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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

施工現場におけるCIM取り組みのハードルを下げる

五洋建設株式会社

CIM導入支援サービス

五洋建設株式会社

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技術研究所 担当部長 石田 仁 氏

所在地:東京都文京区
資本金:304億4,952万円
従業員数:2,441名(2015年3月31日現在)

五洋建設株式会社では、国土交通省が進めているCIMの本格化に備え、応用技術株式会社のCIM導入支援サービスを利用しながら、施工現場の支援体制を整備している。
現場の職員には、あくまでも施工の流れの中での3Dモデルやデータの利活用に集中してもらい、現場側の発想を生かせるような環境を優先し、できる限り負荷のかからないCIM運用を目指しているという。
技術研究所 土木技術開発部 石田仁氏に話を伺った。


施工業者は何に困っているか

設計業務に続き、施工段階におけるCIMの導入も進みつつあり、施工業者からもCIMの導入事例が数多く紹介いただけるようになりました。
このような中、多く聞こえてくる悩みは、社内で3D-CADを使いこなせる人がいない、あるいは少ないということです。

CIMが本格化すると、施工業者が工事を受注した時には、発注者から3Dモデルが貸与されることになります。
われわれは、その3Dモデルを参照しながら施工を行い、また、施工記録等をその3Dモデルに結び付け、竣工時には維持管理に利用可能な形式でデータ納品を行うという流れになります。

今後、施工業者が3D-CADをどの程度使っていくのか、という点については現段階では明確には言えないのですが、国土交通省の試行工事の成果、日建連、その他、各施工業者の取り組みから、いくつかのシーンが想定できます。

●近隣住民への施工内容の説明
●設計変更に関する発注者への説明
●隣接工区との取り合い部分の調整
●施工状況、計測結果を3Dモデル上で可視化し、施工状況を説明
●仮設計画時の配置計画、本体構造物や周辺の近接構造物との干渉や離隔の確認
●地下埋設物との干渉確認
●地形モデルによる出来形や出来高の確認
●他、現場内の打合せ等

このように、現場職員が日々こなしている仕事の中で、3Dモデルが有効に活用できます。
ですが、各々の現場の担当者にとっては3D-CADなど、使い慣れないツールを扱うことに対して抵抗感があるようです。
日々の施工の中で3Dモデルを活用するためには、まずはこういった抵抗感をなくしていく必要があります。



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施工中における3Dモデルの活用例(土量算出)


導入時の大変な時期を円滑に・立ち上げ期間短縮

現場ではまだ多くの方が自分で3Dモデルを作ったり、修正したりといった経験がないものと思います。
私も以前Autodesk 社のInfrastructure Design Suiteを初めて導入した時には、セミナー等で簡単な説明を受けてはいたのですが、周囲に経験者がいないことから、苦労した記憶があります。
このような中、間もなく実案件で使う必要が生じたため、ソフトウェアの購入元であった応用技術株式会社からCIM導入支援のサービスを受けました。

自社内にまだ経験者がいない状況で、このような多機能なソフトウェアをすぐに使い始めることができたというメリットは大きいと思います。
このInfrastructure Design Suiteには、多数のソフトウェアが含まれていますので、単純に3Dモデルを作るのではなく、用途あるいは部分ごとの使い分けも教えていただきました。
手順書の作成や、3D部品の作成をお願いしたこともありました。
最初はこのようなサービスを活用してCIMの導入を円滑に行い、慣れてきたら少しずつ自社内でやれることを増やしていく、という流れをたどっています。

現在は、担当者の手が足りないときや、一時的に作業のペースを上げたいときに効率の良い手順を教えていただいたり、作業の補助をしていただくなど、必要なときに必要な分だけサポートを受けています。


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応用技術(株)「CIM導入支援サービス」


自動的に図化処理する方法も

私は今、土木学会 土木情報学委員会のICT施工研究小委員会で、副小委員長を務めさせていただいていますが、その中に情報化施工WGというCIMの本格化を見据えた情報化施工について、理想形を議論する場を設けました。

現在、ブルドーザやモーターグレーダーのマシンガイダンスやマシンコントロール、振動ローラー等の締め固め管理、トータルステーションによる出来形測量が、建設現場に適用されています。
これらの情報化施工はGNSSやTSなどで位置情報を取得しますので、3Dの情報を持っています。
それを使うことによって、3Dモデル作成が容易になったり、3Dモデルに属性情報を自動的に付与したり、ということができないかと考えています。
このような情報化施工から受け継ぐことができる3Dデータを活用することを考えると、3D-CADを扱うメリットはさらに大きいと思います。

こういった計測データを扱う際には、3D-CADのマクロ機能を使うユーザーも多いと思いますが、CIM導入支援サービスの一環として、そういったマクロ作成等のサポートを受けたこともあります。


裾野の広がりとCIMの将来

全国で開催している土木学会のCIM講演会も今年度で3年目となり、徐々に具体的な内容を発信できるようになってきました。
今年度は、地方自治体様や地元の業者様の取り組みについても数多くご紹介することができ、大変うれしく思っています。
情報を発信する立場のわれわれも、皆様の取組みを聞かせていただく中で、モチベーションを高めることができました。

このような場での情報交換の効果もあると思うのですが、最近は自分の身の回りから3Dモデルを使ってみよう、と考える方が増えています。
その3Dモデルは、そのときに必要な部分だけを、必要な細かさで作成し、十分な効果が得られているようです。
私は施工会社に所属していますが、施工現場の人員は常に不足している状況です。
少ない人員でリアルタイムに業務を全てやり切らなければならないという面もあります。
ともするとCIMに取り組むような余分な時間は取れないと思いがちです。
ところが、先に述べたような目的に合わせた最低限の3Dモデルの活用例は、こういった施工のサイクルにも十分マッチしています。

こういった生きた事例を数多く重ね、施工業者、特に若手技術者の中に、将来(次の現場では、とか、自分が所長になったら)、CIMを通じ「こんな風に施工をしてやろう」という意志が芽生えて欲しいと思っています。




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