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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

フィジビリティースタディーにおける企画BIM活用術 

株式会社 LIV建築計画研究所

建築企画BIM「TP-PLANNER」

株式会社 LIV建築計画研究所

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取締役 長塚 正美 氏

資本金:3,300万円
従業員数:大阪事務所 19名、東京事務所 25名
受賞歴:千葉県建築文化賞受賞「幕張ベイタウン・パティオス3番街」
   :松戸市景観優秀賞建築部門「パークホームズ松戸グランフォレスト」
   :豊中市都市デザイン賞 「エアフォルク利倉東」

1972年創業の株式会社 LIV建築計画研究所は東京銀座と大阪本町を拠点に設計・監理 建設マネージメント(PM・CM 等)活動を展開する。
設計の専門領域は、住宅系(個人住宅から超高層マンション)のみならず事務所、医療系など幅広く対応。
今回は長年培ってきた用地取得時のフィジビリティースタディーにおける企画BIM活用法を長塚正美取締役に解説して頂いた。


建築に対する考え方

LIV建築計画研究所は、1972年3月に大阪で活動を開始した。

設立当初より住宅を主に設計活動を続ける。
「住む人にいつまでも新鮮さと、古びてもなお美しさを感じさせる設計をどう取入れるか。住宅として奇をてらわない本格的なデザインが大切である。古き良き時代よりも守られてきた伝統でありながら、新しい感覚を後世に継承することが重要だと考えている」(勝呂会長談)

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設計業務の変遷

大阪で大手不動産会社のマンションや戸建て住宅の仕事で評価を得て1979年に東京進出、日本橋に東京事務所を開設。
当初2名で東京事務所はスタートする。
マンションやタウンハウスの設計監修(施主の要望を事業性と建築計画のバランスを取りながら設計者に伝えることを主たる目的とする業務)からスタートする。
次第に川上業務である用地取得時のフィジビリティースタディー業務もご用命いただけるようになる。

業務量に合わせ東京事務所のメンバーも増加、約20年前に現在の規模に達する。

平成26年には業務拡張のため、日本橋から銀座に移転した。

東京では、フィジビリティースタディーがメインで設計監修とマンションリフォーム計画の設計を行っている。


CAD利用の変遷

TP-PLANNERの導入は20年前。
それまで日差しメジャーを使い逆日影を手作業で行い他社日影ソフトで日影計算を行ってきたが TP-PLANNER導入後は、逆日影計算、日影図、天空図などを駆使し、より精密に検討し専有面積を短時間で効率的に確保できるようになった。

複数棟の計画の日影チェック、一団地申請で必要になる壁面日照計算などが容易になり、大規模事案にも有効に活用されている。

大規模企業が含み資産を大量放出した時期に土地の資産価値判定のために行うフィジビリティースタディーにも力を発揮し法規制チェックのソフトとしてなくてはならない存在になっている。

現在さらなる業務効率化と将来の設計の趨勢はBIM利用が当たり前になると判断し、TP-PLANNERの使用率向上のため推進チームを立ち上げたところだ。

近年フィジビリティースタディー時においても、より詳細な検討が要求されることが多い。
プレゼンも含めパース作成の要望もありTP-PLANNERを積極的に推進する方向で業務改善途上にある。


スタッフ教育

企画設計時に必須の形態制限の教育は、代表の豊田正彦による徹底した指導が行われる。
天空率は20年を超えるお付き合いのある(株)コミュニケーションシステムにも協力を頂き、定期的に勉強会を開催し最新情報を入手し研鑽している。

一方、長年の設計経験で培われたマーケット感覚の伝承も重要だ。
施主から信頼されコンサルタント的立場として評価して頂くためにはこれらの教育は欠かせない。


傾斜敷地における利用法


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過去物件をアレンジし都内某所傾斜地におけるTP-PLANNERの運用法を解説したい。
住居系用途地域で容積率300%、日影規制3/2時間、東京第2種高度地区で形態制限が厳しい。
さらに敷地内6mの高低差がある。
道路も高低差、幅員端部の異なりさらに段差もある(上図①)。

1.キープランを作成する
土地情報を入力後、最初にキープランを作成する。
そのことにより設計方針が明確になるとともに建物外形が限定され平均地盤計算、逆日影、逆斜線計算に有効に機能する(上図②)。

2.敷地内傾斜を再現する
コンターから地表面が作成される。
地表面とキープラン外形状から地盤面(この場合2地盤面)と日影計算の平均GLがそれぞれ算出される。
建築外形が変わった場合でも平均GL等の計算は瞬時に算出される(上図③④)

3.逆斜線計算を行う
第2種高度と道路斜線による逆斜線計算を行う。
道路斜線は天空率緩和が基本だが3方道路になることより令第132条による可能空間を事前に確認したい。
高度斜線は、全国の行政区への対応、さらに的確に法解釈され高さ制限空間が算出される。(上図⑤)。

4.逆日影チャートで設計意図を反映した逆日影計算を行う
逆日影チャートはキープランをガイドに時間幅と太陽高度で確定する日影可能空間を算出する。
日影チャートの社内教育がそのまま生かされる。
算出されたブロック図は形態制限による可能床面積が表示され土地の形態制限に対するポテンシャルがたちどころに確認される。
また建物変換による日影図で規制時間内に納まる精度も確認する(上図⑥⑦⑧)。

5.限界ライン等高線を参照しながらプラン作成
階高を設定しフロアごとに表示された等高線をガイドにプランニングを行う。
容積率、住戸数日影斜線断面図も確認される。(下図⑨⑩)

6.スパン割変更
スパン割りの変更は上下階を「串刺し」編集機能でプラン確定後でも容易に変更が可能となる。

7.天空率計算
天空率計算は、あらゆる土地情報に対応できることがありがたい。
Ver16ではさらに高速処理が実現されており本例のような複雑な敷地条件でも瞬時に適合建築物が作成される。
この事案では、東側NGは逆天空率により南側バルコニー部の右端の幅をカットすることにより解決した。
南側は令第132条3項の区域でNGとなり両サイドをカットすることが困難なため逆斜線等高線を参考に最上階をセットバックすることで解決した(下図⑪⑫⑬⑭)。

8.パースを作成する。
キープランから壁が自動発生し建具配置が容易に行える。
仮定断面機能で躯体を発生し点景を配置するとパースそして面積表が作成される。
全ての情報が連動され無駄にならない(下図⑮)。

9.独自の一環した作業手順の確立
企画設計時に基本設計情報をいかに盛り込めるか、さらに実施設計で数量が変わらないようにする流れが時代の要請としてある。
他ソフトとの連携も取りつつTP-PLANNERを核としたLIV建築計画研究所独自の一貫作業を模索中でもある。

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