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建設DX活用事例

建設ソフトやハードウエアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

若者と女性の力をフル活用しながらどこより早いi-Construction対応を目指す

株式会社山全

TREND-POINT/ TREND-CORE / EX-TREND武蔵

株式会社山全


左から
副社長 光瀧 敬二 氏
工務部班長 藤田 将明 氏
工務 崎川 淳子 氏
ドローン操縦士 西條 理江 氏

所在地:徳島県三好市
創業:1977年5月
資本金:5,000万円
従業員数:55名
事業内容:土木、アンカー、排水ボーリング、建築ほか各種工事
 
 
徳島県三好市の株式会社 山全は地域密着型の土木工事会社である。
各種土木建設工事を幅広く展開し、特に地滑り防止工などの特殊工事を得意としている。
新技術の導入にも積極的で、福井コンピュータ製品を活用しICT施工にもいち早く挑戦。
ドローンや3Dレーザースキャナーを駆使し3次元測量等を行うほか、自社でUAVパイロットの育成も進めている。
その果敢な取り組みの背景と狙いについて、副社長の光瀧氏ほか4氏に伺った。

 

3次元化からCIM、ICT活用は当然の流れ

「“より良いものをより早く”をモットーとする当社では、特に直営施工にこだわっています。
また時代の流れを敏感に捉えて対応するのも得意ですよ」そう語る副社長の光瀧敬二氏によれば、今回同社が福井コンピュータ製品を導入し、いち早くi-Construction(以下i-Con)の対応に着手したのも、そんな姿勢の現われだったという。
 
「どこより早くやるのが好きなんですよ。四国の山の中だからこそ、東京に負けたらいかん、と」
そういって光瀧氏は笑う。
実際、このi-Con対応も国土交通省の取り組みが公表される前から始まった。
同社でi-Con対応を主導する工務部班長の藤田氏は語る。
 
「きっかけは2015年秋に開始した国土交通省直轄工事の現場です。これは吉野川の堤防工事の一部ですが、私たちは“ここで新技術を試したい”と考えたのです」
土工事で転圧管理システムを用いた出来形管理や施工管理などの情報化施工に同社は10年以上前から取り組んでおり、新技術に挑戦したいという意欲が高まっていたのである。
そこで社内で話しあって行き着いたのが、3次元測量と3次元データの活用というテーマだった
前述の通りi-Conの発表前という時期だったが、業界が3次元化からCIM、ICT建機の活用へ進んでいくことを、当然の流れとして予測していたのである。
 
「とにかく周辺の同業者がどこもやらないうちに取り組もう、という考えなのです。点群処理についても、当初は“現場への導入はまだまだ先だろう”という声も多かったですが、だからこそ今やろうと考えました」(藤田氏)
 
 

本社屋上でドローン操作を練習

 

3次元測量の試行で効率化効果を体感

こうして2015年秋、山全はi-Conへの挑戦を開始し、まず福井コンピュータの製品の導入を決めた。
藤田氏らが選んだのは、3D点群処理システムのTRENDPOINT、CIMコミュニケーションシステムのTREND-CORE、そして土木工管理システム EX-TREND 武蔵などのi-Con対応製品群である。
 
「3次元測量に挑戦したかったのでこれらを選び、またドローンの操縦はとりあえず専門家に依頼しました」(藤田氏)。
初めての測量手法への挑戦なので、ドローンによる3次元測量の試行と並行して従来方式の測量も合わせて実施することとし、出来形等も取った上で両者の結果を比較していった。
 
「ドローンは何度かやり直しましたが、データさえとれば TREND-POINTであっという間に処理できました。
しかも、通常の測量の結果と比べても遜色なく、素直に凄いと感じましたね」。
例えば従来方式の測量では1日では終らないような大規模な現場でも、ドローンとTREND-POINTを使えばたちまち完了するだろう、と藤田氏は言う。

「測量から図面作成までトータルに効率化できるので、3割程度の削減はすぐ実現できるはずです。当然人件費も抑えられるし、すごい効果ですよ」(藤田氏)

 

設備を整え人材を育てて着実に進歩

このような成果を受け、山全ではi-Con対応と3次元化の取り組みをさらに加速している。
3Dレーザースキャナーを導入し、現場に応じてドローンと使い分けるほか、RTK-GPS測量も行っている。


3Dレーザースキャナーも導入
 
 

RTK-GPSによる検査風景
 
 
さらにはドローンのパイロットやTREND-POINTなどのオペレータも社内で育成している。
ユニークなのは、その要員として女性を抜擢している点だ。光瀧氏は語る。
 「ノウハウを蓄積するには、当社社員がドローンを飛ばし3Dツールを駆使する必要があります。それも新しい機器・システムですから若いパワーに期待したいのです。周囲には驚かれましたが、これも時代の流れの一つですよ」そんな意向を受けてTREND-POINT等の操作を任されたのは、CADオペレータとして25年の経験を持つ崎川氏だ。 
 
「2D CADなら使い慣れているのですが、本格的な土木の3Dは初めてです。以前、他社の3DCADですごく苦労したので、TREND-POINTも最初は不安でした」と苦笑いを浮かべる。
それでも実際に操作すると意外に簡単で、スムーズに点群処理が行えたという。
 
「土木には素人の私でも、3D化されれば本当に分かりやすいのです。EXTREND武蔵やTREND-COREも早く活用したいですね」と意気込む。
一方、ドローン・パイロットに抜擢された西條氏は、ドローンどころかラジコン自体が初めてだった。
 
「機体は高価だし最初はこわごわ飛ばしてましたが、1 カ月ほどで思うように扱えるようになると楽しくなりました。3カ月ほどで飛行時間も10 時間を超え、国土交通省の基準を満たせたのです」。練習は会社の屋上や、UAS 多用推進技術会というドローン活用の会で合同練習に参加するなどしているという。
 
「もう4~5 現場で飛ばしましたが、まだ工事写真の撮影だけ。早く測量の知識を身に付けて写真測量に挑戦したいですね」(西條氏)
 
このように設備・人材とも着々と充実しつつある山全では、今後さらにi-Con運用現場を増やしていく計画だ。
間もなく始まる新現場も、土量約5 万立米と大規模なので、点群処理に向いている、と光瀧氏は考えている。
 
「そこでドローンとレーザースキャナーの両方を使って点群データを比較し、さらに図面化して数量算出に挑戦する計画です。始まったばかりのi-Con ですが、福井コンピュータ製品を生かして着実に進歩していきたいですね」
 
 

現場見学会の様子
 
 

TREND-POINT

 
 
 
この記事は「建設ITガイド」2017に掲載されたものです

最終更新日:2026-03-04

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