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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

FAB目線の鉄骨専用システム

株式会社エスディーダブル

建築専用鉄骨CAD「KAPシステム」

新井 俊生 氏
株式会社エスディーダブル
所在地:神奈川県藤沢市
設立:2016年
従業員数:68名
事業内容:鉄骨製作図作成、BIMモデル作成
https://sdw168.jp/


統括部長   
新井 俊生 氏   

 
神奈川県藤沢市に本社を構える株式会社エスディーダブルは、主に鉄骨BIMモデル作成に焦点を当て、鉄骨施工図や建設分野での事業展開を行っている。
特に高層ビルや大型物流施設の案件が増加し、社員数も増加中。
約60%がファブリケーター出身者で、経験豊富なスタッフが鉄骨BIMデータを「作れないモデルは作らない」をモットーに作成し、業務の省力化を目指している。
そんな同社が、建築専用鉄骨CAD「KAPシステム」の導入を決めた理由と効果について、統括部長である新井俊生氏に語っていただいた。
 
 

KAPの導入まで

弊社は鉄骨BIMモデルの作成を中核事業としております。
設立当初は2次元図面の作成がメインでしたが現在では鉄骨BIMモデルを中心として鉄骨施工図作成をはじめ建設各分野において事業を展開しております。
 
ここ数年においては高層ビル・大型物流施設などの大型案件の受注が増えつつあり、同時に社員数も増えております。
 
現在、社員の約6割はファブリケーター出身、2割が設計事務所やゼネコン出身者となっており、多くが鉄骨に関わってきたスタッフで構成されています。
 
現在では、それぞれのスタッフがこれまでの経験を生かしつつ「作れないモデルは作らない」をモットーに鉄骨BIMデータを作り上げ、そのデータを活用し、さまざまな場面での業務の省力化を目指しています。
 
KAPの導入経緯については、大型・高層案件の受注機会が増えている弊社において、BIMデータ活用の拡大を進めるには既存のシステムに対応能力の限界が見えてきたことから他のシステム導入の検討を始めました。
 
各社のシステムに一長一短があることは承知しつつKAPが採用候補に挙がりました。
正直なところ、KAPの導入を検討するまで「KAPは操作が難しい」との触れ込みを真に受けて敬遠してきましたが、デモの実演などで実際に見てみると、積算関連、工務関連、現場情報など「FAB目線」でのメニューが豊富であることや、思っていたよりも操作が複雑ではないと直感しました。
 
デモによる実演と日本ファブテック社との質疑応答を経て、これからの弊社の事業方針にマッチするシステムだと判断し導入を決定しました。
 
 

FAB目線

弊社では図面・現寸関連、帳票類、現場の建方まで、鉄骨を製作するファブリケータ―が、私どもの作成するBIMデータ全てを便利に利用してもらえることを目標としています。
 
そもそもKAPは鉄骨FABである日本ファブテック社が作ったシステムであるため、「FAB目線」でのメニューが非常に豊富です。
弊社も全てのメニューを使いこなしているわけではありませんが、とても興味があるメニューとして、例えば「柱工程進捗チェック」「製品ヤード検索」「建方日ごと製品集計表」などが並んでいます(これらのメニューは後述します)。
 
「KAPWEB」で関係者全てがネットを通じて気軽に確認することが可能であり、弊社としても率先してFABの「かゆい所に手が届く」機能をマスターしたいと思っています。

 
 

鉄骨業界未経験の方には

鉄骨業界に入ったばかりの業界未経験の方にKAPを操作してもらうと、やはり専門用語が並んでることや一定の知識を必要とするメニューが多いため操作を覚えることに苦労しているようです。
 
また入力中の画面において部材の図などが略図で表現されている場面ではイメージしづらいとの声もありました。
ただ個人的には専門的な用語が並んで一定の知識が必要ならば、業界未経験者の方がKAPから鉄骨を覚えていくことも可能であると思っています。

 
 

KAPWEB

現在「KAPWEB」はトライアル的な位置付けではありますが、KAPの入力データを100%使い切るための優れたツールであると認識しています。
実際に弊社で受注したBIM案件では各関係者がKAPWEBにアクセスして合意形成や打合せに活用した実績があります。
図面や3Dモデルの閲覧をはじめとして、生産管理などの工務情報、グループ別の情報として工区別の製品重量算出、積算情報として材料集計、現場情報として建方関連の情報までWeb上で関係者が確認できます。

 
 

加工マクロ対応

KAPでは物件ごとに出てくる個別の納まりに対して「加工マクロ(以下、マクロ)」を駆使して専用CAD上で入力することが可能であり特筆する機能になっています。
 
他社のシステムにおいては、標準で備わっている機能の中で可能な範囲を入力することになりますが、この点KAPでは物件ごとに出てくる納まりなどを個々にマクロのプログラムを用意してもらうことで新たな納まりに対しても対応が可能となります。
 
マクロプログラムは日本ファブテック社に依頼して作成してもらうことになります。
若干の時間は必要となりますが、無限に存在(発生)する納まりへの対処方法としては現実的かつ確実な手段だと言えます。
 
細部の納まりをシステム上で入力することが可能になると、各詳細図に出力されることはもとより、モデルの完成度がアップすると同時にBIMへの対応能力が各段にアップします。

 
 

BIM案件での対応能力

弊社ではBIM案件をKAPで処理した実績があります。
大まかなフローとしては上流のセクションから本体データ、継手データなどを受け取り、弊社にて製作レベルまでのモデリングを行いました。
 
継手などのデータもExcelデータを介して取り込めるなど外部データとの連携は非常に優れています。
またスリーブデータの取り込みも他社同様にできますが、入出力時の設定など細部の作り込みは他社のシステムよりも数段上ではないでしょうか。
 
また、上流セクションからのデータとKAPから出力したデータを照合することで、これまで図面上で実施していた部材のチェック作業などは、一気に省力化できることが証明されています。
これらのチェックは関係者がおのおの「KAPWEB」にアクセスして情報を入手し確認することで処理しました。
 
また、日本ファブテック社には当方からの入力・設定の相談や、エラー発生時の対応など実戦においてのサポートもしていただき、ソフト性能とサポート両方の処理により、実際のBIM案件に対する対応能力は相当に高いものであると言えます。
 
 

大型物件での動作

他社のシステムにおいて超高層などの大型物件になると動作が緩慢になる傾向があります。
物理的にデータ量が多くなるためやむを得ないと理解はしていますが、やはりオペレーターとしては、あまりにも動作が遅いと精神衛生上よろしくありません(笑)。
 
その点KAPは大型案件においても多少、動きが鈍い場面や計算処理などに時間を要する場面があるものの、他社システムと比べてイライラするほどの動作遅延などは格段に少ないです。
 
 

新たな機能への期待

KAPはCSVを駆使した外部情報の入出力が優れているため、本体鉄骨以外に階段・ELVなどのコア周りや外装材のファスナーなどの情報(CSV)も読み込める機能が実装されています。
 
昨今、専門業者による細部の決定がずれ込むことで鉄骨の製作スケジュールに大きく影響が出ることが多いです。
これらの機能が一般的に使われる環境になれば時間の短縮と省力化が進みます。
弊社としては、これらの環境改善に向けて積極的に動くと同時に日本ファブテック社には、これからの鉄骨BIMを先導する新たな機能の開発を期待します。

最終更新日:2024-06-06




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