建設ソフトやハードウエアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。
3Dを活用した出荷計画で変わる現場-鉄骨加工の新たな効率化戦略
株式会社宮本鐵工所
S/Fシリーズ「S/F出荷計画」
株式会社宮本鐵工所
所在地:山口県萩市
設立:1968年
主な事業内容:鉄骨製作、製作図作成、部材組立、溶接
https://www.miyamoto-tekkou.com/

常務取締役
宮本 樹 氏
年間約6,000tの加工能力を有し、鋼構造物や建築鉄骨の加工・製造から出荷、現場の建方までを担う株式会社宮本鐵工所。
同社の宮本常務は、長年の経験や勘に頼りがちだった積み込み作業を、3Dを活用した「S/F出荷計画」によって検証・効率化し、配車計画の迅速化やコスト削減、安全性向上を実現した。
人手不足や2024年問題に直面する中、このシステムが現場にもたらす業務改善と、その実用的な価値について宮本常務に話を伺った。


データロジック社には「出荷計画(β版)」開発の際、多くのアイデアを出されたそうですね
宮本常務:当社の専務とデータロジックの営業ご担当者様が別の打合せの折、
「3Dで部材単品が見られるなら、これを動かしてトラックへの積み込みシミュレーションができたら面白いよね」といった話をされていたのを横から見ていた記憶があります。
私はその頃、まだ入社1~2年目で出荷経験が浅く、正直なところピンときていなかったのですが、後々ソフトが具現化してくると「お二人にはこのビジョンが見えていたのか」と、感動しましたね。
正式なキックオフが2023年2月。常務が出荷業務を整理し、順調にスタートした
宮本常務:初回の打合せに向けて出荷の手順をリスト化し、実際の積み込み方法や必要な帳票類について情報をお渡ししました。
私どもとしても現場の人手不足や経験不足をシステムで補って標準化したい、出荷前の作業効率を上げたいという思いがありましたので。
個人的にも出荷業務について理解が深まってきたタイミングだったので、β版を触らせてもらいながら、ソフトのブラッシュアップとともに成長してこられたと思います。
現在はどのように運用・活用されていますか?
宮本常務:操作は私の方で担当していて、主に荷姿の検証に活用しています。
これまでは現場の職人さんが長年の経験や勘で行っていたのですが、どうしてもクリアにできないところがあったんですね。
また私は経験が浅い分、検証に特に時間がかかっていました。
トラックの背面図に各鋼材の3D画像をトレースしてみたりもしましたが、やはり手間で。
そもそも鋼材の数が多いため大きな部材しか検証できないですし、どうしても2Dでは見えないところもあるので、実際に積んでみたら部材同士が干渉してしまったりしていたんです。
このソフトを使うことで、製品ごとにいろいろな角度から確認できるようになったので、曖昧だった部分がかなり具現化しました。
複雑な形状の部材にどんな部材を積み合わせるのがいいのかといった検証もできるのは、このソフトの大きな強みだと思います。
他に解決できた課題はありますか?
宮本常務:常々、配車計画がもっと早く立てられないだろうかと思っていました。
いわゆる2024年問題も背景に、直前に依頼しても車両の確保が難しいのが現状で。
ソフトで検証が早くできるようになった分、配車計画が素早く立てられるようになり本当に助かっています。
ある事例では当初10tトラック2台を予定していましたが、検証を経て積み方を変えたところトレーラー1台に収めることができました。
コスト面でのメリットも大きいですよね。
仕事の進め方で良くなった点があれば教えてください
宮本常務:まず、資料の行き来が少なくなり、作業効率が抜群に上がりました。
従来は帳票データやCADデータをそれぞれ開いて確認や資料作成を行っていましたが、出荷計画には出荷関連の資料が全てそろっています。
ソフトを一つ立ち上げるだけで、工程カレンダーや出荷リスト、発注書、配車依頼書、製品形状の確認などができるので、問い合わせ対応も楽になりました。
あと、積み込みイメージを担当者に共有することで、より安全に作業できているのではないかと思います。
データを事前に運送会社に見せて相談するのですが、反応は上々。
逆に「こうしたほうがいいのではないか」とアドバイスをいただくこともあり、ソフトで再検証し次回以降につなげるなど、勉強させていただいています。
出荷リストに3Dのスクリーンショットを付けてイメージを共有しているので、積み忘れ防止にも寄与していると思います。
お客さまから荷姿図を求められたこともあったのですが、出荷計画のデータを提出したところ非常に驚かれて、感激されていましたよ。

現状「出荷計画(β版)」に関してどう評価されていますか?
宮本常務:個人的にはかなり満足していますね。
積み込み経験者にとって強力な助けになってくれると感じます。
また積み込み経験がなくても「自動積込シミュレーション」で補助してもらえるので、出荷の知識さえあれば使えるソフトだと思います。
私自身はまだまだ勉強中ですから、荷姿を検証できることが一番ありがたい。
複雑な形状の部材の積み込みを2Dだけで考えるのは限界がありますし、実際にクレーンを使ってテストするわけにもいかない。
高さや幅を問題なく収めるのはかなり高度な作業です。
過去にも、3D検証したおかげで制限高オーバーというエラーをぎりぎりで回避できたケースもありました。
机上で検証でき、イメージを担当者と共有できる。
これはかなり心強いです。

今後、御社が目指す姿について教えてください
宮本常務:安全に作業を行うこと、きれいに積み込むことを一番の目標にしています。
出荷は危険度の高い作業の一つですが、安全に作業するためには事前の準備や検証が不可欠でしょう。
この出荷計画で、出荷担当者へ荷姿イメージを共有するだけで、積み方の意識は変わるのではないかと思います。
現場で荷下ろしが行いやすいようになるべく似た部材やサイズが近い部材でまとめるなど、効率よく無駄なく、きれいな荷姿で出荷できればと思っています。
これからも御社のソフトを活用しながら、高品質な製品供給と技術のレベルアップを重ねて、お客さまに信頼される企業でありたいです。
データロジックへ一言
宮本常務:人手不足などにより一人当たりの仕事量は増える一方です。
御社の掲げる「簡単な操作で最大の効率化を図る」という理念の実現が、この業界をさらに盛り上げると思います。
今後もかゆいところに手が届く製品作り、期待しています!
この記事は「建設ITガイド」2026に掲載されたものです
公開日:2026-05-25
ソフト詳細
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