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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

事故を減らす・なくすことは企業の社会的責任

株式会社 安部日鋼工業

〜リスクマネジメントを確実に運用するために〜

労働安全衛生総合管理システム「Saviour」


会社概要 株式会社安部日鋼工業
所在地:岐阜県岐阜市
資本金:3億円
従業員数:513名
売上高:約263億(平成23年6月期)
主な事業:プレストレストコンクリートによる橋梁・タンク・建築部材の設計製作施工など


古川幸司氏「企業規模が大きければ、人・物・金が潤沢だ。大企業なら安全対策は比較的容易なはず」という声が聞かれることは珍しくない。しかし、安全対策にかかる手間は、企業規模が大きくなればなるほど社会的関係もあって、逆に複雑に重層的になっていく。安全レベルの高度化追求は、企業規模に関係なく永遠に続くものなのだろう。その一例となる、PC橋梁施工ではトップレベルの安部日鋼工業が取り組む災害防止・安全について聞いた。

技術工務本部副本部長 古川 幸司 氏

COHSMS取得で安全に拍車

安部日鋼工業岐阜本社
(株)安部日鋼工業 岐阜本社

 安部日鋼工業は岐阜市に拠点を置き、全国に支店・営業所を配するプレストレストコンクリート橋梁工事、タンク、建築部材の設計製作施工を主な事業として、高度の技術を持つ企業として有名だ。同社盒脅卍垢蓮PC建設業協会の理事でもある。全国で年間300を超える工事と、200人の現場責任者をかかえ、いかに安全のレベルを高維持するか。また、その事業の特殊性からして、労働災害との日夜の苦闘があるという。
 同社は2011年7月に、建設業労働災害防止協会が進める労働安全衛生マネジメントシステム(COHSMS)の認定証の交付を受けた。認定作業に中心的に携わってきたのは、同社執行役員で技術工務本部副本部長の古川氏である。COHSMSを運用していくに当たって、同社が導入している労働安全衛生総合管理システム「Saviourセーバー((株)コンピュータシステム研究所)」の存在はなくてはならない、と古川氏は評価する。
 同社は橋梁工事で高所作業などの危険度の高い作業が多いことから、早い段階から社長直下の安全衛生室を設置し、施工現場におけるリスクアセスメントをはじめとした安全対策、安全教育を講じてきたという。同社は長年にわたって、表計算ソフトにリスクアセスメント・ヒヤリハット事例・安全作業手順などのデータベースを構築し、現場に配布してきた。しかし、データ量が膨大となり、検索性や共有性がままならなかったという。現場から上がってくる各種情報も整理に手間がかかり、再配布など適時更新性にも問題があった。「安全」を形骸化させないためにも、この問題を解決させ小回りの利く運用システムが必要との認識があった。

■的確なリスクアセスメントを実行
土木積算システムATLUS
 土木積算システム「ATLUS」シリーズの積算データを利用することで、危険有害要因をスピーディーに特定でき、作業の手間を大幅に削減することが可能。

Saviour 125 クライアント導入を決定

 そんな折、同社がSaviourと出会ったのは、2年前の地元岐阜で開催された建設関連団体での講習会であった。講習会終了後、システム開発の担当を呼んでデモを見たが、「おもしろいソフトだが、一工夫足りない」と感じたという。その時には導入には踏み切らなかったが、Saviourの新バージョンが出たとのことで再度デモを見た。各種情報の関連が「使えるレベルに変わった」と思ったが、問題は、リスクアセスメントのための基本データや、ヒヤリハット事例など、搭載されているデータの種類だった。橋梁施工は、作業が特殊なものが多い。それが不足していたのだ。「これでは話にならない」と古川氏は思ったという。「活用できる」ではなく、「おもしろい」という程度では、安全のレベルは維持できない、という判断だった。
 その後、システム開発会社との調整で、同社手持ちのデータの移植と、システム開発会社によるデータの増強が決まり、導入に踏み切った。導入は段階的に進めた。まず、各支店に一台ずつ。稼働の可能性を探りながらだった。数ヶ月の仮運用を進め、現場から一定の評価が出た段階で、支店および現場へ本格導入を決めた。2011年12月時点では、現場責任者のほぼ6割に当たる125クライアントを導入している。

