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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

小規模設計事務所のBIMチャレンジ奮闘記

株式会社 横松建築設計事務所

ArchiCAD

株式会社 横松建築設計事務所
所在地:栃木県宇都宮市、東京都渋谷区
創業:1981年10月
従業員数:6名
主な業務内容:建築設計・監理、建物の耐震診断、建物のリフォーム・リノベーション等

専務取締役横松 邦明氏
専務取締役 横松 邦明 氏 


小規模ながらいち早くBIMの導入に成功した株式会社 横松建築設計事務所。専務取締役の横松氏は、操作は比較的スムーズに覚えられたが、使っていくうちに「BIMツールだけでは何でも自動的にできるわけではない」と気付いたと言う。自己流でBIMを学び、スタッフ教育も模索の毎日。しかし、自ら習得していったノウハウの蓄積が、設計のスピードアップ化、プレゼンクオリティの向上、そして受注増などBIMによる目に見える成果につながった。


ArchiCADを選んだ理由

BIMについて知ったのは、約5年前に見たインターネットの記事でした。

最初に受けた印象は、平面をいじると自動的に立面図ができ、さらに建具表、仕上げげ表、面積表も連動して、非常に仕事が楽になるな、ということでした。

早速、他社の3DCADの体験版をダウンロードして、仕事の合間や夜中にひたすら練習し、一通り操作を覚えました。その後、真剣に購入を考え初めた時に、他の3DCADソフトも試してみようと思い、ここで 初めてArchiCADの体験版をダウンロードしました。

他社の3DCADをかなり練習していたのでArchiCADはそれほど苦労することなく、すんなり操作できるようになりました。

検討した結果、結局ArchiCADに決めたのですが、選んだ理由としては、操作性の良さ、インターフェイスの分わかりやすさ、設備メーカーがGDLのパーツを配っていたことで将来性を感じたことです。

購入してさらに使い込むうちに、決して、何でも自動的にでき、全てが連動するほど簡単ではないことに気付き、本当にこのソフトで実施設計図の作成が自由にできるようになるのかと、途方に暮れそうになったこともありました。しかし、諦めるわけにはいかないので、一つ一つ実施設計図作成が困難になる部分を洗い出し、マニュアルを読んだり、ネット検索したりしながら自分なりに方法を模索しました。

1番最初にArchiCADで実施設計を行った住宅

ArchiCADとしては変則的な方法で解決したり、バージョンアップによりいつの間にか解決していたりと、問題は少しずつ少なくなっていきました。

そしてそのうちに、実施設計図一式をArchiCADで作成できるようになりましたが、また次の課題が出てきました。

それは、小規模な建築であれば一人で実施設計モデリングもこなせるが、建築物がある程度以上の規模を超えると、実施設計モデリングが、恐らく非常に大変であろう、ということでした。

そこで、ArchiCADのチームワーク機能をうまく活用するべく、スタッフを雇用し、一からArchiCADを教えました。やがて彼も、一通り実施設計図をモデリングできるようになりましたが、その頃にはさらに次の問題点が出てきました。

それは、多数にわたるArchiCADの属性設定や、モデリングのルールについてでした。例えば各々がレイヤーを好き勝手に作ってモデリングを進めると、その後モデルをカットして図面化する時に管理が煩雑になり、編集することが困難になってしまいます。

そこでスタッフと相談しながら、属性設定をなるべくシンプルにすることや、モデリングの方法もなるべく統一することで解決を図りました。

ここまでの流れの中である程度のノウハウが構築されたので、3人目のArchiCADメンバーの教育は非常にスムーズにすることができました。

チームワーク機能を使用して設計した店舗 チームワーク機能を使用して設計した保育園


ArchiCADによる効果

これまでは、まず2Dにて平面の検討を行い、立面、パースにて確認、その後平面の調整…と繰り返していましたが、ArchiCADを使用してからは、3Dモデルを作成して、それがそのまま2D図に切り出せるので、検討・確認・調整が非常に素早く容易になり、最初に依頼があってからプレゼンテーションまでの時間がかなり短縮されるようになりました。その結果、以前より多い案件をこなせるようになりました。

また、施主はもちろんのこと、さまざまな工事関係者とのコミュニケーションが格段に良くなりました。

設計初期プレゼンテーションの時点でも、パースでなく3Dモデルによる説明が可能なため、(2次元的な間取りでなく)空間として施主に説明することができるようになり、プレゼンテーションにおけるインパクトやその効果を実感しています。

実施設計時にも、モデルを見せながらイメージを共有しつつ詳細を詰められるので、施主と設計者の目的地のズレが解消されたことを感じます。

また、実施設計作業をする社内スタッフとの連携についても、初期プレゼンテーションの時点で、建物の高さ、開口部のサイズ、仕上げ等をある程度詰めており、そのデータを元に実施設計モデルとなるように肉付けしていくため、設計者間の意識の共有という点において非常に有効だと思います。

工事監理時には実施設計で作成した詳細なモデルを用い、外壁や内装の仕上げ選定はもちろん、家具の棚板の変更、敷地の勾配の調整等さまざまなことを視覚化して施主、施工者との打ち合わせに役立てています。

後々は現場監理で調整した竣工モデルが建物の維持管理、増築、改築などにも非常に有効になると思います。

ArchiCADで設計した住宅


苦い経験も糧に

ArchiCADを実施設計に導入した初期(当時はVer.13)、某マンションデベロッパーの下請けでマンションを設計した際に、実施設計図一式をArchiCADにてモデリングしました。それまではDRACADにてデー タ納品を行っていたのですがその際はArchiCADのレイアウトブックデータをJWCADデータに変換し納品しました。

紙ベースとPDFは問題なかったのですが、当時は壁等の包絡が上手くできていない部分については上から白い線をなぞって修正していたので、その部分が他CADでは色のついた線となってしまい、CADデータとして非常に精度の悪いものになってしまいました。その結果、何日も徹夜をしてJWCADを使って変換データを修正するという事態になりました。

今までArchiCADを使用していて一番きつかった経験はこれです。

しかし最近では、大部分の案件の最初のプレゼンから工事完了まで、ArchiCADの3Dを、施主、建設会社、その他関係者との意思の疎通に利用するので、各々の理解が早く、非常に作業がスムーズになり、あの苦い経験も決して無駄ではなかったことを実感しています。

施工中の個人住宅


ArchiCADに望むこと

ほぼ満足していますが、強いて今後の希望を挙げるとすれば、サッシの詳細を既製品メーカーの納まりに合わせられるようにして欲しいです(現在、サッシ納まりは別図参照として2D図面で対応しています)。キッチン、窓などのメーカー物で2D、3D対応のものが配られると非常に楽になりますね(現在3D部分は、自分でモルフツールにてモデリングして対応しています)。

事務所風景





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