快測Scan
株式会社桑原組
所在地:滋賀県高島市設立:1964年7月 資本金:9,800万円
事業内容:総合建設業(建築・土木・舗装工事等)、建設資材製造販売業
検証後の意見交換の場では、「UAVは飛行条件を満たせるか周辺の環境を気にしなくてはならないが、それがないのが良い」といった意見や、「簡易側溝の出来形などで使えたらうれしい。
レベルを出したりする手間が省ける」といった意見が挙がった。
また、LiDAR計測や快測Scanについて、出来形計測以外の利用範囲についても話が膨らむ。
従来、埋設調査や想定外の地中埋設物が出たときなど、現場状況の共有で何かの記録を残したいときは、「写真」か「動画」で対応してきたが、これに「点群」という新たな選択肢が増えることで、計測可能なデータとして利用価値が高いといった意見も出た。
iPad Proの手軽さと利便性、また3次元だからこそ叶うデータの活用性で、点群データの新しい使い道が生まれそうだ。
快測Scan で計測した点群
桑原組では、TLSとUAVを所有しているが、運用できている技術者はそれぞれ 4名ほどで、全技術者が点群データの恩恵を受けているわけではない。
とりわけ TLSは、非常に高価であるため、取り扱いに注意が必要だ。
一方のUAVは、最近では比較的安価で購入可能となったが、スキルとともに、飛行可能な環境でないとそもそも飛行させることはできない。
このように、一般的に利用されている点群計測技術でも、限られた範囲でしか利用がされていないのが現状だ。
誰もが点群の有効性は感じているものの、手軽に点群を取得できないでいた。
iPad Pr oという身近なモバイル端末で点群が取得できる、さらには出来形計測が行えることで、実際に現場で使いながら、今まで想定していなかった使い方が発見できるのではないか。
出来形管理において、 2022 年度の要領(案)で規定されている工種は、ICT土工(1,000㎥未満)・床掘工・小規模土工・法面工といった一部の工種に限られている。
中川氏からは、法面整形は良いと思うが、構造物工で活用できれば、使い勝手が増えるとの意見もあった。
市販のモバイル端末に搭載されているLiDARの有効照射距離は5mといわれているため、対応工種が限定されているが、水路や側溝などの小型構造物も対象となれば、さらに多くの現場で、手軽な3次元計測技術として、利用される機会が増えるだろう。