建築積算システム「NCS/HELIOS」
株式会社 綜合積算
左から
東京事務所 意匠担当主査
松野 文俊 氏
東京事務所 構造担当主査
矢野 秀平 氏
所在地:大阪市北区(本社)
設立:1977年12月
資本金:1,000万円
従業員数:38名
事業内容:建築積算
http://sogo-sekisan.co.jp/
大阪市に本社を構える株式会社 綜合積算は、創業以来長年培ったノウハウと豊かな実績で、信頼できるコンサルティング集団として高い評価を得ている。その確かな業績を支えているのが建築積算システム「NCS/HELIOS」だ。配置方式による簡易な積算方法だけでなく、BIMに対応しているため、より効率的に積算業務を行えるとともに作業ミスの減少につながっているという。今回は同社での利用方法や使い勝手について、話を伺った。
はじめに
弊社はNCS/HELIOSを導入して9年目になりますが、導入以前も同社の積算ソフトCENSSを使用しておりました。NCS/HELIOSの特徴としては構造・意匠ともに配置方式による積算を行えることやBIM対応による積算が行えることだと思います。配置方式やBIM対応による積算により、作業がシンプルになり作業効率の向上や積算初心者でも扱える範囲が多いこと、視覚チェックによりミスの防止につながることです。
また、年々NCS/HELIOSの機能がバージョンアップにより追加されており作業効率が向上していることが実感できます。
オフィス風景
構造
構造の積算については配置積算を基本としています。物件のスパン・階高等の情報を入力し、各構造部材リストを作成し、配置画面にて構造図を作図するような感覚で部材を配置していきます。配置部材は直線だけではなく斜め・曲線といった場合でも容易な操作にて配置していくことが可能で、複雑な建物でも配置することができ、各配置部材には部材のレベルや増し打ち、配筋の補正等の細かな情報を入力することができます。初めて操作した時には配置の汎用性に驚きました。配置を行うと軸組図・断面図や3Dを自動生成してくれるため視覚によるチェックができ、納まりの確認・補正といった作業が容易に行えます。
また、以前弊社では土工事・地業工事の数量を手動計算していましたが、現在は掘削手法・山留め・地業等の設定が多様に設定できるようになり、土工事・地業工事の作業が容易に行えるようになりました。
建築数量積算基準、標準仕様書、構造配筋基準についての設定も多様にできるため、さまざまな基準・要領に対しても積算対応が容易に行うことができています。
配置画面
3D画面
意匠
構造の配置積算については他の積算ソフトにも実装されており、むしろそれが主流となっていますが、NCS/HELIOSの優れているところは意匠についても配置積算を行える点です。構造体に加え、ALC・LGSなどの間仕切り壁や建具、各部屋・部位ごとの下地や仕上げなど意匠の情報を細かく配置することにより、床・壁・天井・その他さまざまな数量が自動計算されます。これについては他の積算ソフトでもあまり類を見ない特徴であると言えます。
また、PDF等の図面データを読み込み、画面に表示された図面をマウスで操作することにより、長さ・面積等の計測・計算を行える機能も備えており、主に概算での積算に役立っています。
当然ですが、計算式を入力して数量を算出する従来通りの積算機能もあり、こちらについてもさまざまな機能が充実しています(ここでは説明は割愛します)。弊社においては状況に応じて(例えば前者を新築案件、後者を改修案件といったように)双方を使い分けることにより、大幅な工数の削減に一役買っているのです。
内部室積算画面
PDFデータ読み込みからの計測画面
迅速な変更対応
数量積算については、一度拾い終わったら終わりではなく、その後に設計変更やVE・CDといった対応が続くものであり、それらは得てして時間の猶予がないものです。NCS/HELIOSにはそれらについても迅速に対応できるような機能が搭載されており、設計者たちのニーズに応えることが可能となっています。「綜合積算さんは対応が早くて助かります」とクライアントからのお言葉をしばしば頂けるのも、NCS/HELIOSの機能が充実しているおかげだと日々感じています。
BIM
現在弊社では構造計算ソフトとのBIM連携を多く行っておりますが、意匠BIMソフトとの連携も検討・試行しています。BIM連携の利点としては、前期に記述している配置積算の大半の作業が簡略化でき、作業効率の格段の向上を実感できることが挙げられます。
NCS/HELIOSでは多数の構造・意匠用BIMソフトからの連携機能があり、毎年のように追加されています。今後の機能向上にも期待しております。
サポート体制について
マニュアルも充実しており、調べたい項目ごとに整理されていて見やすいのですが、それでも分からないことはメールや電話で迅速に答えていただけます。何度か電話にて問い合わせたことがありますが、丁寧にしかも即答で答えていただき、非常に助かったのを覚えています。
また、バージョンアップを年1回実施されており、その都度「バージョンアップ説明会」を開かれています。参加は自由なのですが、内容の説明以外にもさまざまなお話を聞かせていただけるので、毎年参加させていただいています。内容については、その時代に合ったものや、ユーザーの要望等の盛り込みが主になっているようです。常にユーザー目線で開発されているのだなというのが毎年感じられます。
最後に
まだまだNCS/HELIOSというソフトの全ての機能を使いこなせておらず、「宝の持ち腐れ」のような状態となっていますが、ツールとしてNCS/HELIOSを最大限に活用できるよう、日々HELIOSプレイヤーとして精進しています。開発者様においては、これからもより一層ユーザー目線での開発を手掛けていただけるようお願いして、これを最後の言葉とさせていただきます。
作業風景
最終更新日:2018-04-13
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