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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

技術者としての試行錯誤ができる砂防堰堤計画CAD

株式会社 クリエイトセンター

砂防堰堤計画・設計・製図SABOシリーズ

株式会社 クリエイトセンター

株式会社 クリエイトセンター
設計部 加藤氏 

所在地:新潟県新潟市
資本金:2,000万円
従業員数:30名 


株式会社 クリエイトセンターは、新潟県に本社を置く昭和50年創業の建設コンサルタント。昨今では河川・砂防分野の実績を伸ばしている。今回は、設計部の中でも主に河川・砂防分野の設計業務を担当する加藤氏に話を聞いた。




平成23年の新潟・福島豪雨をきっかけに

新潟県は中山間地が多く、豪雨や地震等による土砂災害が激甚化するケースが比較的多い地域である。渓流の下流に民家が多く、現在、土砂災害警戒区域(イエローゾーン)の指定が6000箇所以上、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)の指定が4000箇所以上にも上る。

こうした地域条件の中で河川・砂防業務に力を入れていた株式会社 クリエイトセンターは、平成23年の「新潟・福島豪雨」の災害復旧業務をきっかけに、砂防堰堤計画CAD「V-SABO/Plan」(開発:川田テクノシステム株式会社)を導入した。

「予備設計では、通常、比較3案を検討することとなります。しかし、実際には、それ以上を比較検討する必要がある。砂防堰堤の位置が決まったとしても、堰堤高さを変えると、さらに数パターンの比較検討が必要となります」


より多くのケースを検討することで提案力をアピール

平面図を見ているだけでは、堰堤サイトとしてどの場所が最適かは分からない。現地調査を実施することで適地を選定し、会社に戻り「V-SABO/Plan」と砂防堰堤自動製図「V-SABO/Draw」を連動させて比較検討を実施する。

現地調査で選定した砂防堰堤サイトを平面図に落とし、施設効果量と堤体ボリュームを算出し、最適案選定のための比較検討をくり返すのだ。Excelを駆使して手計算で実施していた頃は1週間かかっていた比較検討が、SABOシリーズの導入により、一度入力してしまえばその修正や再検討の実施には、かなり手間が省けるため、「慣れてしまえば1日かからない」と言う。

「流域全域を対象とした砂防堰堤の配置検討時には、さまざまな提案ができるようになりました。打合せまでの時間が短くとも、発注者が思い浮かべる全てをかたちにして提案できるので、迅速かつ的確な対応力をアピールできます。予備設計の段階では、限られた時間の中で、より多くの代替案を比較検討し、すぐに絵を描けることが強力な武器になります」


オプションの活用でさらなる効率化

豪雨災害の業務で渓流保全工の業務を受注したこともあり、渓流保全工オプション「V-SABO/Stream」を導入した。このオプションをフルに活用しているという。

「渓流保全工は砂防施設を階段状に計画していくものですが、縦断図を作図しようとすると、全て手計算しないと水路高、計画高水位などの数値は埋められない。ところが、オプションソフトとの組み合わせで、縦断計画を実施し、水理計算をソフト上で行えば、縦断図の多くの項目を自動製図で描けてしまいます」

縦断図を自動製図
 縦断図を自動製図


ソフトの機能を余すことなく使う

災害前後の地形の把握が必要となる渓流において、砂防堰堤の予備設計を実施した際にも、SABOシリーズが大いに威力を発揮した。

「V-SABO/Planで現況横断図の作図、いわゆるペーロケ作業が本当に楽でした。ソフトをとことん使い倒し、その性能や特徴を知ることで、目的に合わせた使い方ができると思います」

直感的なインターフェイスも大切だが、すんなり使えてしまうと、上辺の機能だけを使って終わってしまう。つまずきながらでも、十分時間をかけて使いこなすことにより、ソフト全体の機能を把握でき、結果的に省力化につながると言う。


高い評価を受けました

こうした積み重ねが功を奏し、管内砂防堰堤等予備設計業務が、平成24年度 北陸地方整備局湯沢砂防事務所の優良委託業務事務所長表彰を受賞した。SABOシリーズを活用したことで、十分な提案ができたと加藤氏は語る。

「トライアルの省力化・短縮化で、技術者にとって重要な『考える時間』をつくることができたのが何より大きい。より多くの堰堤配置ケースを検討することで自分自身が納得のいくことはもちろん、発注者の求める提案ができた。こうした業務で表彰されると、これがまた自信につながります」


砂防堰堤計画・設計・製図SABOシリーズとは?

縦断図を自動製図

SABOシリーズは
・砂防堰堤計画CAD「V-SABO/Plan」
・V-SABO/Planの工事用道路オプション「V-SABO/Road」
・V-SABO/Planの渓流保全工オプション「V-SABO/Stream」
・砂防堰堤設計計算
・砂防堰堤自動製図「V-SABO/Draw」
で構成される。

※株式会社クリエイトセンターでは、「V-SABO/Plan」、「V-SABO/Road」、「砂防堰堤設計計算」、「V-SABO/Draw」を利用中

砂防堰堤は、安全性、自然環境、経済性を複合的に考慮するため、設置位置や構造タイプはさまざまな検討ケースが考えられるが、SABOシリーズを使用することで、いったん自然条件を設定すれば、砂防堰堤の位置や構造タイプは自由に変更できる。
また、シリーズ間で3次元地形図を共有できるため、砂防堰堤配置計画、工事用道路計画設計、渓流保全工計画設計といった施設全体を計画設計できる。

平面図 渓流横断図 砂防堰堤側面図
平面図                渓流横断図             砂防堰堤側面図


渓流保全工オプション「V-SABO/Stream」

さらに、渓流保全工の計画設計は河床変動を考慮する必要があるが、縦断計画・横断計画・計画高水位(水理計算)の3つが複雑に影響しあうため、様々な条件に応じて、縦断勾配の勾配率や、横断形状の幅などのトライアルが必要となる。

「V-SABO/Stream」では、この3つを1つの画面で操作でき、条件変更すると即座に結果表示されるため、技術者が検討・確認しながら計画設計ができる。

stream

また、これらの整合がとれても、用地取得や経済性等の関係から平面計画を見直す場合があり、その際は下流工程である縦断計画・横断計画・計画高水位をもう一度計画設計する必要が生じるため、システムの導入効果は絶大なものとなる。








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