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砂防えん堤計画・設計・製図SABOシリーズ
■会社概要 三井共同建設コンサルタント株式会社
東京事業本部 防災室
心待ちにしていた、砂防えん堤専用CAD 三井共同建設コンサルタントでは、2008年11月に、砂防えん堤の計画・設計・製図にまつわる一連のソフトを導入した。 砂防えん堤の配置計画を行う「V-SABO/Plan」、本体の安定計算から袖、水叩きまで一連で計算する「砂防えん堤設計計算」、自動製図・数量計算を行う「V-SABO/Draw」の3ソフトだ。 ![]() ■ソフト導入前はどう処理されていたのでしょうか。 従来は、Excelを使って計算プログラムを組んでいました。Excelでは図面までは描けませんので、図面は別途、汎用CADで起こしていました。 ■ソフト導入に至った経緯は? もともとCADは「V-nas」(川田テクノシステム)を使っていました。V-nasがリリースされた時は衝撃的でした。土木図面の作図をここまで考えたCADというのは当時なかったので・・・。そのV-nasシリーズが砂防えん堤の専用CADをリリースすると聞いて、すぐに「これだっ」と思ってデモンストレーションをお願いしました。 ■ソフトを見ていかがでしたか 図面まで自動で作図できるとなると、かなりのスピードアップが図れそうだな、と期待が持てました。 また、最近ではクライアントからDMデータが提供されるケースが多いので、DMデータが直接取り込める点でも省力化が図れると考えました。
概略工費の算出が、とにかくスピーディー ■実際に使ってみて、ソフト導入前と比べていちばん変わった点は? 早々に“あたり”がつけられることです。それまで、概略の検討には2週間くらいかかっていたのですが、いち早く知りたい「概略工費」等を、依頼を受けた翌日には出せる。コンクリート量のボリュームなどが即答できることで、地域住民への説明などが早期に開催できるようになったと、クライアントには喜ばれましたよ。「どんな裏技使ってるの?」と驚かれました。 ■住民説明の機会は多いのでしょうか。 最近は、予備設計段階でも住民説明会を実施する機会が増えているようです。特に、砂防えん堤設置については住民の「防災」に直接的に繋がることですので、説明責任を求められるケースが多いですね。
設計変更も不要にする、くり返し検討の容易さ ■処理が早いと途中の設計変更にも柔軟に対応できそうですが、その点についてはいかがですか? それが、途中での設計変更、はほぼなくなりました。というのも、われわれが概略を示す段階であらゆる提案ができるようになったからです。従来は位置決めしてからある程度概略設計を進めてみるしかなかったので、別の位置で検討するとなると一からやり直さなければならなかったのですが、V-SABO/Planを使うことによってえん堤の設置位 置はあらかじめ無数に挙げられるようになりましたので、手戻りがないのです。 予備設計では、ソフトウェアの使用で省力化だけでなく、提案力が増したといえます。 ■詳細設計での利点はいかがでしょうか? 縦断図、横断図は自動製図した図面をほぼそのまま使えるのですが、平面図はそうはいきません。取り付けのやり方は現場によって変わりますし、基準が日本全国すべてで異なるので、施工現場の条件はさまざまです。ひとつとして同じものはない、一品製品なのです。そこには砂防のプロとしての「技術判断」が入りますから、細かい部分は汎用CAD「V-nas」で仕上げます。 V-SABO/Planには汎用CADの「V-nas」が標準装備されていて、それを便利に使っています。 ■ほかに、ソフトウェアの使用で業務処理の流れが変わったことはありますか? 縦横断で距離と標高をひとつひとつ拾っていましたが、それが自動で出てくるのでかなり楽になりました。 また、予備設計のデータは同時期に導入した各支社と共有し、さらなる省力化を図っています。 ■ソフトウェアやベンダーに対する要望などはありますか? まだまだいろいろな要望はありますよ。たとえば3次元化など、世の中のニーズの変化に応じて、われわれもこれで満足せずに、ガンガン要望を出していきます。 ![]() ![]() ![]() 一度に10ケースの水通し位置の標高を設定して、同時に計算することができる。 ![]() ![]() ![]() 計算結果については、平面図、縦断図、横断図と計算書を出力し、計画段階から図面の確認が行える。 ![]() ![]() 計画流出量、整備率の計算結果をExcelファイルに出力する。 透過型、不透過型、部分透過型といった、タイプの異なる複数基のえん堤を設置し、整備率の結果を 一覧表示する。 |
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