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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

Rebroを核としたBIM活用の展開により電気設備工事の現場だけでなく営業部門も活性化

栗原工業株式会社

使用製品 BIM対応建築設備CADレブロ


栗原工業株式会社
所在地:大阪市北区(大阪本社)、東京都港区(東京本社)
創業:1919年7月
従業員数:1,134名(海外含む)
事業内容:電気設備、計装、情報通信、空調衛生、防災防犯、土木他
https://www.kurihara.co.jp/

左から 大阪本店 工事管理部 工事支援グループ  課長   小林 稔 氏  
大阪本店 営業部 営業一課長 玉井 康大 氏  
大阪本店 工事管理部 工事支援グループ 永山 里恵 氏  

大阪・東京に本社を置く栗原工業は、電気設備を中心とした設備工事分野において100年余の歴史と実績を持つ専門工事業者である。創業当初より「技術のくりはら」と呼ばれ、常に最新技術を取り入れながら業界に確固たる地位を築き上げてきた。そのような背景を持つ同社だけにBIMの活用にも積極的で、2019年にBIM対応建築設備CADレブロを本格導入。電気設備業界の先陣を切ってBIMの本格的な運用を開始している。ここではレブロを核に展開する同社のBIM普及とその運用について、その推進をけん引する工事支援グループの小林氏と永山氏、そして営業部の玉井氏にお話を伺た。
 
 

新組織 工事支援グループの立ち上げとBIM導入

「当社がBIMの導入に取り組み始めたのは、2019年7月でした。この時、大阪本店内に工事支援グループという新組織が立ち上がり、これがBIM推進のけん引役を担うこととなりました(図-1)。私が参加したのもこの時からです」同社のBIM普及活動をけん引している工事支援グループの小林氏はそう語る。
 
この工事支援グループのミッションはBIM導入だけでなく、新規プロジェクトの初期検討やICTの活用、教育資料の作成等々、多彩なテーマに基づいて進められる電気設備工事の現場支援に向けた取り組みである。実は小林氏自身、20年余の現場経験を有する技術者だったが、栗原工業は貴重な戦力である小林氏を現場から呼び戻して、この新組織に招集した。同社がBIM導入を始めとする工事支援グループの取り組みをいかに重視していたかがうかがえる。小林氏とともに行動することも多い営業部の玉井氏は語る。
 
「大阪本店はゼネコンから受注する仕事が全体の約半分を占めています。そのゼネコンからの要望が、近年は非常に高度化し、工事部単独では対応しきれなくなりつつありました。そこで、より客観的な立場でこれらの課題を捉え、スピーディーに対応するために発足したのが工事支援グループです」営業部門にとっても、同グループの存在は非常に大きいと玉井氏はいう。
 
新規案件が動き始めると、同グループは早くから営業とともに行動し、発注者の要望に応えるべく初期検討や3D対応等に取り組んでいく。そして、必要十分な対応を済ませた上で、立ち上がった現場にその成果を引き渡すのである。そうした役割を担う同グループが取り組みの中核に据えたのがBIM導入だった。
 
「従来使用していた汎用CADでは、機能不足の部分が多く、3Dのレブロを試してみようと数本を導入したのです」(小林氏)。
 
そして、ちょうどそのタイミングでBIMプロジェクトの引き合いがあったため、小林氏はその対応を引き受け、工事支援グループが中心となってレブロによるBIMモデルなど制作を進行。現場の立ち上げに合わせ仕上がったモデルを提供した(図-2)。そして、現場側は発注者の要望に応えながら、このBIMモデルを有効活用したのである。この最初のBIMチャレンジが成功したことから、この流れが同社のBIM導入段階における基本スタイルとなった。
 
「レブロは他ソフトよりも3D部材を多く搭載しており、プレゼン資料が作成しやすい上、搭載していない部材も容易に作成できる。また、部材のCG色を簡単に変更できるため、見える化を実現しやすい」(小林氏)と同氏はレブロの3D入力のしやすさを強調した。
 