マネジメントシステムは人間の知恵で

 「着工前のリスクアセスメントは、現場がイメージできる人にしかできない。その意味で、現場経験が多い人ほど、アセスメント精度は高いが、それでも個人差は出てしまう」、と古川氏は語る。「だからこそ、データベースの共有化をスムーズにすることによって、安全対策のレベルを向上させていくのだ」とも。
 コンピュータが安全を進めてくれるわけでも、考えてくれるわけでもない。会社総体で築き上げ、集約された経験知を、現場に敷衍させていくのは人間の知恵だけなのだという。リスクマネジメントは人の手で、ということだ。
 「その経験知を整理し、見やすくし、再活用できるようにしてくれているのがSaviourなのです。現場は忙しい。安全に関わる情報の整理手間を、大幅に減らすことができた。本社への情報集約も早くなった」
 さらに「橋梁施工は確かに、一般的には特殊作業といわれ、危険度の高い作業が多いけれど、作業工種自体は一般の土木工事に比べてそれほど多くないのではないか。だから、『慣れ』が潜む要素もあるといえる。悪しき慣れは、安全意識へ反映される。自分の現場だけしか見ていなければこの落とし穴に落ちやすい。Saviourは過去の事例や、他地域での情報などを取り出すことができるがゆえに、自分自身の慣れに陥りにくいかもしれない」という。
 橋梁工事は施工途中も、完成構造物も外から丸見えだ。だから、環境や安全対策がおろそかであればすぐに分かってしまいやすい。「安全も、品質も、環境もと、気が抜けない工事が多い」と。
 全国に施工現場を持つ同社にとって、安全を高度に維持し続けることは決して容易ではない。気候風土も大きく異なり、山岳地帯や強風の海浜地帯など、作業環境も様相を大きく異にする。関連会社との調整も重要だ。作業現場内での日常の安全教育も日々刷新していかなくてはならない。Saviourのヒヤリハット事例集は、イラストと短いコメントからなっている。イラストは、安全のポイントが一目でわかる。記憶にも残りやすいという利点がある。現場の教育資料として欠かせないものとなっているという。

Saviourは特許技術搭載

 同システムは、土木積算データとリスクアセスメント情報の連動による技術で特許取得している。安全管理は、リスクアセスメントから始まるものだ。そのアセスメント作業の手間を積算データ連動させることによって大幅に軽減し、漏れを少なくし、いち早く対策を講じることができるようにした。アセスメント後は、法令、ヒヤリハット事例、作業手順書への連携も行える。データベース活用ソフトともいえるものだが、積算データからの豊富な情報連動は、その域を超えて「支援システム」と呼ぶにふさわしい。「中小企業は、そもそもリスクアセスメント作業自体が難しい。Saviourと労働安全コンサルタントとの連携をうまく行えば、各社のレベルに合ったものに構築できるはずだ」と古川氏。
 同社COHSMS運用の中心者でもある古川氏は、「当社の行動規範は、品質安全の遵守から始まります。マネジメントシステムの重要な位置づけとしてSaviourを 今後も継続的に改善しながら使っていく」と話す。

■作業計画と日常管理
作業計画と日常管理作業計画と日常管理
作業期間におけるリスク分析と計画を実現し、日常管理として、その日の作業に特化したリスク確認やKY活動を支援。

■安全管理資料をデータベース化
安全管理資料をデータベース化安全管理資料をデータベース化
災害・ヒヤリハット事例・安全作業手順・安全衛生規則・安全管理ポイント・法規制マスタ・安全衛生法令早見表等の安全管理資料をデータベース化しており、社内外の教育資料として活用が可能。


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