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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

原価管理システムでコスト意識も利益率も高く

三陽建設株式会社

~業務改革に威力を発揮するツール~

建築・土木工事原価管理システム「BEStPRO-原価」


会社概要 三陽建設株式会社
設立:1954年4月
資本金:8,000万円
本社:滋賀県甲賀市甲賀町田堵野890ー1
従業員:59人(2011年4月)
主な事業内容:建築・土木の施工及び不動産


大石彰氏、藤岡雅人氏現場ごとに予想利益の算出や請求決裁に手間と時間を取られていた三陽建設(株)。現場からの要望もあり、業務改革を目指して工事原価管理システムを導入した同社の大石彰社長とシステム管理部の藤岡雅人氏に、導入の経緯や効果、そしてこれから工事原価管理システムを導入する企業へのアドバイスについて話を伺った。

左から 代表取締役社長 大石 彰 氏
システム管理部 藤岡 雅人 氏

Q.社内システムの概要について教えてください

三陽建設株式会社 2000年から全社員に会社からパソコンを配布し、ほぼ同時期にグループウェアを導入しました。2007年より電子ワークフローを、2009年よりセールスフォースを導入し、業務のIT化をさらに進めています。現場ごとにインターネット接続環境を構築し、「会社と同じ環境を現場でも」をモットーに現場を支援しています。
 経理システムはPCA会計、営業・勤怠情報各種申請は、SYUPROSです。見積システムはコア・システムデザインのBEStPRO-UX、工事原価管理システムも同社製のBEStPRO-原価を採用しています。2007年度より積算データは全てBEStPRO-UXで作成し実行予算作成までの効率が格段に向上しました。

Q.工事原価管理システム導入のキッカケ・背景についてお聞かせください

現場から次のような要望が顕在化してきました。
①現場からでも社内と同じように仕事ができるようにしたい
②書類が多くなり抜本的な改善が必要になってきた
③同じ内容を何度も入力することがないようにしたい
④現場担当者が社内の業務に振り回されず、現場に集中できるような体制を取りたい
 そして工事原価管理システムの導入を検討することになりました。

Q.工事原価管理システム導入前の状況について教えてください

 全社的な、予想利益を集計するために時間がかかっていました。発注依頼書の作成をExcelに入力して紙で回覧し、決済をしていたり、発注した明細を事務員が実行予算明細と照合し消し込んでいました。それまでは請求書の決済に多くの時間を費やしていました。

Q.工事原価管理システム(ソフト)選定時の条件は何だったのでしょうか?

主な条件は
①建築部・土木部・住宅部のすべての部門で運用できること
②工事の大小に関わらずすべての工事で利用できること
③全社的な集計を一括で行えること
④実行予算の明細レベル管理ができること
⑤社内振替のデータを会計側から連携して取得できること
⑥ユーザーごとに権限が設定できること
⑦データの内容を担当でない者が見ることができないようにしたい
などでした。

Q.BEStPRO-原価の優れている点はどんなところでしょうか?

 製造元が積算ソフトメーカーであるため見積ソフトとの連携が非常にスムーズです。その他にも、実行予算作成時に明細の活用がしやすい。ユーザー毎に権限が設定できる。予想利益が管理できるなどの特徴があります。
 BEStPRO-UXを利用し見積明細から実行予算内訳書への振り分けが非常に有効です。汎用データベースを利用しているためデータの加工も非常に簡単です。

三陽建設株式会社三陽建設株式会社三陽建設株式会社
出来高査定(契約)         原価台帳明細          実行予算編集機能画面

Q.システム導入後の効果や感想をお聞かせください

 回覧の電子化は非常に高い効果を得られました。現在の承認状況が簡単に分かりますし、遠方から書類を届ける必要もなくなりました。利益予測は、現時点での出来高実績だけでなく、予想利益が入力できるので、全社的な利益の予想にブレがなくなります。
 データを連携することで経理の伝票入力作業がなくなり、金額等の間違いがなくなりました。
 月次報告書作成のほか、中間・完了報告会議の資料も容易に作成できるようになりました。社員の意識改革も進み、利益率向上に貢献しています。

Q.システム導入後の現状について教えてください

 導入から5年が経過し、全社員が操作等は問題なくできるようになり、活用の段階に入っています。
 発注データは毎日更新されますし、工事の収支データも月内に正確な数字になり、かなりのスピードアップが図れました。月次報告を申請する際に、写真を添付することで収支の状況と同時に現場の視覚的な状況も分かるようになり、判断の幅が広がりました。
 BEStPRO-原価を見れば、数値のことはわかる安心感があり、統一したフォーマットのため工事ごとの比較や評価が一定になりました。現場担当だけでなく、部門長や役員も月末のストレスがかなり軽減されました。
 活用の段階に入り、「BEStPRO-原価」のデータをクラウドサービスのセールスフォースと連携し、お客様情報から工事情報をたどり、どの協力業者へ発注したのかまでを瞬時に検索できるようになりました。
 お客様の対応をスピーディーに行うことができ、アフターサービスの満足度も高まってきているのではないかと思います。これもデータが正確かつ体系的に登録されているからだと思います。

Q.今後の展望についてお聞かせください

 お客様と何世代も付き合うのが建設業だと思います。社内の世代交代、お客様の世代交代を経ても変わらぬ関係であり続けるためには、過去のデータの蓄積が非常に重要になってきます。BEStPRO-原価のデータは、その核となるシステムです。全社員がスピーディーにお客様の情報を共有できる仕組みを作っていきたいと思います。
 また、お客様や取引業者と電子的なやり取りをしていきたいと思っています。まだ紙でのやり取りが多いので、いずれ企業ポータルを作り、迅速で綿密な情報共有をWeb上でできるようになれば、と考えています。BEStPRO-原価というしっかりとした基幹システムがあるので、肉付けしていくだけで、理想とするシステムができあがるものと確信しています。

Q.今後、工事原価管理システムを構築する企業にアドバイスをお願いします

 カスタマイズは最低限にして、業務の流れを原価管理システムに合わせていくことが良いと思います。パッケージソフトを導入することで、運用後の不具合を最小限にできます。
 システムの運用段階に入ったら、例外を作らないようにすることが成功の秘訣です。BEStPRO-原価の導入は、「会社全体の効率化だけでなく、業務の改革に威力を発揮するツールであった」というのが5年使った感想です。




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