道路縦横断計測システム ROPO(ロポ)
会社概要 東亜道路工業株式会社
所在地:東京都港区
資本金:75億8,418万8,930円
従業員数:1,033名
道路舗装会社として約80年にわたる長い歴史を持つ東亜道路工業(株)は、道路をはじめとする舗装工事やアスファルト製品の製造・販売などを行っている。同社では、これまで測量会社に外注していた計測業務のコスト削減に取り組むこととなり、トータルステーションを使って自社で計測が行えるシステムを導入した。その効果について話を伺った。
大場 拓也氏
導入のきっかけ
道路の補修工事を行う際、舗装する前に縦横断測量を行って計画高や切削量のシミュレーションを行う場合があります。
これまでは交通規制を伴う外部の測量会社への委託(横断プロフィールメータ)や路面性状測定車によって行ってきた計測業務を今後、現場スタッフで行うことによってコスト削減できないかどうか模索していたところ、技術部門の担当者が「道路縦横断計測システム ROPO(ロポ)」の情報を入手してきました。
このシステムは測量機器を使って路肩から安全に計測ができるシステムで、何といっても
・交通規制をかけなくとも計測ができる
・煩わしい手続きから開放される
・高精度な機械の使用
というメリットは大きく、他に似た技術も存在しなかったため、導入する決断に迷いはありませんでした。

画面インターフェース PDAを使用して計測
導入効果
通常、路面の横断測量は横断プロフィールメータ、もしくはレベルと巻尺を使用して行います。いずれもデータを解析したり、手入力したりする必要がありますが、このシステムはほぼ自動で計測を行い、後処理ソフトと連動するので計測から解析までワンストップで行うことができます。
作業は最低限、測量機操作1名と路端部指示担当者1名の合計2名と少人数で行うことができます。
また、交通規制の日数を減らすことができるため、工事による一般車や周辺の住民への負担も多少軽減されたと思います。
従来の測量方法では、車線規制をかけているとはいうものの、非常に危険を伴う作業となります。作業予定日が悪天候となった場合は車規制の取り直し等の手続きが必要となり、作業工程自体に支障を来たすことになるため、交通規制に伴う懸念がなくなったことは大きな効果をもたらしています。


少人数での計測が可能

夜間での計測も可能
路肩からの計測 自動車などが通過しても問題ない

計測の状況
現場の声を反映したシステム開発
初期の頃は通信エラーが出るなどトラブルもありましたが、開発元にプログラマーが待機しており、問題点を即座に改善してくれるだけでなく、実際の計測に必要な機能をどんどん搭載してもらいました。作業が終了する頃には現場の声をダイレクトに反映したシステムとして完成されました。
そして現在、現場からの要望により、道路の平坦性を測定できる機能をロポに付加する取り組みを行っています。従来は道路縦断測定装置を道路面に配置し、路面を転がしながら縦断測定を行っていましたが、この機能が搭載されればロポ1台で横断・縦断におけるあらゆる測定が可能となり、路面測定業務の更なる効率化に繋がるでしょう。
導入後の評価
稼働率ほぼ100%。もう1台の導入を検討中
このシステムは特別な機械ではなく、一般的な測量機械(トータルステーション)が使われているため、普段はトラバース測量に使用できます。もっとも今のところは路面計測用として社内での引き合いが多く、技術研究所に戻ってくることが少ないため、来年度に同システムの追加導入を検討しています。
今後は、車線数が多く広い道路での使い勝手を向上させたり、ケーブルの劣化や破損に伴う通信エラーを防ぐBluetoothでの無線化を期待しています。
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