建設ソフトやハードウエアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。
点群データ×Rebroで起こす施工図革命
施工現場のあらゆる問題への「答え(Answer)」を
株式会社チーム・エッヂ
BIM対応建築設備専用CAD レブロ
株式会社チーム・エッヂ
所在地:横浜市都筑区
設立:2020年9月
従業員数:8名(2024年3月現在)
主な事業内容:各種管工事の施工図作成、点群撮影、BIMモデル作成ほか
http://www.edge8u.co.jp/

代表 太田 寛朗 氏(左)
石野 佐知子 氏(右)
神奈川県横浜市の株式会社チーム・エッヂは、各種管工事の施工図作成を中心に、最新技術を用いた現場サポートを推進している新しい技術者集団。
特に3Dスキャナーと建築設備専用CAD「Rebro(レブロ)」を駆使し、点群データから加工管製作まで行う技術とノウハウでは他社の追随を許さない。
一連のサービスは「Answer Zero One」としてパッケージ化され、業界内での注目を集めている。
ユニークな展開の詳細について、代表の太田寛朗氏と取締役専務の石野佐知子氏に伺った。
点群データ×レブロとの出会い
「既設図さえない改修工事も多い現場で、不整合なく精度の高い施工図をスピーディーに描くことは、設備業界にとって決して低くないハードルです。
これをクリアするには、これまで業界になかった全く新しい技術とアイデアが必要でした」
そう考えていた太田氏は2018年、岩手のとある施工会社を訪ねていた。
「そこには既に点群データから生成されたCADデータがレブロへ渡り、デジタルツインが完成されていました。
驚きましたよ」太田氏は感銘を受けたその手法の教えを乞い、点群処理ソフト「InfiPoints」、設備CAD「レブロ」をすぐに採用したのである。
その後【現場スキャン→点群データ処理→CADデータ化→レブロ→新設図化→施工図→加工図】という一貫したデータ連携を用いた新しい挑戦が始まったが、その中で太田氏はすぐに気付いた点があったという。
「それまで使用していたCADソフトとは異なり、レブロは基本的に図面間の不整合も干渉の見落としも起こりませんでした。
さらには加工管の製作を見据えた加工代まで設定・反映できるため、理想のCADに出会えたなと思いましたね」と当時を振り返る。
また、点群データの活用に試行錯誤が続いた一方で「レブロに関しては、想定以上にスムーズになじむことができました」と石野氏が続ける。
「事務方出身の私にとって、実はレブロが初めて触れたCADでした。
しかし、それが功を奏した部分もあり、先入観なくレブロを触ることができ、私にとっての標準CADとなりましたね。
当社の若手も業界未経験者が多く在籍していますが、レブロに関しては1~2週間ほどで作図ができるようになり、図面の精度も日々高まる一方です」同社にとっても大きな変化が進む中、レブロを採用したことによる恩恵は明確になっていき、そのうわさはゼネコンや大手設備工事会社へ広がっていったという。
洗練されたノウハウと現場力がもたらす成果
数百万クラスの小さな現場から億単位レベルの大きな現場まで、現場の規模や状況によって求められる内容も全く異なる中で、同社がゼネコンや大手設備工事会社へ提出するのは、施工図が主となっているというが、取引先のCADに合わせ、変換したデータを提供することもあるという。
「時には手描きの寸法を追いながらレブロで3D化し、管割りして加工管も発注して…ということもありますね。
本当にさまざまなケースの対応が求められています」(石野氏)。
点群データより平面や円柱部分を自動抽出し3Dモデル化を進めるというが、中には配管がつながっていないように見えてしまう箇所が出てくることも。
「そこは当社スタッフが手作業で細かく形状を整え、ダクトや鋼材・バルブなど再現していきます。
実現場とモデルデータをミリ単位で合わせていく緻密な作業となりますが、恐らくこの作業はレブロでなければ実現しませんね」(太田氏)。
同社のノウハウを駆使した各現場では、工数も人工も従来の3~5割削減という形で、導入効果が明確な数字として現れているという。
「最初は各社さん半信半疑ですけどね。
前例が極めて少ないので当然ですが、工事が完了する頃には次の現場についてご相談いただくケースも増えているので、成果は確実に感じていただけていると思いますよ」(太田氏)(図-1)。

図-1 撮影ポイントのチェック
質の高い施工図を広げていく使命感
「全ての始まりは設備工事の分野で改修工事が急増する中、肝となる図面の質に課題を感じたことでした。
平面・立面・断面が不整合なままでは、現場でつじつまが合うはずもなく、その図面から作った加工管は使い物にならず、現場で一から手計りした上で製作した加工管も、結局作り直すなど、膨大な時間とコストが無駄になっている現場を幾度となく見てきましたので」(太田氏)。
「図面に重きを置くことで、事前にできること、分かることがたくさんあるのにも関わらず
『現場って図面だけじゃ無理だから。実際は手寸法で現場を回っているからね』と、そこの手間をあえて惜しまない方が多いのは、私にとっては衝撃的でした。
全ては現場が忙しすぎるからですかね…」(石野氏)。
つまり、現今の状況下で現場が最も必要としているのは、その現場に合った質の高い施工図であり、その一端(端=EDGE)を担うことが同社の存在価値を高め、業界に貢献できる方法であると確信した結果、チーム・エッヂが誕生したのであった。
現在では20名を超えるスタッフと、全国20社まで増えた協力業者との連携により、累計300現場・年間30~40現場の対応を進めており、構想はさらに広がっている。
「年間で60現場まではいけますよ。
レブロの認知度も高まっていますし、われわれもスタッフを増やして、この輪をもっと大きく強くしていきたいですね」太田氏はそう強く思いを語った(図-2、3)。

図-2 点群×CADデータの重ね合わせ

図-3 調整作業の様子
建設現場のあらゆる問題へのAnswer(=答え)
同社が提供する「Answer ZeroOne」は、チーム・エッヂの技術とノウハウを全て集約し商品化したパッケージである。
Answer ZeroOneは、建設業の現場が直面しているさまざまな問題…人手不足や高齢化、BIM 推進、2024年問題などの難問へのAnswe(r=答え)であり、これらを解決する可能性を秘めており、その可能性に多くの同業者が気付き始めているという。
「『ちょっと点群を取って図面描いてよ』というお客さまから『ついでに施工もしてくれるかな?』と頼まれる現場も出てきました」(太田氏)。
今では日本全国から招聘されるようにもなっており、新たな拠点展開などにも注力しているというが、スタッフは大きな3Dスキャナーなどの機器を抱えて全国を飛び回る日々を送っている。
そして、その歩みはAnswer ZeroOneの普及とともに、さらに加速していくことになるだろう。
「現在は特に東北エリアへの展開に力を入れており、地場のゼネコンさんからは『なんでもっと早く教えてくれなかったの!』とうれしいお言葉を受けたりしています。
並行して人材育成も重要な課題となりますが、じっくり時間をかけて、業界に求められる優秀な技術者を育てていきます」。
そう言った太田氏は笑顔になり、最後に今後のレブロに対する思いも語った。
「私たちはレブロが業界で広まる前から活用を開始しましたので、ようやく業界内での知名度も高まってきたなと実感しています。
数年後はデファクトスタンダードになるべきCADだと思いますよ。
ユーザーの声を聴いて、それがスピーディーに反映されていくことはまれですからね。
われわれも大きな計画の中でレブロを軸にしていますし、まだまだレブロには期待しています」と業界の未来も見据えている様子であった。
この記事は「建設ITガイド」2026に掲載されたものです
公開日:2026-05-25
ソフト詳細
Rebro

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