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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

どんな形状のフレームも自由自在木造構造物一貫計算ソフトの効用

株式会社木構堂

木造構造物一貫計算ソフト ASTIM

会社概要株式会社木構堂


代表 渡邉 須美樹 氏
所在地:岐阜県美濃加茂市
主な業務内容:木質構造の設計

平成5年から木造構造物の構造設計に携わってきた(株)木構堂では、ASTIM導入前は面倒な構造計算をすべて手計算で行っていた。2007年の建築基準法改正後、構造計算が厳格化され対応の限界を感じたという。デモを経てASTIMの導入を決定。同ソフトの導入の経緯やその効果について渡邉社長に話を伺った。

稀有な木造構造設計実務者

当社は平成5年から木質構造物(以下、木造)の構造設計に携わってきました。木造の構造設計実務者は稀有であることは自分でも十分認識していますが、では、なぜ稀有なのか、そのことについて少し触れたいと思います。

第一に、ひと言に木造の構造設計と言っても確認申請時に一般住宅では壁量計算、3階建て住宅は許容応力度計算、大規模木造は施行令46条2項ルートの許容応力度計算と、計算の方法・考え方が変わってしまいます。

鉄筋コンクリート造・鉄骨造も建物規模によって計算ルートが変わりますが、基本的に建物をモデル化し応力解析を行い、その応力に対して断面算定をするという計算方法はどの計算ルートを使っても不変のものなのです。しかし、木造では上記のように方法・考え方が計算ルートにより変わってくるため、「木造の計算はわからん」となってしまうのです。

第二に、今でこそ各ソフトメーカーがいろいろな計算ソフトを販売していますが、今から20年前は木造の計算ソフトは皆無でした。そもそも木造で構造計算が必要な建物が少なく(木造住宅は壁量計算でOKなため)ソフトメーカーも開発をしていませんでした。私自身も当初はExcel等で計算表を作り、任意形状応力解析ソフトを使い応力を計算しその応力を自分で拾い出し断面算定をしました。もちろん層間変形角・剛性率は解析ソフトの変位図から計算します。偏心率にいたっては、各フレームの変位からD値を計算してから偏心率を算出するという具合にすべて手計算でした。これでは誰も木造の構造設計を仕事にしようなんて思いません。

第三に、少し前まで木造の構造設計に必要なマニュアル・規準書が不足していました。日本建築学会『木質構造設計規準・同解説』、日本建築センター『大断面木造建築物設計施工マニュアル』、日本住宅・木材技術センター『3階建て木造住宅の構造設計と防火設計の手引き』など数冊しかなかったのです。このような状況でしたから、確認申請に計算書を添付した際、審査側から「どこの書籍に計算方法等の記載がありますか?」という質問を随分受けました。

そんな状況下から、木造の構造設計者は稀有な存在になってしまいました。
そして、さらなる試練が襲いかかったのです。それは、2007年の建築基準法の改正でした。

ASTIM導入

当社はASCALを2008年に導入しました。その頃になると日本住宅・木材技術センターの「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」に準拠した一連計算ソフトは開発されていたので当社も導入していました。

しかし、大規模木造建築物は相変わらず手計算のままでした。そして、構造計算の厳格化が始まりモデル化の方法・考え方、応力解析と断面算定の応力整合性等が厳しく問われるようになってきた時、はっきり言って対応の限界を感じました。

そんな折、知人からASCALの存在を聞きアークデータ研究所にデモを見に行って、そのデモの途中で導入を決めました。

理由は、解析フレームの形状を問わないこと、値段が他の一連ソフトよりリーズナブルなこと、そして何よりも木造の構造計算で入力から断面算定まで一連で計算ができるということでした。
ASCAL導入後、壁量計算等木造用の機能拡張が行われ、ASCALは木造用構造計算プログラムASTIMとして販売しています。


(左)建物グラフィック
(右)3D骨組み

(左)解析モデル
(右)2階平面


実際に使ってみて

はじめに感じたことは、まず、本当にどんな形状のフレームでも入力可能であるということに驚きました。木造の場合、他構造と違い柱本数が多かったり、平面・立面的な隅や出っ張りがあったりするのですが、通り・中間層の入力を工夫すればどのようなフレームにも対応可能なのです。
第二に木造の計算では接合部が基本的に「ピン接合」であるためラーメンフレームを形成する時に柱梁接合部に方杖を配置します。その時筋かいを配置する要領で簡単に操作ができることに感心しまた。

第三に柱梁部材の入力は他のソフトも基本的にCAD入力と同じように配置画面を見ながらの操作ですが、屋根面・壁面も同様にフレーム図を確認しながら入力し荷重の設定等も同じようにできるので、とても使いやすいと感じました。第四にフレームが複雑になると入力するのに時間がかかるのでは?と考えていましたが、思っていたよりスピーディーに入力できることも魅力でした。
導入当初は、建物形状の整形なものを入力して計算結果を出し、既往の手計算結果と比較してプログラムのクセや入力方法による違いを認識する作業から始めました。数件物件をこなしたところで手計算と違いなく計算できることを確認できたので、どんどん複雑な形状の入力を試みるようになっていきました。

今では鉄骨造建物の計算にも使用するようになり、以前ならフレームのモデルについて審査側とのやり取りに設計者のイメージを伝えたりするのが大変でしたが、図面通りのフレームが構成でき応力解析もしているので余分な説明にかける時間が省けてとても満足しています。
ある時、鉄骨造で実際審査機関から、2階建て柱の中間に下屋の小梁が斜めに取りついてくるフレームがあり、その小梁がモデリングされていないと指摘されました。他社のプログラムを使っていれば「それは二次部材であり柱への影響は少ないと」とコメントするところでしたが、ASTIMでは指摘されたとおりに小梁を配置し再計算して、ことなく済ませることができました。

今後に期待すること

今まで書いてきたように本当に使い勝手の良いプログラムであることは間違いないと思いますが、欠点もない訳ではありません。少し今後の期待を込めて、その辺りのところを要望したいと思います。
第一にASTIMはもともとRC造や鉄骨造の構造計算のために開発されたプログラムです。その機能を使い木造でも計算できるようになっていますが、一番始めにも書いたように木造は他構造と考え方が違うところがありますので、その辺りの追加・開発を期待するところです。

第二にCAD等の連携がさらに良くなるとよいと思います。CADで描いたフレームがそのままフレーム入力できるような、CADとの相互互換がDXFやJWW形式で自由にできるとありがたいです。

第三にマニュアルを充実させて欲しいです。ホームページにQ&A集等もありますが、もう少し事例を増やし解説も理解しやすくする必要があると思うのです。第四にサポートのスピードを上げて欲しいと考えます。同業他社では大体その日の質問はその日に回答が来るので、もう少しスピーディーな対応をお願いしたいところです。

終わりに

私は、プログラムというツールは一度購入すればそれでOKというものではなく、使用する側と開発する側が常に情報を共有し「痒いところに手が届く」お互いそんな関係になれることを期待しています。ASTIM自体もまだまだ発展途上と考えています。私の知り得た情報を流すことによりさらに洗練されたツールになることを期待しています。

そして、私も構造設計者として責任ある構造を世に提案できるようにASTIMとともにさらなる成長をしていきたいと思っています。




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