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建設DX活用事例

建設ソフトやハードウエアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

構造計算そして概算見積まで連動した建築企画BIM活用術

日本建設株式会社

建築企画BIM「TP-PLANNER」

日本建設株式会社

20150203n_1.jpg

内村 氏(左)
佐野 氏(右)

所在地:東京都文京区
設立:昭和30年8月
資本金:5億円
主な事業内容:建築工事の施工・企画・設計およびこれに関する事業、リニューアル事業

1955年創業の日本建設株式会社は東京本社と全国7支店を拠点に営業活動を展開する。

住宅、商業ビル、公共施設、工場などあらゆる建築物の設計、そして施工を行う。

「建築を本業とし建築という仕事を通じて社会に貢献する。」を経営理念とする。

直近の3期(H26年2月)で25%超の売上げ増を達成するなど堅実な経営を続ける総合建設会社。

「TP-PLANNER」導入経緯および利用法を情報システム室佐野氏と品質管理部内村氏、設計部伊藤氏、塚越氏に解説していただく。

BIM導入に至る経緯

当社がBIM導入の検討を始めたのは、2010年頃にさかのぼる。

設計部では、2次元CAD中心の利用で、3次元利用はパース作成時に外注するなど2次元CAD中心であった。

BIMの普及とレベルアップに伴い当社の導入検討も急務となり導入の目的を明確にすることから始めた。

「営業支援のための設計ツールとして機能し、土地情報からコスト算出まで効率的に行えるシステム」

コスト算出のための設計の流れをBIMにより実現する。

単なる見積帳票作成ではなく根拠となる建物ボリュームを効率的で正確に算出できることを実現したい。

検討を開始した。

BIMソフトの選定にはベンダー各社から情報収集することから始めた。

するとBIMの使用目的が、ほとんど生産設計時における利用を意図していることが分かった。

つまり実施設計以降のBIM利用で営業支援的利用には必ずしも有効でない。

そこで構造部門でお付き合いのあるユニオンシステム(株)に意見を求めることにした。

提案されたのは、構造計算ソフトSS3データと連動する企画BIM「TP-PLANNER」。

早速、営業部、意匠設計、構造、積算のスタッフを招集し開発元(株)コミュニケーションシステムからTP-PLANNERの機能を実践形式で解説してもらった。

「TP-PLANNER」は、土地情報から逆日影、天空率を考慮したボリュームからプラン配置により、躯体、建具情報を持つBIMデータが作成される。

構造連携では初期設定値から仮定断面を自動発生配置する機能を有し、さらにSS3データ変換され解析可能となる。

そのことにより躯体が確定する。

コスト算出には、建築概算見積ソフトCostNaviPro建築ソフト(株)の連動により作成される。

以上の内容は当社における導入目的、「営業支援」として充分機能すると判断。

CostNaviProとともにTP-PLANNERの導入を決めた。

導入時に、(株)コミュニケーションシステムに求めたのは徹底した実践的講習。

つまり進行中の事案を通じて企画BIMの流れを理解することから始めた。

講座では、土地情報の入力、逆日影、天空率から始まる企画設計講座から行われた。

構造担当者も企画設計から講座に加わった。

当社におけるBIM導入の目的はコスト算出、構造部門のBIM参画が鍵となる。

徹底した実践講習が功を奏し企画BIMが動き出した。

今回は当社におけるBIM利用法の一端を構造、意匠それぞれの立場で解説してみたい。(以上、佐野氏)

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構造計算から始める企画BIM

構造部では、他社設計のVE検討など、構造計算を優先して設計作業を進めることも多い。

元より構造計算では、一貫計算を行うため、3次元処理され、BIMデータの基本情報となる躯体が算出される。

構造部門では、その躯体情報を意匠データに反映させるためにSS3とTP-PLANNER連動を利用している。

双方向のデータ連動が可能だが、構造計算データから始まる企画BIM活用法を紹介したい。

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①SS3で構造計算を行い躯体を確定する。

②SS3解析結果CSVデータをTP-PLANNERで読み込む。

→構造計算の場合、建具は全て開口として入力される。

TP-PLANNERではVer15から建具一括変換ツールが搭載された。

これにより開口データから効率的に建具情報に変換される。

③階段室をTP-PLANNERで入力する。

→SS3では階段室は壁柱のみの入力のため、TP-PLANNERで入力することでリアルな構造パースが作成される。

④敷地形状および用途地域等の土地情報を入力することで、日影規制、天空率計算を行うことが可能になる。

⑤工場および倉庫など鉄骨事案も構造計算データから変換しパースデータを作成することが可能になった。

構造計算発のBIMデータの作成の問題点として、構造計算データがモデル化あるいは開口、床の属性情報など、意匠データとして直接利用できないことが挙げられる。

一方、構造計算結果による躯体データはBIMの必須情報となる。

これらの問題点を解決すべくユニオンシステム社、TP-PLANNER開発者そして内村が参加し、構造連携勉強会を行い改良を加えている。

開口から建具情報に変換するツールもその勉強会から発案された。(以上、内村氏)

土地情報から始める企画BIM

不動産市況の活性化に伴い、土地情報も傾斜地、変形敷地、複数道路など複雑な事案が多くなった。

住居地域系の変形敷地における企画BIM利用法を紹介したい。

3方向道路、日影規制、高度斜線、容積率確保等々通常処理では、困難な事例だ。

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①土地情報入力後、逆斜線、逆日影計算を行う。

斜線規制は高度斜線のみを反映させる。

→道路斜線は天空率で対処することを前提に逆計算は行わない。

②逆日影計算結果で算出されたブロックから日影、斜線断面チェックを行う。

→算出された限界ラインの精度を確認することでプラン作成時の効率が格段にアップする。

③形態制限の限界ラインをガイドにプランニングを行う。

→容積率、住戸数等をチェックしながらブロックパースそして面積表がExcelで自動作生される。

改正建築基準法に対応されている。

④日影規制、天空率等は逐次チェックが可能。

→天空率適合建築物、算定位置は自動算出され法解釈が的確。

サポートセンターの対応などの安心感もあり、天空率が有効に機能する。

⑤単線プランから自動発生した壁に建具さらに階段室を配置する。

⑥構造連携で確定した躯体でパース、コスト算出を行う。

企画設計のツールが全てそろっており、一連の処理で企画設計者自身でパースまで作成することが可能になった。

構造連携により算出された柱と建具の干渉チェックなど企画BIMとして有効活用している。(以上、伊藤氏、塚越氏)

 
 
 
この記事は「建設ITガイド」2015に掲載されたものです

公開日:2015-03-09

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