成熟したCAD機能と強力に進化しているBIM機能、プレゼンテーション能力が融合標準搭載となったRenderworks。 RenderworksエンジンであるCinema 4Dのバージョンアップも果たし、よりリアルなレンダリングが可能。 (画像は被写界深度と芝生シェーダを使用したレンダリング例) 設計者をさらに支援する機能を搭載 設計者の自由度を高める数多くの機能を搭載した。 ここではその一部を紹介する。 ●サブディビジョンサーフェス ●ビジュアルスクリプティング ●屋根とスラブの強化 ●プロジェクト共有 ●レンダリング強化 ●ファイルI/Oのさらなる拡充 ●日本仕様の木造BIM サブディビジョンサーフェス 従来からVectorworksにはNURBSをベースにした自由曲面を作成することができた。 2016では、NURBSに加えサブディビジョンサーフェスを搭載した。これはCG系のソフトでは一般的なモデリング方法であるが、建築BIMソフトでは初の搭載となる。 エンジンはPixar社のOpenSubdivを使っているため、映画品質のモデリングを行うことができる。 作成したサーフェスモデルは、中身の詰まったソリッドモデルに変換できるため、他のオブジェクトで切り欠いたりすることも可能となっている。 より自由な3Dモデル形状作成を実現するための、サブディビジョンサーフェス(細分割曲面モデル)作成機能 ビジュアルスクリプティング これまでの開発環境は難しい言語を記述する必要があり、一般の設計者には敷居の高いものであった。 2016ではビジュアルスクリプティング「マリオネット」を搭載し、誰もがカスタマイズしやすい環境を整備した。 フローチャートのようにパーツをつなげることで、パラメトリック形状を自由に作成できる。 建築意匠BIMツール内でこういったスクリプティング環境を整えたものは初めてとなる。 図形を組み合わせるフローチャートで、簡単にスクリプトを生成し、パラメトリック形状を自由に作成 屋根とスラブの強化 建築系オブジェクトの強化も行われている。 2016では屋根の材料構成を作成できるようになり、断面での表現能力が向上した。 また、壁に含まれる材料との取り合いを設定できるため、実際の構法に合わせたモデル作成を実現している。 さらにスラブについては柔軟な編集機能を搭載した。 例えば屋上スラブを考えた場合、上端には水勾配が付けられている。 Vectorworks 2016ではこの形状を柔軟に作成することができる。 汎用機能を使って3Dモデルを作成し、屋上スラブから切り欠くだけで勾配を付けることができる。 さらに部分的にパーツを付け足すことも可能。 フレキシブルなモデリングエンジンをベースにしているVectorworksだからこそ実現できた機能である。 新たに屋根と屋根面に構成要素を追加することが可能となった プロジェクト共有 複数人で1つのプロジェクトを進めている場合、作業ファイルに同時にアクセスしたい状況が発生する。 プロジェクト共有はそういった要望を実現した。 例えばモデリングを進める立場と、それを図面化する立場とで同時にファイルを開き設計を進めることができる。 もちろん、アクセスする各ユーザにはアクセス権を割り当てられるので、誤ってレイヤを削除されてしまうことも防ぐことができる。 レンダリング強化 従来オプションモジュールとなっていたRenderworksが、2016から全てのラインナップに搭載された。 さらにRenderworksエンジンであるCinema 4Dのバージョンアップも果たし、多くの新機能を手に入れた。 よりリアルなレンダリングが眼前に広がる。 ●被写界深度 ●アンビエントオクルージョン ●コースティクス ●露出 ●芝生シェーダ ファイルI/Oのさらなる拡充 これまでもVectorworksは対応ファイルフォーマット数の多さとしては最大級であったが、さらに対応フォーマットが増えた。 3Dモデルとして広く使われているものの1つとしてOBJファイルがある。 2016ではOBJファイルの取り込みに対応した。 これにより3D素材として多くのモデルデータを活用することができるようになる。 さらに、STLファイルの取り込みにも対応した。 従来STLファイルの取り出しはできたが、2016では取り込みも可能なため、多くのアプリケーションとのデータの授受が可能となる。 日本仕様の木造BIM 建築意匠BIMツールの多くは海外で開発されたもので、日本の木造軸組に対応した機能は標準では入っていない。 Vectorworksは木造にも注力し、木造BIMとしてツールを無償提供している。 このツールを使うことで管柱や梁、筋交い、鋼製束などを簡単にモデリングすることができる。 さらに今後も木造特有の各種機能を提供していく。 今後の予定: ●偏心率計算 ●壁量計算(地震力・四分割法) ●金物設定 …など
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