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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

道路専用CADで作業時間50%減に期待

株式会社 タイヨーエンジニヤ

道路平面・縦横断図CAD「V-ROAD」

会社概要株式会社タイヨーエンジニヤ
所在地:長野県東御市滋野乙1302
資本金:4,500万円
従業員数:47名(技術職員数:37名)


(株)タイヨーエンジニヤ
V-ROADの研修を受講中の設計部の皆さん

(株)タイヨーエンジニヤは、創業45年。測量からスタートしたが、現在では多岐にわたった分野で長野県を中心に建設マネジメント力を発揮する総合建設コンサルタントである。長野県は地形が急唆で、自然災害を受けやすい地域だが、県内のインフラ整備、災害復旧に携わり、地域に貢献してきた。2012年10月に同社で使用するCADの全社統一を図った。その導入の経緯を取材した。



CAD全社統一にいたる経緯

タイヨーエンジニヤでは、2012年10月に使用するCADの全社統一を図った。選定したCADは、土木系CAD「V-nas(ヴィーナス)」シリーズ(開発元:川田テクノシステム)。構造部門ですでに、汎用CAD「V-nas」や、RC構造物専用CAD「V-FRC」を導入していたが、このたび道路河川部門においても、道路平面・縦横断図CAD「V-ROAD」の導入に踏み切り、各部門においてV-nasシリーズに統一した形となった。

全社統一の決め手は、何と言っても「使いやすさ」と「コストパフォーマンス」。

具体的に、どういった点が魅力的だったのかを、常務取締役の栁澤氏、そして「V-ROAD」を導入した第一設計部の、久保氏、児玉氏に聞いた。



かゆいところに手が届く専用CADならではの各種機能

V-nasシリーズには、「面積計算のための三斜が自動で切れる」、「クロソイド、走行軌跡図等の作図が簡単にできる」といった、土木に特化した機能が標準で装備されているほか、「V-ROAD」の道路専用CADならではの操作性が目を引いた。

「横断図で作図した用地幅杭が平面図と連動する上、平面図で幅杭の編集を行うと、その結果を横断図にも反映することができました」(久保氏)

「平面図で中心線に沿った構造物旗上げ線が作図できるのも魅力的な機能のひとつでした。構造物旗上げ線を作図すると延長調書が出力できるため、今まで手間をかけていた作業が大幅に効率化されました。また、指定したエリアに三斜を自動で発生してくれるので、面積計算の時間も大幅に減ります」(児玉氏)


(左)自動三斜機能による作図
(右)中心線に沿った構造物旗上げ線と延長調書


CADをベースにした操作性

なかでも、汎用CAD上で道路設計を行えることが、システム導入の決め手になったと言う。 「今まで利用していた道路設計システムは、成果品を仕上げるために、必ず汎用CADで手を加える必要がありました。設計変更が発生するたびに、専用システムに戻るため、図面を一から作り直していました。

それに比べて、V-ROADは計画検討から図面作図、詳細数量計算までが汎用CAD上で行えるので、成果図面に対して、設計変更の結果を直接反映させることができるようになり、変更作業が苦にならなくなりました」(児玉氏)


絶大な時間短縮効果

このように、設計検討・変更時の対応がとにかく早い。平面・縦断・横断がひとつのシステム上で行き来できる点について、大幅な時間短縮を期待している。「V-ROADを導入することにより、全作業の量が50%減になることを期待しています」(久保氏)


道路平面・縦横断図CAD「V-ROAD」とは?



3次元地形を利用して、概略設計検討、縦断線形検討、横断図作図を行う。縦断計画の変更結果を平面図や横断図に反映できる。 汎用CADコマンドを利用して計画横断図に測量記号等の加筆作図した場合でも、加筆した内容がそのまま反映されるので、図面修 正の手間が省ける。


横断図と平面図で双方向に幅杭データの受け渡しが可能



横断図で作図した幅杭を平面図に取り込んだり、平面図で編集した幅杭の結果を 横断図に戻すこともできる。


そして、コストパフォーマンス

全社統一によって効率化を図れる一方で、当然考えなくてはならないのがコスト。同社では、従来使用していたCADがファイル互換の関係でバージョンアップを余儀なくされ、そのバージョンアップ費用とV-nasシリーズへの乗り換え費用とを比較した。
「一時的にかかるソフトの購入価格のみならず、今後の維持費も検討した結果、結果的にCADの増設費用までもが捻出できました」(栁澤氏)


詳細数量も自動算出


詳細数量が自動で求まるのも時間短縮に つながる。


プレゼン効果アップに期待

「画像データ(ラスタデータ)に対する操作性をアップして欲しいなど、ソフトウエアに対する要望もいくつかありますが、地域説明などに使えるように、地形のシミュレーションやフォトモンタージュ機能を充実させるといったプレゼンテーション効果を高める機能強化に期待しています。今後、河川砂防部門での活用や、3次元CAD『V-nasClair』への展開も検討しています」(栁澤氏)

走行シミュレーションを作成

作図した横断図から簡易的な走行シミュレーションを作成できるので、将来的には本格的な CG作成が期待される。





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