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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

とことん突き詰めた木造住宅BIM

有限会社 原忠

Vectorworks Architect

有限会社 原忠

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原口 広 氏

創業:1968年
所在地:福岡県田川市
事業内容:注文住宅新築および増改築、建築設計、店舗改装、社寺建築

福岡県田川市内を中心に活躍する地場の工務店を経営。
MiniCAD時代からのパワーユーザで、3D設計から各図面作成、積算、パースとVectorworksの小回りの効く操作性を武器に早い段階から施主とのイメージ共有を図り、設計業務の効率化につなげている。



コンピューターの導入

同じ年代の多くの設計者と同じように、製図板を使って手描きの図面を作っていた。
もちろん平面図から立断面図、展開図まで全てのものを手作業で行っていた。

その後CADの導入に至るのだが、いくつかのソフトを検討した結果Vectorworks(当時MiniCAD)を使うことに決めた。
当時からユーザが多かったJw_cadや他社の専用CADも選択肢に入っていたが、汎用CADの方がやりたいことをやれそうに感じたからだった。


当初の使い方

最近までVectorworksの使い方は2D図面の作成がメインで、手描きの時代と何ら変わらず、平面図・立面図・断面図・展開図・建具表と、全てを手作業で行っていた。
消し板もいらず、紙も手も汚れない作業環境はメリットであったが、コンピューターを導入したにも関わらず、手描きと同じようにマウスで線を描くことに疑問を持ったままの作業だった。

Vectorworksは嫌いではなかったが、CADが嫌いになりそうだった。
図面を描く前に「手描きの方が早いんじゃないか」と腕組みするようになってしまった。
投資してまで導入したのに、宝の持ち腐れだった。

今となっては2Dと3Dのハイブリッドで作業することは当たり前だが、Vectorworksを使い始めた頃に購入した書籍が2Dと3Dの別冊になっていたため、私の中で2Dと3Dが別のものとして刷り込まれてしまったからだろう。


BIMを試してみた

BIMを意識したのは2013年頃だった。
島根で開催された建築士会全国大会の事例発表がきっかけでハードルを越えられた気がする。

それまでも「これからはBIMかなぁ」という意識はあった。
当時実際に試したところ、単に図面を作成するだけではなく、もっと大きな広がりに発展する予感がした。
これが手描きの延長ではなく、コンピューターを使った設計なんだと実感することができた。

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1F平面詳細図


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矩計図


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階段詳細図


BIMの可能性を突き詰めた

ちょうどその頃にG-Houseプロジェクトが進んでいて、もともと3Dで始めたものであったが、途中から本格的なBIMにシフトしていった。
それまでも断面ビューポートを使って断面図を取り出していたが、足りない線や余計な線が出てしまい、それらを修正する作業があったため、切っただけでも図面として成立するようにモデルを作り込んでいった。


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G-House 外観写真


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G-House 内観写真


結果として、1/100のビューポートを1/50に変更するだけで詳細図として使えるまでになった。



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軸組パース


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俯瞰図パース(上)と断面図パース(下)


G-Houseでは基礎配筋のモデルまで作り、基礎業者との打ち合わせ前に鉄筋量を集計しておくことで、基礎業者の見積りと同程度のものが作れていることを確認できた。



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BIMモデルから必要な情報を取り出す


さらに、建物外皮部分のモデルを作成し方位などの情報を付け加えることで、各方位ごとの外皮面積を集計することができ、面積についてもスペース(部屋図形)から居室と非居室とで集計することができた。
これによって、情報の変更で集計表が変わり、設計変更に伴う作業フローが大きく改善した。


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延床面積表


他にもレコードフォーマットを多用し、部材の材料や品質を自由に登録することで、一覧表として設計や見積りに役立てることができた。
必要な情報を必要な時に割り当て、それらを集計できることはとても画期的な仕組みだ。



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外皮面積表


今や、VectorworksのBIMは作れば作るだけ応えてくれるツールになった。


Vectorworksとの未来

2Dから始まったVectorworksとの関係だが、今は完全にBIM移行できている。
BIMは設計することの楽しさを感じさせてくれるし、これまでの手間を格段に省いてくれるツールだと思う。
そして断面ビューポートがどれくらい正確にできているかを見るのが非常に楽しい。
今後は、BIM食わず嫌いの方たちにBIMの可能性を見せられるようにしたい。

私たちユーザ側で機能的にできないこともあるので、開発元には今後の製品開発に期待したい。
また、ユーザ同士の情報交換を活発にできると、BIMの世界がより多くの設計者に広がると期待している。




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