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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

手戻りを恐れるな!土木CADだからできた計画段階での活用と3次元化

株式会社 復建技術コンサルタント

土木系3次元汎用CAD「V-nasClair(ヴィーナスクレア)」


会社概要 株式会社復建技術コンサルタント
所在地:宮城県仙台市
資本金:1億3千万円
従業員数:250名(技術職員数:220名)


橋田明良部長、有馬義二課長(株)復建技術コンサルタントは、多岐にわたった分野で東北地方を中心に建設マネジメント力を発揮する総合建設コンサルタント。2011年に新設された保全部の部長である橋田取締役と、同じく保全部の有馬課長に話を伺った。

左から、保全部 橋田 明良 部長、有馬 義二 課長 

 復建技術コンサルタントでは、これまで二度、CAD導入において大きな転機があった。一度目は、1997年。それまで使っていたCADを[V-nas](開発元:川田テクノシステム)にリプレイスした。そして二度目は、2011年。その[V-nas]を、V-nasの上位製品で3次元に対応した[V-nasClair]にアップグレードした時だ。
 こうした行動の背景には、その裏付けとなる思想に基づいた強力な推進力があった。

土木CADの優位性に感動

 1997年、復建技術コンサルタントが初めて[V-nas]を導入した理由としては、クロソイド曲線の対応など、当時はまだ珍しかった土木専用機能が搭載されたCADであったこと。そして、そうした機能が全員で使える価格帯、コストパフォーマンスの良さだ。
 「特定の人しか使いこなせないのでは意味がない。全員で使えてこそ意義があります」(橋田部長)
 復建技術コンサルタントでは、社内標準CADを[V-nas]に統一し、V-nasをプラットフォームに平面計画も線形計算も全てCADで行うようになった。
 2008年6月に発生した岩手・宮城内陸地震の際は、短い区間でカーブの非常に多い林道の設計業務が発生したが、V-nasシリーズの道路設計CAD[V-ROAD]を使用し、線形変更があってもすぐに縦横断に反映できるなど、変更による手戻りを気にせず業務を遂行できた。「あの時は非常に助かりました」

手戻りを恐れるな

 特に砂防・防災部では、ボーリングと踏査の結果を合わせて地質分布を把握する際、3次元モデルを作り、それを設計にも反映するケースが多い。同部の溝口裕也設計室長は「点の情報が面の情報になり、視覚的に理解しやすい効果だけでなく、数量把握など業務効率の手段としても活用するケースが多くなった」と手応えを口にする。
 九州で進行中の調査業務では、河川堤防にどのような損傷があり、どんな対策を講じる必要があるかを景観イメージも含めて3次元で地元に説明している。別の地域では河川の氾濫を解析する際に3次元モデルをつくり、実際に氾濫した場合の状況も3次元の動画で紹介した。このように3次元による可視化が不可欠の業務は増えている。
 河川樋管の劣化対策では、実際に中に入れない状況もあり、補修管の設置状況を3次元モデルで確認する。天然ダムの影響評価に活用した事例もある。樹木の堆積を3次元モデルに置き換え、そこからのCO2排出量を張り出す調査も実施中だ。推進役の一員でもある砂防・防災部設計室の皆川洋氏は「予備設計や概略設計も含めてより川上の段階では、活用する機会が一段と増えている」と強調する。

CADは計画で使えてこそ有効

 橋田部長の思想は、「CADを計画検討 ツールとして設計者全員が使う」こと。
 「CADを導入した当初は、普及率こそ高かったものの、計画や設計の終わったものをインキングトレースの代わりに使うといった状態でした。現在は計画段階(設計の上流)からCADを使い、その結果として図面を含む諸々の成果物が出てくるという姿にほぼ到達していると思います」
 そしてさらに、その計画検討を3次元で実施することが、土木設計の本来のあるべき姿であると語る。
 「もともとV-nasシリーズは2.5次元的な考え方のもとに開発されており、設計者の頭は既に2.5次元的に動いていました」

