「FinePix BIGJOBシリーズ」を使い続ける理由
建設現場における工事記録写真の撮影に、もはや欠かせなくなったデジタルカメラ。CALS/ECの電子納品推進などもあり、今後ますますデジタルカメラが現場へ浸透していくことは想像に難くない。こうした状況を背景に、デジタルカメラにおける信頼性・耐久性への要求もますます高まっているのが現状だ。
会社概要 鹿島建設株式会社
所在地:東京都港区/設立:昭和5年(創業:天保11年〈1840年〉/
資本金:814億円余/従業員数:9,234名
暗い、粉塵が多いなど、悪条件下での撮影が多い建設現場において求められるデジタルカメラの条件には何が挙げられるのか。当初から富士フイルムの「BIGJOBシリーズ」を使い続けている鹿島建設株式会社東京建築支店・加藤将工事課長に、建設現場ならではのデジタルカメラの条件から話を伺った。
工事現場のタフな使用に耐える堅牢性・耐久性
工事現場特有の環境から述べますと、粉塵が多いためデジタルカメラ各部の電子可動部分にチリやホコリがたまり故障が発生しやすい点が挙げられます。従って自動的にスライドする部分が極力少ない機構がいいですね。また、手袋をはめた上で操作することも多いため、レバーの操作性や押しボタンの大きさなどの使いやすさも大切な要素となります。
高所で不安定な足場で使う際には、低所にいる作業員の安全のためにも道具の落下に注意する必要があります。そこではコンパクトを追求したタイプではなく、使用する際にある程度のホールド感が望ましいのですが、その意味では適切なサイズと感じています。
また、カメラを首にかけて足場などが組まれた間を歩きますので、落下に限らず多少の衝撃が加わる可能性は常にあるため、多少ぶつかっても平気な堅牢さも、もちろん重要です。BIGJOBを使い始めてから、そうした操作性や耐久性の面で問題はありません。
ちなみにこれが現場で同じ期間使用しているコンパクトカメラです。現場ではあちこちにぶつけてしまいますから、一般のデジタルカメラとBIGJOBではここまで差が出てしまいます。

それから、防水性ですね。雨天の土工事は言うまでもなく、コンクリートを打つ作業ではびっしょり濡れた手袋で撮影します。このようなケースでは汚れたカメラを水洗いすることもありますし、雨天でカッパを着けていても、カメラは雨にさらされる場合がほとんどですから、防水性や撥水性も欠かせない条件ですね。もちろん、BIGJOBはそのあたりも問題ありません。汚れれば、ジャブジャブ洗っています。
撮影したデータの安全性
電源という視点から見て設計上の配慮を感じるのは、メモリーカードを出し入れする際に自動的に電源が切れる機構になっている点です。
工事写真は、万が一、不注意でデータが壊れた場合、後で撮影し直すことが不可能なことも特徴です。「データが壊れたしまった」では済まされません。この点でも、写真データの取り扱いをよく考慮して設計されていると思います。また、充電場所もない現場に長時間滞在しなければならない場合、どこでも購入できる単三乾電池で使えるという点も使いやすさですね。
今度出る新製品※では、さらに画像を加工したかどうか検出できる機能が搭載されると聞いています。官庁工事では電子納品を求められますが、写真データには一切編集加工を加えてはいけないのですが、加工していない証明もなかなかできないのです。このため対応に苦慮することもありますので、この新機能には期待しています。
どんな状況にも対応する撮影性能
他にも、撮影機能のスペックやカメラの性能も使う側にとって大きな比重を占める要素です。
工事看板を入れて写真を撮る際に、たとえば白墨で書いた日付が読み取れないのでは記録写真の役目を果たしませんので、クリアな撮影が望ましいことは言うまでもありません。また、内装を撮影する場合、舞っているチリ・ホコリが雪のように映ってしまう場合があるのですが、これを防ぐため、あえてフラッシュなしで撮影することがあります。このようなケースでは、薄暗い条件でも手ブレせず明るく撮れる高感度・高画質が大変助かります。
工事現場の状況はさまざまで、狭く奥行きのない場所での撮影も当然ある訳ですが、そうした際は広角性能が高くないと全体が収まらないケースも多くあります。逆に、リニューアル工事等の点検口から首も入れられない天井裏を撮影するケースでは、フラッシュを使って望遠で遠くの個所を狙わねばなりません。このように、その時々の現場の状況に柔軟に対応してくれる性能は頼りになりますね。
BIGJOBを使い続ける理由
BIGJOBを使い続けている理由は、このように多岐にわたって工事現場の撮影状況を知り尽くした性能を備えているからです。
私たちにとってデジタルカメラはあくまで道具の一つです。道具は手入れし大切に扱うという面がある一方で、実際に撮影する現場ではあまりカメラに注意を払わず本業に専念できる環境が必要です。つまり、写真を撮影している時以外は現場の業務に集中し、カメラが少々ブラブラしていても気にしていられないのです。従って、ある程度ラフな使い方にも耐えて性能を発揮してくれるデジタルカメラが歓迎されるというわけなのです。
また工事記録写真には、さまざまな目的がありますが、極論を言うと目的を達成していれば写真としての他の要素は問題になりません。その意味で、BIGJOBは「ここをこうこう撮りたい」という目的に正に“自分の目の代わり”となって応えてくれる点がありがたいですね。
以上のように、多方面でこちらのニーズを分かってくれる点で工事現場におけるBIGJOBの信頼感は今後も変わらないと思います。新しい機種※には、先ほども言った画像を加工したかどうかをチェックする機能の他に、外でも見やすい大型の液晶モニターが付いたと聞いています。撮影する現場ではモニターは大きいほど助かりますので、楽しみにしています。
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