図-1 フロントローディング組織

図-2 屋上キュービクル廻りのBIMモデル

 

栗原工業標準をベースに社内普及を推進

「BIMプロジェクトの現場担当が決まったら、その担当者には現場が始まる前の1〜2週間、当グループに来てもらい、レブロによるモデル制作などの流れを学んでもらっています」そう語る小林氏によれば、現場担当者をBIMオペレーターの後に付かせ、“レブロで本当にモデル等が描ける操作の流れ”を実体験させている。教育指導を担当し、レブロのヘビーユーザーでもある永山氏は語る。
 
「モデル作りは基本2週間で習得できるよう指導します。ただ、その人の設備工事への理解や現場熟練度の違いで、特に序盤の習得に差が出ますね。そこである程度、基本となる栗原工業流のモデル制作ルールを決め、これを正式標準として現場への浸透を図っています」永山氏によれば、この「栗原工業標準」は、CAD創成期から長くCADオペレーションに取り組んできた永山氏が蓄積した「どうしたら使いやすいか」、「無駄なく修正できるか」、「効率よく図面が仕上げられるか」といった作図ノウハウと、他の工事支援グループメンバー、現場担当の意見を加味しつつ、レブロによるBIMモデル制作の実際を分かりやすくルール化したものだ(図-3)。
 
「この標準に沿って当初の1〜2日は付きっきりのマン・ツー・マンで操作を学んでもらい、次にどんどん実案件で作図して、ルールを実践してもらっていきます」(永山氏)
 
このような実践的な教育によりモデル作りをマスターした技術者を、BIMプロジェクトに送り込む。そして、工事支援グループが作成したBIMモデルを彼らが活用することで、現場主体のBIMの普及が強力に推進されるのである。
 
「われわれが電気設備系の専門工事業者として最も早くからBIMに取り組み、それもレブロに特化した形を徹底してきたことで、レブロを導入している多くのゼネコンを中心にBIMプロジェクトでの運用に確固とした流れができつつあります」玉井氏のその言葉に、小林氏もうなずきながら口を開く。
 
「ゼネコンから提供される3DデータはIFC形式ですが、先方の設備担当の多くが既にレブロを導入しており、レブロの生データでやりとりできることは当然、非常に取り組みやすいわけで、“レブロで運用できるのはありがたい!”と感謝されることも多々あります」つまり、レブロを使っていることが、それだけで有利に働くのである。加えて工事支援グループとともに進めるBIMを活用した提案や検討作業もまた、営業活動では非常に効果的だと玉井氏は感じている。
 

図-3 レブロ図面作成マニュアル(盤管理)

 

BIMデータをいかに生かすか

「2Dの施工図面は、それを見て施工するためのものですが、BIMの場合はデータそのものに価値があると考えています。そこに入力された【属性情報を活用】することで、その価値はさらに高まっていくわけです」そんな永山氏の言葉どおり、工事支援グループではレブロの機能を生かした【属性情報活用】の取り組みも進行中だ(図-4)。
 
「今取り組もうとしているのは、レブロで描いたモデルを生かした現場管理ですね。例えば天井プロットを描く時に照明器具の照会記号や型番等の属性情報を入力しておき、それをいつ納入してほしいとか、納品されたらチェックするとか…【Excel データリンク】で活用できないか等を検討中です。既に同じ手法で動力盤等の盤管理を行えるようにしましたし、幹線系統図も属性情報を利用して変更対応の自動化を進めています」(小林氏)
 
「2〜3年後には、幹線計算や耐震計算もレブロに機能実装するのではないでしょうか。とにかくレブロで描いておけば、そのデータを生かして現場管理も完結できる…という世界です。今は無理でも、それくらいの将来像を目指すべきだと考えています。今後も期待したいですね」
 

図-4 回路番号などの属性を付与した電気図面

 


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