BIM対応建築設備CAD レブロ
AUREOLE CONSTRUCTION SOFTWARE DEVELOPMENT INC.
所在地:ベトナム ホーチミン市
資本金:85万USドル
従業員数:563名(2022年3月末現在)
専務取締役 日本支店長
数野 博義 氏
ベトナムのホーチミン市に本社を置くAUREOLE CONSTRUCTION SOFTWARE DEVELOPMENT INC(. 以下、ACSD)は、複合商社の三谷産業グループがベトナムに展開するAureoleグループの一社である。
建築・空調設備工事、住宅設備機器、木造住宅など各種建設物の設計支援、積算業務およびBIMモデリングなどを手掛け、ベトナムで4拠点、社員数550名超に拡大している。
同社専務取締役で日本支店長を務める数野博義氏に、今勢いのあるオフショアによるBIM支援や、人材育成について話を伺った。
※記載されている内容、部署名、役職は取材時のものです。
通信環境の発展で進んだオフショア
主要取引先であるゼネコンの導入をきっかけに、2008年からいち早くレブロで業務支援を開始したACSD。
2016年頃からBIM案件が急増したという同社では、新型コロナ禍を経て大きく環境が変化したと数野氏は語る。
世の中が急速にリモートワークに対応していき、ベトナムへのオフショアで仕事を請け負うACSDにとっては追い風となったのだ。
「コロナ禍以前だと、まず海外へ作図の仕事を依頼することがイメージできないという企業様が多くいらっしゃいました。
ところが、コロナ禍で一気にWeb会議ツールが普及して、やりとりに関する心配がなくなったのです」(数野氏)
海外との隔たりがなくなれば、日本語が流暢で、日本独自の建設技術にも明るい技術者を育ててきたACSDの強みが際立つ。
「当社のベトナム人技術者は、日本のお客様と直接対話して、仕様確認もできるように育っています。日本支店の社員が介在せずとも、日本のお客様とベトナムのスタッフが直接やりとりできています。こうなると、『これだけ日本語が話せて、知識もあって、品質が確保されたデータ作成もできるなら、すぐにでも仕事を依頼しよう』と話が進みます」(数野氏)
レブロを使い、各BI Mプロジェクトに合わせた支援を行う
着実に増えているBIM案件
また、ここ数年でBIM案件の相談も増えていると数野氏は言う。
「BIM関連の業績は着実に上がっていて、5年前と比較しても数倍にはなっています。ゼネコンさんからBIMデータが欲しいという要望も増えていますし、“ある一定の規模を超えるプロジェクトは設備BIMを全てレブロで作ろう”という相談も増えており、それだけでもレブロの仕事量は5~10倍になっています」(数野氏)
設備工事業者からの依頼でも案件ベースで「BIMをレブロでやりたい」という相談が増えており、BIM案件で使用するソフトの7~8割はレブロが指定されているという。
現在、ACSDはベトナム国内で4拠点を構え、レブロを扱える技術者が5~60人にまで増えている。
また、同じ三谷産業グループであるAureole Information TechnologyInc(. AIT )は、ベトナムにおけるレブロの販売パートナーであり、ベトナム国内におけるレブロのシェアも拡大している。
明るく開放的なオフィス。ベトナム国内の拠点もホーチミン、ハノイほかに拡大している
現場で役立つデータを作成できる技術者に
BIM案件が増えていく業界のニーズに対応するべく、着実に技術者を育成しながら増員もしているACSD。
技術者には、実務を通して現場で求められるデータ作成の技術を身に付けてもらっているという。
「今は、建築と設備の知識があって、取り合いが分かって、干渉についてもアドバイスができる、エンジニアリングサービスを提供できる技術者が育ってきています。というのも、われわれは単にBIMデータを作るというより、“付加価値のあるBIMの提供”を考えているからです。“要求仕様が多様化している”という言い方をしていますが、例えば建築は建築、設備は設備でモデルを作るのではなく、今は同時にモデル作成が進みますよね。設備側で建築を見ながら作図しますし、建築側で設備のモデルを統合して総合調整することもあります。工程や工種ごとにBIMに求める目的・考え方・レベルが異なるため、要求に合わせてわれわれが積み重ねた経験値を生かしていくのが、他社との差別化・付加価値になると考えています。その観点で技術者も育成しています」(数野氏)
技術者を指導するダン常務取締役(設備部門長)
グループ会社としての強みを生かして
また、ベトナムに在りながら空調事業部門を持つ三谷産業のノウハウを継承することができることもACSDの大きな強みである。
例えば、点群データからのレブロでのモデリングでは、三谷産業からの受託業務などもあり、ベトナム現地の技術者はそのスキルと経験値を蓄積している。
日本の現場で点群計測ができないという地理的な問題は、三谷産業が現場計測することで連携し、オフショアの弱点を解消できているという。
「施工に生かせるデータ、生産性向上に寄与するようなデータを作ることは、グループを通じてその技術を得られる点で大きいので、そこは積極的に活用するべきだと考えています。
また、三谷産業グループの広範な営業基盤も活用できますので、技術・営業の両面で、グループの利点を生かしていきたいと考えています」(数野氏)
最終更新日:2023-06-26
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