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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

新しい時代のはじまりを支えるチカラ

八千代エンジニヤリング株式会社

CIM導入支援サービス

八千代エンジニヤリング株式会社

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技術推進本部 CIM推進室
藤澤 泰雄 氏

所在地:東京都新宿区
資本金:4億5,000万円
従業員数:972人(2014年7月現在)


建設コンサルタント業界大手の八千代エンジニアリング株式会社では、国土交通省が進めているCIM時代の到来に備えCIM推進室を設置し、各部門における人材教育を進めている。 中核となるCIM推進室の室員には、応用技術株式会社のCIM導入支援サービスを利用し、実務に則したトレーニングを展開することで高い成果を上げているという。技術推進本部 CIM推進室の藤澤泰雄氏に話を伺った。



重要なのは3Dデータ作成

12月4日に国土交通省から「産学官によるCIMの構築」が発表されました。
これは、今まで試行として行っていたCIMを業界全体で実用化に向けて推進していくという姿勢の変更と考えています。
特に注目すべき点は、従来、CIM制度検討会、CIM技術検討会という2つの検討会が別々に進めていた動きを一つにまとめ、学を含めた産学官の体制で推進する体制を作り上げたことと、2016年には先導的に進める工種を明確にした点にあります。

平成24年度、25年度の試行業務、試行工事はできるところから始めていたことを考えると、対象工種を絞ったことにより、実際に必要となる課題を明確にし、解決策、推進方法などを業界全体で検討する機会が作り上げられたことは、CIMの新しい時代の幕開けと考えて良いでしょう。


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国土交通省記者発表資料より


これから必要なもの

(1)人材育成・トレーニング
当社では、2005年より応用技術株式会社からAutodesk Civil 3Dを導入し、社内での普及に努めてきました。
この成果として平成24年度から開始されたCIM試行業務をいち早く担当させていただきました。
この中で分かってきていることは、3次元モデルを作成することにより、可視化による現状の把握が容易になるというメリットの他、数量の自動算出やモデル変更による自動修正などミスの軽減、配筋の3D化による干渉チェック・過密度の確認が可能になるなどの点です。
一方、デメリットではないのですが、配筋の3D化は非常に手間がかかりますし、3Dモデルを作成することも非 常に手間がかかります。
しかし、これはそうした作業に適したツールがまだ用意できていないためでもあります。
AutoCADでも配筋の3D化はできますが、Revit Structureを用いた方がさらに簡単にでき、もっと簡易に作成できるツールが求められているということだと思います。
こうした考えのもと、2013年には、さらなるCIM業務拡大を目指して、応用技術株式会社からAutodesk Infrastructure Design Suite とBuilding Desing Suiteを導入するととともに、社内体制拡充のためCIM推進室を設置し各部所からメンバーを選定して教育を実施しています。
従来の作業と3次元での作業をどのように分けていくかは、個人の判断に任せているため、なかなか進まないのも事実ですが、一人一人に最低1つのテーマで活用してもらえるように進めています。

CIM推進室員にどのように業務成果に活用すればよいかを教えるために、応用技術株式会社のCIM(3次元インフラBIM)導入支援サービスを受けて、2013年、2014年と軽井沢で合宿形式のトレーニングを行っています。


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CIM推進室 CIM合宿


応用技術のトレーニングは、単なる操作説明ではなく、実際の業務に即した形式でトレーニングを行っていただいており、受講者から評判は上々です。
米国カリフォルニア州運輸局(CALTRAN)では、職員自らがCivil 3Dを利用しており、そのために5種類ほど のトレーニングマニュアルを整備し、トレーニングを実施しています。
当社でも、これからは、CIM推進室の室員の他、一般社員へもサポートするチームが必要で、CADオペレータを増員することで対応しています。
もっと現場の技術者が自分たちの設計のために利用できるトレーニングマニュアル、トレーナーの育成が必要だと感じています。

(2)部品の整備
3Dモデルの作成が大変だと考えている理由のひとつが、AutoCADなどCADで形状をひとつずつ作成しているためだと思われます。
応用技術株式会社から導入している、Revit StructureはFamilyと呼ばれる部品を作成し、これを組み合わせることにより全体のモデルを作成するモデル作成ツールです。
多くのFamilyを持っていれば、モデルの作成効率は大きく向上するはずです。

海外ではこうしたツールを有償で販売している場合もありますが、ニューヨーク市建築局では、建築確認申請のためのRevit Familyを無償で提供しています。


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3D Site Safety Plans(NYC建築局)


応用技術株式会社のCIM(3次元インフラBIM)導入支援 サービスに含まれる各種部品は、いち早くこの動きに対応したもので、これからの拡充が望まれます。


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応用技術(株)「CIM用3次元土木パーツ」


この他に国内では、シビルユーザ会から施工車両など217種類の部品が公開され自由に利用できるようになっており、これらのツールや応用技術株式会社のツールなども利用しながら部品の作成を進めることで、効率化を進めていく予定です。


はじまりを支えるチカラ

CIMはまだまだ始まったばかりです。
新しい時代のはじまりを支えるチカラは何でしょうか?
それは、新しいことにチャレンジする精神と困難に立ち向かう勇気と努力です。
CIM技術検討会やシビルユーザ会など会社を越えた連携を行うことにより、ひとりひとりの小さな力を合わせて、大きな動きにしていくことが重要です。

そのためには、みなさんが一緒にCIMに取り組んでいただくことが必要であり、応用技術株式会社を始め、ツール・部品・教育システムなどをさまざまな環境を提供してくれる関連会社のチカラも重要だと考えています。







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