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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

設計、施工から維持管理まで設計施工 BIM+BIM-FMで生産性を向上

鹿島建設株式会社

Rebro(レブロ)

鹿島建設株式会社

     
関西支店 オービック御堂筋工事事務所 所長
北村 浩一郎 氏
関西支店 オービック御堂筋工事事務所 副所長
加藤 誠 氏
(左から)

所在地:東京都港区
設立:1930年
資本金:814億円余
従業員数:7,686名(2018年3月末現在)
事業内容:建設事業、開発事業、設計・
エンジニアリング事業 ほか
  
 
   




大阪ビジネス街の中心地で、新たな超高層ビル「オービック御堂筋ビル」の建設が進んでいる。2020年1月竣工を予定するこのビルは、地上25階地下2階で最新の耐震・省エネ設備や災害時の緊急設備等を備え、オフィス・ホテル・店舗・ホール等で構成。同プロジェクトを請負った鹿島建設関西支店では、支店初のフルBIM案件として設計・施工・維持管理まで一気通貫のBIM活用を展開している。その取り組みについて、同現場事務所の北村浩一郎所長と加藤誠副所長に伺った。
 
 

関西支店初のフルBIM挑戦

 
「お客さまから内示を頂き、設計のスケジュールが見えてきた時は、すでにメンバー間で“フルBIMでいこう”という合意ができていました」
 
所長として現場を率いる北村浩一郎氏はそう語る。関西支店で管理部門のグループ長を長く務めてきた北村氏は海外視察を通じ、早くからBIMの必要性を痛感し、現場への普及に取り組んできた。実際、関西支店でも施工BIMを中心に、実案件ごとのBIM活用は進んでいたが、基本計画から用いるフルBIMは、なかなか実施する機会がなかったのである。そうした背景の中、北村氏が任されたのが今回のオービック御堂筋ビル新築工事の現場であった。
 
「偶然だと思いますが、今回は私だけでなく、現場中心にBIMの普及を進めていた加藤副所長や、設計部門でBIMを推進していた設計部長も一堂に会すことになったのです。そこで、“とにかく一度フルBIMでやってみよう!”ということになりました」
 
しかし、フルBIMは関西支店としても初めてで、北村氏も「当初、何から始めればいいのか、まったく分からなかった」と話す。そこでまず着手したのが、後にプロジェクト推進の最大の原動力となる「BIM戦略会議」の立ち上げであった。
 
「誰も分からないのであれば、皆で考えていこう、というわけです。意匠・構造・設備の関係者を全員集めて“こんなことがやりたい”という方針だけ示し、あとは皆で知恵を出し合っていこう、と決めました。集まるのは大変ですが、全員いれば問題解決も早いし、そうして改善し、ルールを決めながらBIMモデルを作り込んでいきました」(北村氏)
 
「関西支店はもともとフロントローディングが活発な拠点で、設計段階から施工担当が早期参画し、設計者とともに仮設計画や施工合理化を反映させる設計図の作り込みを行ってきました。今回の取り組みも、基本設計から実施設計へ進む流れの中で、フロントローディングを究めるという狙いがまずあり、BIMはそれを促進させるツールという捉え方があったのです」(加藤氏)
 

オービック御堂筋ビル完成イメージ



BIMプロット図の作成

 
 

着工とともにレブロ導入教育を

 
2017年5月。いよいよ着工の日を迎え、BIM運用も現場へ拡がっていった。この時、現場での施工BIM運用の課題の一つとして、レブロがクローズアップされたのである。
 
「現場で使われる設備CADは他にもありますが、BIMデータをフルに拡張利用できるのはレブロと考えています。特に今回のプロジェクトのBIM運用には、モデルに入力した属性情報の活用が大前提となります。そうなるとやはりレブロが有力な選択肢でした」(加藤氏)
 
鹿島建設本社もBIM用設備CADとしてレブロを推奨していたが、普及はまだ途上にあり、そのせいもあって、当初は加藤氏も協力会社へのレブロの普及に不安を感じていた。
 
「この現場では、設備の協力会社8社にレブロを使ってもらうことになり、各社のオペレーターに操作を学んでもらう必要がありました。これにどれだけの時間がかかるのか、正直不安だったのです」
 
しかしその心配は杞憂だった。総計19名ほどのオペレーターは、着工後すぐに立ち上げられたBIM研究会により定期的な講習を受け、短期間でレブロの操作を習得したのである。
 
「レブロは初めての方ばかりでしたが、抵抗なく習得され、すぐ実務で使いこなしてくれました。使い慣れたCADよりもレブロの方が使いやすいという声も多く、特に一つの施工モデルから多くの図面を切り出せるのは大好評でした。通常何枚も描く図面が、モデル一つでフォローできるのですから、評価も当然でしょう」(加藤氏)
 
こうして可能となった施工BIMの本格運用により、同現場では設備協力会社の業務が大きく効率化された。通常、設備は建築検討後に短時間で検討作業することになるケースが多く、就業時間も多くなりがちだ。しかし、この現場では設備協力会社の多くが比較的早い時間で終業し、休日出社もほとんどないという。
 
「実際、BIMのメリットを一番感じているのは彼らでしょうね」と北村氏は笑顔で語る。
 
「BIMで着工時前に可能な限り検討ができており、決めるべき項目の大半が事前に把握・処理できていると感じる。おかげで着工後の設備関連の検討作業が大きく削減され、流れが確実に変わりました。これが非常に大きかったと感じています」(北村氏)
 

3DCGの活用



 

BIM拡張利用からBIM-FM連携へ

 
こうしたBIM運用で現場に余裕が生まれたこともあり、現場ではBIMデータをさまざまな形で拡張利用し、新技術の挑戦に取り組む機会が増えているという。設備協力会社と連携し、レブロのExcelデータリンク機能を生かしたさまざまな取り組みを行っている。工事の進捗管理においては、膨大な数量の部材とBIMデータを紐付けし、現場での納品チェックや設置位置確認、作業進捗確認等をリアルタイムで実行。BIMデータ上に部材ごとの進捗状況をビジュアルで表示し、「工事進捗の見える化」を進めている。
 
このようなチャレンジを積み重ねながら、プロジェクトは2020年1月の竣工を目指して着々と進んでいる。すでに北村氏たちは引き渡し後の維持管理フェーズでのBIM活用を視野に検討を始めている。例によって、実際にメンテナンスを行うスタッフや各拠点の責任者と、BIM-FM連携の話し合いも重ねており、そこでは設計・施工BIMのデータベースを基に、建物管理業務のエッセンスを反映したBIM-FM連携が構想されている。
 
「工事が終わればBIMも終わりということではなく、建物がある限り活用していくことが重要です。『BIMは建物のデータベースです』と。しかも、“こういうことができる”と実際に形にしなければ次に続かないわけですから、そこが私たちの使命だと思っています。まだまだ新しい試みを積み重ねながら、良い建物に仕上げていきたい考えです」と北村所長は締めくくった。
 

工事進捗管理



 
 


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