遂げた鉄骨専用 3DCAD「KAPシステム」

現代の鉄骨ファブ業界は、生産性の向上、厳格化する短納期への対応、そして建設プロセス全体をデジタルで連携させるBIM(Building Information Modeling)への適応という、複合的な課題に直面しています。
これらの課題を解決するためには、設計から製作、そして現場施工に至るまでのワークフローを抜本的に見直し、デジタル技術を基盤とした新たな生産体制を構築することが不可欠であると言えます。
 
当社、日本ファブテック株式会社は、この潮流に先駆け、1972年から鉄骨製作の省力化と効率化を目的とした基幹システム「KAPシステム」の開発を続けてまいりました。
KAPシステムは、単なる作図ツールではありません。
その開発当初から「あらゆる情報を付加した3Dモデルを構築し、そこから全ての成果物を得る」という、まさに現代のBIM思想そのものをコンセプトとして掲げ、数万トン級の大型物件にも対応可能な鉄骨構造物専用のトータル3DCAD/CAMソリューションとして、半世紀にわたり進化を遂げてきた、当社の製造ノウハウそのものを体現するデジタル基盤です。
 
 

社内におけるKAPモデルの戦略的運用

当社では従来、見積り作成に用いる「積算用モデル」と、工場製作に用いる「製作用モデル」は個別に作成・管理されていました。
現在では、積算用モデルを取り扱うKAPシステム部と製作用モデルを取り扱う工務部とが連携し、積算用モデルに対してKAPシステム部・工務部双方にて更新情報を随時反映させ、製作用モデルへと変換させる運用を開始しており、全体モデリング業務の平準化および省力化を実現しています。
また、勤務地が離れた担当者間でも滞りなく情報共有が進むよう、モデルデータの管理・共有基盤としてKAPクラウド機能を活用しています(図-1)。
 
図-1
図-1
 
 

J-FaB自動現寸システム:データ駆動型生産への第一歩

鉄骨製作の全工程において「現寸」は後工程の全てを左右する重要な工程です。
材料の発注精度、製品の加工品質、工場全体の生産スケジュールに至るまで、この上流工程でのアウトプットが絶大な影響を及ぼします。
しかし従来、この工程は多くの手作業を伴い、リードタイムの長期化やコスト増の要因となることが課題でした。
 
この課題を抜本的に解決すべく、当社では2022年に新たな自動現寸システム:J-FaB現寸システムを開発し、先行して防府工場で試験導入、2025年には他3工場にも一斉導入しました。
このシステムの核心は、業界で広く利用されている汎用CAD「実寸法師」に、独自の「J-FaB専用モジュール」を実装し、また、KAPシステムにおいても専用モジュールに合わせた改良をいくつか加えた点にあります。
本システムの主な特長として、全部品データに詳細な「属性情報」を付与する点が挙げられます。
現寸作業の段階で、スキンプレートから小さな金物に至るまで、全ての部品に材質、加工情報(孔数、開先、曲げなど)、仕分情報(工区、製品マークなど)といった詳細な属性を紐づけます。
これにより集計表、加工図、発注書出力など後続のワークフローを自動化することが可能になりました。
この属性情報の付与は、2D図面データ、KAPモデルデータ、IFCデータそれぞれ異なる形式であっても実寸法師上に取り込んで作業をすることが可能で、特にKAPモデルデータの場合は、元々 KAPモデルデータが保有している属性情報の大部分を自動的に紐づけることができるよう、KAPシステム側の改良を併せて行っています。
また、現寸作業後は全ての属性情報が社内DB(Database)に自動アップデートされ工場製作ならびに基幹システムへとつながります(図-2)。
 
図-2
図-2
 
 

J-FaB基幹システム:将来のさらなる自動化へ向けて

現在稼働しているJ-FaB現寸システムとそれを中核としたデジタル基盤は、最終目標ではなく、鉄骨生産ライフサイクル全体の完全自動化に向けた重要な基盤と考えています。
当社は、このデジタル基盤を最大限に活用し、全社横断的な基幹システムの確立へ向けた取り組みを実施しています。
この基幹システムは、部品情報、加工情報、製品情報といった膨大なデータを一元管理し、それを基に「工程計画」「進捗管理」「原価管理」「出荷管理」「工事精算」といった生産管理業務の全てを統合的に実行するものです。
これにより、業務の省力化はもとより、より実行性の高い生産体制の確立、正確な原価把握による見積り精度の向上、ひいては受注力の強化につながることを目指しています(図-3)。
 
私たち日本ファブテックは、これからも現状に甘んじることなく、技術革新への挑戦を続け、鉄骨ファブリケーターの未来を創造してまいります。
 
図-3
図-3
 
 
 
この記事は「建設ITガイド」2026に掲載されたものです

公開日:2026-05-25

関連リンク

ソフト詳細
KAPシステム 資料請求

建設DXカタログ
関連する建設DXカタログ

建設DX活用事例
関連する建設DX活用事例1
関連する建設DX活用事例2

一覧に戻る

  • 建設マネジメントプラザ
  • インフラみらいNOTE
  • 災害復旧資材の供給情報提供窓口
  • いんさつPlaza
  • 住まいの資材と見積もり積算資料ポケット版WEB
  • 公共建築工事共通費の算定
  • Software Plaza ソフトウエアプラザ
  • 積算資料電子版
  • 積算資料Portal
  • けんせつPlaza
  • BookけんせつPlaza
  • 講習会Plaza

↑