建築設備積算システム PICK-UP
株式会社 三冷社
東京支社 設計積算部門
部門長 沼田 時彦 氏
所在地:東京都中央区
資本金:3億円
従業員数:250名(平成26年度)
主な事業内容:設備工事の設計施工ならびにアフターサービス、冷暖房・空気調和設備・冷凍・冷蔵設備・給排水・衛生設備、電気設備ほか
設備工事を全国展開している三冷社は、かつては自社開発の積算ソフトを使用していたが、合理化や操作性、効率化を検討した結果、積算システム「PICK-UP」を導入した。
導入の決め手となったのは、建築設備に精通している技術者が開発したこと。
必要な機能が揃っており、特に画面拾いシステムは作業効率の向上が効率化だけでなく、他社との連携にも役立っているという。
積算システム「PICK-UP」の導入経緯やその効果について話を伺った。
はじめに
2011年に発生した東日本大震災と福島第一原発事故は、改めて私達に古くて新しい根本的な課題を突き付けました。
それは「安全な地球環境の実現に向け、人類は努力しなくてはならない」ということです。
またリーマンショック、欧州金融危機などの影響が瞬く間に全世界に及ぶなど、「世界」が身近で狭いものであることも再認識させられました。
このように地球規模で激変し続ける社会の中で、進化、成長を遂げられるお客様のさまざまなご要望に対し当社は「お客様と一緒に考え、応える会社」を目指します。
そして省エネ、節電、CO2削減、脱フロンを企業理念とし、万全の保守サービスと最高の空調・衛生設備工事、低温領域の設備工事をもって、国内のみならず海外にも積極的に事業展開することで、「安全な地球環境の実現」に寄与したいと考えております。
運用状況
以前は、自社で開発したオフコンのソフトを利用していましたが、合理化・操作性・効率化等を考慮し、積算システム「PICK-UP」を導入することになりました。
導入の決め手は、建築設備に精通している技術者が開発したというのが一番の理由です。
ソフトに持たせるべき事項と、そうでない事項がはっきりしていて、煩雑な操作を必要としないところも魅力でした。
また、図面から部材を拾い出す作業も、デジタイザーという機器を利用することで、コンピューターへ自動的に入力されるようになり、現在では、画面拾いシステム(ディスプレイに図面を表示してのマウス拾い)へのバージョンアップを行い、さらなる作業の効率化に成功しています。
また、当社独自の要望事項にもスムーズに対応して頂き、今では必要不可欠なソフトの一つとして、日々活用しています。
画面拾いシステムの活用
紙の図面に(拾った箇所を)色鉛筆等で着色する必要があった以前の拾い作業に対して、画面拾いでは、マウスのクリックだけで数量の拾い出しと図面への着色が同時に行われます。
しかも、数量と図面上の着色部分が連動しているので、チェックや変更図への対応が容易にできるようになりました。
拾いミスの修正作業も「検索と置換」機能を利用することで、膨大な拾いデータや図面の中からでも簡単に見つけ出すことができます。
拾い画面1
拾い画面2
拾い業務のアウトソーシング
図面からの拾い出し作業を外注業者(拾い事務所)に依頼する場合も「PICKUP」を導入している業者に依頼することで、見積書への変換が、ボタン一つで対応できます。
しかも、図面や拾いデータを、メールでやり取りできるので、支店間での協力作業も含め、迅速な対応が可能となりました。
また、画面拾いに対応した今では、チェックや修正作業、または変更対応が自社で行えるので、効率よく業務に取り組めます。
作業風景
ノウハウが詰まった見積システム
時代とともに改定を重ねてきたマスターには、単価はもちろんのこと、取付費や付帯工事が登録されているので、計算ボタンを押すだけで、標準的な項目が自動発生します。
後は物件に合わせて調整するだけで、見積書が作成できます。
大規模な物件や、提出期間の短い物件では、複数人での同時作業や、見積書の連結ができるので、無理なく見積業務を進められています。
見積画面1
見積画面2
見積データの有効利用
原価金額の詳細な検討を行うために「PICK-UP」の見積書を自社のExcel帳票に変換し、検討できるシステムを作成して頂きました。
これにより、余計な労力をかけずに短期間で予想原価・目標原価が検討できるようになり、迅速で的確な判断が可能となりました。
暫定目標原価表1
暫定目標原価表2
安心なサポート体制
建築設備の知識に詳しい技術者が多いので、電話での質問でも、回答が分かりやすく、的確です。
また、バージョンアップも頻繁に行っているので、時代に合った機能を使うことが可能です。
作業風景
おわりに
近年のソフトおよびハードの著しい技術の向上や、他部署または他社との連携の中、さらなる業務の効率化を検討していく上で、見積書作成業務における作業内容の変化は必要不可欠であり、今後とも、(株)カンキョウエンジニアリングとの協力の下にさらなるスムーズかつ画期的なシステム開発・運用を実現できればと考えています。
最終更新日:2019-05-14
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