3次元CADへの移行を決断

 そうは言っても、3次元CADを計画に活用していこうという動きはまだまだだった。今まで3次元と言えばビジュアルな表現力がものを言うプレゼンツールとしての用途が主流で、土木設計の上流工程で活用するには機能面、価格面での高いハードルがあった。
 「しかし、我々がこの厳しい建設業界において生き残っていくためには、3次元化に早急に着手しなければいけないといった危機感がありました。そこで、3次元CADの導入を検討していましたが、高額であったので、費用的に可能な範囲でライセンス数を限定して始めようかと考えていました」
 そこに、[V-nasClair]がリリースされた。地形と線形データをベースに、道路やトンネル、橋梁といった土木構造物を配置していくといった3次元的発想を、ようやく実用化するレベルにきたといえる。

コストパフォーマンスが決め手に

 また、[V-nasClair]は3次元CADを大量に調達する上で有利なコストパフォーマンスで、橋田部長の「CADを計画検討ツールとして“設計者全員”が使う」という思想に応えた。さらに、これまで使っていた[V-nas]の操作性が継承されていたことも最終的な決め手となり、結果、2011年12月に、2次元汎用CAD[V-nas]のライセンス98本全てを3次元汎用CAD[V-nasClair]にアップグレードするに至った。

今後に寄せる期待

 「もちろん、[V-nasClair]の現状機能は、先行する機械系や建築系の3次元CADに比べると、追いつかない点が多々あります。ただ、我々が求めているのは多機能ではなく『設計の効率化』です。ビジュアルな表現力を高めることが主目的ではない。機械設計とは異なり、自然地形と大きな構造物を相手にする『土木』の世界ならではの3次元設計へのアプローチが必要となるわけですが、土木CAD[V-nas]であれば、そういった課題の認識がスピーディーであり、『計画設計や実施設計を効率化する』といった我々のニーズが機能に反映されやすいという期待感があります。メーカーとともに、より良い設計ツールに成長させていけるのではないでしょうか」
 さらに橋田部長はこう続ける。
 「いくら手戻りしてもいい。変更に即座に対応できることで、[V-nasClair]で完結できるようになっていけばいいですね。2次元の図面を起こしていけば、3次元モデルが作れる。一方で、デザイナーとして形(モデル)を直感的に起こしながら、簡単に手直しの利く融通性がある、そんなCADに成長して欲しいです」
 3次元CAD[V-nasClair]の将来に期待は膨らむ。

カスタマイズを活性化する、 コミュニティも

 [V-nasClair]は、3次元機能に加えて、ユーザーが独自コマンドを作成できるスクリプト言語機能を搭載する。2次元、3次元にこだわらず、プログラミング言語として自動製図的な作図効率化や立体モデルの作成、配置検討などの計画効率化を狙うなど、ユーザーのアイディア次第でさまざまな可能性がある。
 「多彩なサンプルプログラムが提供されることを期待しています。こういう機能が欲しいといった声を吸い上げるユーザー会や、3次元のサンプル図集の充実、それを共有するコミュニティサイトなど、共に解決策を模索できる環境が提供されることも期待します」(有馬課長)

[V-nasClair]は、土木系CAD[V-nas]の機能・操作性を踏襲しつつ、「3次元設計」と「ユーザーカスタマイズ」機能を付加し、「設計技術者」の自由な発想と効率アップを支援するCADである。

●3次元設計
3次元設計3次元設計

3次元ラインからポリゴン(3次元の面データ)を自動かつ高速に作成し、ワイヤーフレームまたは面として表示が行える。3次元の現況地形データや計画データのモデル化が可能。

●ユーザーカスタマイズ
V-nasClairV-nasClairV-nasClair

スクリプト言語によるプログラミング作図が可能。設計者自らがCADコマンドを作成でき、くりかえし作業の省力化や自動化が図れる。


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