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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

1ヶ月かかっていたハイレベルな企画提案がBIMにより、わずか1週間で

ビム・アーキテクツ

Autodesk Revit Architecture/Autodesk 3ds Max/Autodesk Navisworks


会社概要 ビム・アーキテクツ
所在地:東京都目黒区
設立:2008年7月
事業内容:建築設計及び監理業務、コンサルティング業務、BIMサポート、BIM教育事業、ソフトウェアの開発、販売


代表取締役_山際東氏 「今回のプロポーザルへの参加は、BIMによる初めての提案でありチャレンジでした。残念ながら1次審査敗退となりましたが、スケッチや模型を作らず、短時間で品質の高い設計をBIMで実現できるという手応えを感じました。アイデアを素早く的確に表現できるRevitは、言葉を超える情報共有ツールと感じています。小規模事務所でも、Revitを活用して数日で提案書が作れる時代がきたのです」と山際氏は語る。

代表取締役 山際 東 氏 

より短時間で、よりクオリティの高い企画提案を

 建築家にとってコンペへの挑戦は、仕事を獲得する手段の一つであり、自分の力を試し提案力向上を図る上でも重要な意義がある。だが、大きなコンペは参加するだけで時間とコストがかかり、小規模事務所にとってはハードルが高い。実際、公募プロポーザル等の一次審査では、参加者の多くが提案書作りにコストや時間を割くことができず、ビジュアルもスケッチや平面図にシンプルな模型写真を載せる程度だ。だが、BIMを活用し、ハンデを克服した事務所もある。Autodesk Revit ArchitectureとBIMのエキスパート、山際東氏が率いるビム・アーキテクツ社だ。
 上に紹介したビジュアルは、ある地方都市の駅前約1万m2の大空間のデザインや機能、運営方法を提案するため同社がRevitを駆使して作ったもの。3D CGで美しく仕上げた敷地に風速分布等の緻密なシミュレーションによる企画コンセプトを描き、細部までデザインされた計画施設や風速分布結果も高品位CGで美しく印象的に表現され、通常なら制作に1カ月はかかるグレードの高い提案だ。

駅前広場整備設計プロポーザル案
「駅前広場整備設計プロポーザル」のBiM ARCHITECTS案

 「この時は着手可能な時間が限られていましたが、2〜3人で設計からモデル作成、CGパース、DTPまで徹夜せず3日で完遂しました。たとえ設計の隣にパース屋がいる事務所でも、このレベルの提案を3日でまとめられる所は少ないでしょう。BIMを使えば、当社のような小規模事務所が短時間で高品質に仕上げられるのです」
 山際氏はそう言って笑う。従来こうしたプレゼン資料作りは敷地の模型作りから始まった。設計者はスケッチしつつあれこれ考え、スタディ模型を作りスタディを進めていた。しかし、この従来式では模型作りだけで学生バイト2〜3人を雇い1週間はかかる。スタディ模型作りでさらに1週間。トータル1カ月は必要だが、山際氏らは道路標示も入れた高精度モデルを2日で仕上げたのだ。ポイントは模型代わりにRevitで作った敷地モデルだ。
 「Revitデータを3ds Maxで、模型的スケール感でレンダリングしました。模型が必要なのは適切なスケール感と情報量のためですから、レンダリングで表現すれば模型と同じシンプルなボリューム感で設計検討できます。プラン完成後は添景等を加え提案書作りに継続的に使え、設計と表現作業で無駄なく再利用できます。スタディ模型もRevitの中で行えます。もちろんスタッフと同時に複数案考え、各案の良い所を組み合わせたりもします。ワークセット機能で部分的検討も共同作業できるし、最新モデルをDXFデータで書き出せば外部風環境も解析でき、都度モデルに情報を加えれば設計品質も向上します。全てRevitとBIMモデル中心に進めれば、効率的に高品質を実現できるのです」


Autodesk Revit ArchitectureAutodesk 3ds Max

“図面を描く仕事”から真に“建物を決める仕事”へ

 ビム・アーキテクツは今年設立4年目を迎える一級建築士事務所。設計事務所としての歴史は浅いが、既に国内外のBIMコンテストで優勝や入賞を重ね、日本初の国土交通省BIM案件「新宿労働総合庁舎」にも梓設計とともにBIM担当技術者として参加するなど、BIMエキスパートとして幅広く活躍している。BIM設計を主体にBIMによる他社支援業務も多数手がけ、そこで蓄積したノウハウをフィードバックしながら、BIM導入コンサルティングや教育事業も展開中だ。
 「当初はやはり他社のBIM展開支援やBIM導入コンサル業務が多かったのですが、自分たちで直接BIM案件に取り組む機会も増えてきました。しかも今回のプロポーザルのように、従来1ヶ月かかった作業を5日で仕上げるなど時間や質の問題も改善され、RevitによるBIM運用も検証から実践段階へ進みつつあると感じます」
 だが、同時に山際氏は日本のBIMの現状に一抹の不安も感じている。高品質なビジュアルが速く作れることばかり注目され、“BIMイコール3次元”で完結しがちだと言うのである。
 「BIMからInformationの“I”が落ちて“BM”になってしまっているようで、普及の方向が心配なんです。実際、Build Live Tokyo 等でも情報共有の話はあまり出ないし……。本来BIMは“建築の情報化”にこそ意味があるんですが」
 つまりBIMモデルを介し、企画から実施設計、施工、維持管理まで多彩な建築情報を渡せることこそBIMの一番のメリットであり、達成すべき目標なのだ。そして、その方向を目指すことで“設計者にできること”も広がり、より大きな責任を負ってビジネスを拡げていけると考えている。
 「設計者の図面は、図形情報と文字情報(仕様など)が整合されてないため、その意図通り施行者に情報が伝わらないことが少なくありません。そのためBIMによるプロジェクト全体での見直しが必要だと考えたのです。BIMで全体を見渡せば、どこに力を入れ・どこを抜くべきか、またどこでどの情報を生かすべきかも分かるのです」
 ただし、それには当然、設計者が仕事のやり方を見直し、設計者としての意識を根本的に変える必要がある。今の設計者の多くは“図面を描くこと”を仕事としているが、BIMの世界では、それを真に“建物を決める仕事”に生かしていかなければならないのである。
 「Revitで設計すると、私は頭の中に最初から3Dモデルが構築されます。そのモデルの横にリアルタイムで面積や仕上情報を確認しながら設計する感覚で、建物を決め込んでいく。図面はモデルから切り出す情報の一つに過ぎません。こうして“建物を決める”仕事なら自然に設計者の責任範囲は広がるはず。私たちが生産設計図(施工図)まで造り、設計料を5%から15%に引き上げられる可能性も十分あるのです!」


3ds Maxで造った結果をRevitに戻して作業全体デザインの調和を図りながら個々の意匠を検討


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