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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

鉄筋業界で選ばれるCADソフトDINCAD

デーバーインフォメーションネットワークス株式会社

DWG互換CADソフト「IJCAD」

デーバーインフォメーションネットワークス株式会社
 
デーバーインフォメーションネットワークス株式会社
所在地:東京都中央区
設立:2007年4月
資本金:9,796万2,500円
従業員数:14名
主な事業内容:
鉄筋業界(ゼネコン・メーカー・加工運送・組立て)向けの業務システム開発および販売
https://di-networks.jp/

取締役常務執行役員
長嶋 一浩氏
サンデンキ株式会社
明石 環氏

DINCADシリーズは、配筋図、納まり図などを作成する鉄筋業界向け作図支援CADソフトだ。
もともとはAutoCADLTのアドオンソフトとして販売していたが、2020年よりIJCADProにもアドオンできるように開発し、ユーザーに使用してもらうベースCADソフトの選択肢を広げた。
 
DINCADのここ数年間の変遷について、DINCADを開発・販売するデーバーインフォメーションネットワークス株式会社の長嶋一浩氏、DINCADの販売代理店サンデンキ株式会社の明石環氏、両名に話を伺った。
 

 

鉄筋業界で選ばれる作図支援CADソフト「DINCAD」

DINCADは鉄筋業界に特化したCADソフトですが、どのような点に特長があるのでしょうか。
 
長嶋:弊社は、株式会社アイコーのグループ会社として、DINCADを開発・販売しています。
私はもともと、アイコーの建設現場で鉄筋を担いでいました。
そこでAutoCADを設計用に使っていたのですが、いろいろと不便を感じる部分がありました。
そこを自分自身で使いやすいように改良して使っていたものが、DINCADの原型となりました。
 
現場でCADを使う人の視線で改良されていたのですね。

 
長嶋:はい、それが社長に見つかり(笑)、鉄筋業界に特化した設計ソフトの開発担当になりました。
十数年前のことです。
 
 
デーバーインフォメーションネットワークス株式会社取締役 常務執行役員 長嶋 一浩 氏
デーバーインフォメーションネットワークス株式会社取締役
常務執行役員 長嶋 一浩 氏

独自目線で作られた。
 
長嶋:まず、鉄筋構造物を設計する時に必要なテンプレートは、建築設計のテンプレートでは補いきれない面があります。
鉄筋には鉄筋のテンプレートが必要と考えました。
 
CADを使う人は主に現場の職長さんで、日々現場で設計図面の微調整が図られます。
その時、現場で快適にCADが使えないと業務に支障が出ます。
そのために書き換えしやすいテンプレートをいろいろと作りました。
 
また、積算データとの連携、加工帳の作成、工場との加工帳データのやり取りの自動化など、こうすればもっと便利にCADが使えるな、と感じたことはDINCADに組み込んでいきました。
 
現場と直結したソフトという開発コンセプトが400社を超える鉄筋業界でのシェアを実現させたわけですね。
 

図面内の鉄筋情報を範囲指定して集計が可能
図面内の鉄筋情報を範囲指定して集計が可能
CADから取得した情報を元に鉄筋を配置・編集
CADから取得した情報を元に鉄筋を配置・編集

 
 

永久ライセンスの重要性

 
スタート時はAutoCADLT専用のアドオンソフトだったのですか。
 
長嶋:はい。
業界全体がDWGファイルをメインとしていたので、シェアの高いCADソフトでの開発となりました。
それが2016年にAutoCADLTがサブスクリプション化されてしまい、私ども、というより建設現場に激震が走りました。
明石:DINCADのお客さまの大半は、現場を指揮する職長さんです。
当時、彼らの多くはサブスクリプションに対する知識を持ち合わせていませんでした。
朝、現場でDINCADを立ち上げると、ベースCADソフトのAutoCADLTが起動しないとお客さまからお困りのお電話をいただいたこともありました。
もちろんオートデスク社のサービスの仕様変更のご案内はしていましたが、見ている人はほぼいません。
それでどうしようってことになりました。
 
長嶋:重要なのは、今使っているソフトが明日も明後日もストレスなく動くということですよね。
そこにライセンスの問題で業務が止まると、現場の人に負荷がかかってしまいます。
 
明石:職長さんの多くは個人経営で事務所は自宅、作業員数名といったスタイルで働いているので、サブスクリプションだと新たに費用面でも負担が増えてしまいます。
サブスクリプション化は避けて通れない道ではあるものの、それが原因で業務が止まることはあってはなりません。
長嶋:そういういきさつでAutoCADLTと親和性が高く、永久ライセンスでもあるIJCADが私たちの目に留まりました。
 
サンデンキ株式会社 明石 環 氏
サンデンキ株式会社 明石 環 氏

 
 

DWG互換CADとしてのIJCADの優位性

IJCADへのアドオンが決まってからリリースするまではどれくらいの期間を要しましたか。
 
長嶋:2019年に体験版を初めて触ったのですが、AutoCADLTのように動かすことができたのには少々驚きました。
もちろん微妙な相違はあるのですが、これならベースCADソフトが変更となった場合も、現場であまりトラブルは起こらないだろうと思いました。
 
半年ほどでIJCAD版のDINCADが完成し、リリースは2020年からです。
 
明石:IJCADを知ったのは長嶋さんからでした。
早速使ってみるとユーザーインターフェースもAutoCADと似ていて、操作性もAutoCADライクにできる。
売る方の立場としてもIJCADはお勧めしやすいソフトでしたね。
 
IJCADを採用して良かった点はありますか?
明石:鉄筋業界の場合、Jw_cadで作成されたファイルが意外と多い。
準大手のゼネコンさんなんかでは今でも使っています。
IJCADはそこにも対応している。
それも採用メリットの一つでしょうね。
過去の膨大な図面資産を有効利用できるのも大事ですからね。
 
それと、DINCADのライセンスはUSBキーで動作していますが、IJCADもUSB版があります。
一緒に管理できるのでこれが意外と便利。
現場のPCも事務所のPCでも使用できるので運用しやすいですね。
 
DINCADを使用する技術者
DINCADを使用する技術者

 
 
IJCAD版DINCADの今後の展開をお聞かせください。
 
長嶋:AutoCADLT版は2016までは永久ライセンスだったので継続して使っている方もいらっしゃいますが、Windows11になって、バージョンが古いまま使っているため動作が不安定になってきたという声も聞こえてきました。
そんな方にはIJCAD版への乗り換えをお勧めしています。
 
明石:職長さんの中には一からCADを勉強される方もいますが、そのような人は全体の5%にも満たないと思います。
多くはITというと、端から及び腰です。
でもそういう人たちにも使っていただきたいCADソフトです。
 
今後の展開を語る両氏
今後の展開を語る両氏

 

最終更新日:2023-06-21




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