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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

砂防えん堤のマスタープラン策定に有効な計画ツール

財団法人 砂防・地すべり技術センター

砂防えん堤計画・設計・製図「V-SABO」シリーズ


会社概要  財団法人 砂防・地すべり技術センター
所在地:東京都千代田区

近藤 玲次 氏 (財)砂防・地すべり技術センターは、砂防、地すべり対策、がけ崩れ対策などに関する調査・研究および技術開発を行うことによって砂防技術の発展に貢献するとともに、新技術・新工法を活用するための技術マニュアルの策定や講演会、報告会の開催を通じて、それらの技術を広く民間コンサルタントなどへ普及する活動に携わる財団法人。企画部企画情報課の近藤氏に話を伺った。

財団法人 砂防・地すべり技術センター 企画部 企画情報課 近藤 玲次 氏

より精度の高いマスタープランを策定したい

 −技術の普及を目指す財団法人という立場において、砂防えん堤の計画・設計・図化を行うソフトウェアを導入したきっかけは何でしょうか?
 2009年の山口県での豪雨災害がきっかけとなりました。この災害を機に、一帯の土石流対策を計画する必要が生じました。基本的に当センターでは詳細設計は行いませんが、災害対策のため限られた時間でマスタープランを作成する必要があります。マスタープランは概略設計レベルですが、近年では高い精度を求められるようになり、限られた時間で仕上げるにはかなりの労力を必要とします。山口の際の対応も手作業で対応し相当な労力が必要でした。高い精度に対応しタイムリーな成果をあげるには、何らかのシステム化が必要だと考えていたとき、「V-SABO」との出会いがあり、2010年3月の導入となりました。
 同センターで導入したのは、砂防えん堤の配置計画を行う「V-SABO/Plan」、本体の安定計算から袖、水叩きまで一連で計算する「砂防えん堤設計計算」、自動製図・数量計算を行う「V-SABO/Draw」の3ソフト(開発元:川田テクノシステム)であった。特に、配置計画を行う「V-SABO/Plan」が、マスタープラン策定という重要な使命においての貢献度が非常に高いとの判断であった。

−災害発生時には現地調査を行うことはあるのでしょうか?
 多くの土砂災害に関わってきた経験を活かし、大規模な豪雨、地震が発生した場合においては、独自での調査や国土交通省の緊急点検※の支援を行い、災害対策のマスタープランの検討などその後の対応の支援を行っています。
 渓流の勾配と川幅などの実際のデータをもとにどれくらいの土砂がたまるのか、といった数量算出は、最近ではよりシビアに求められるようになりました。マスタープランの策定は建設コンサルタントに出される仕様の元となり、重要な役割を担っていますので、この段階で精度の高いプランを出せれば、後々の段階で手戻りが少なくなると言えます。
 ※2008年4月25日、国土交通大臣を会長とする「国土交通省防災会議」が開催され、緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の創設が決まった。


CADの活用状況と効果

−そうした業務環境の中で、「V-SABO/Plan」はどのように活用できそうでしょうか?
 実際に「V-SABO」を使った事例としては、配置計画の検討に利用した例があります。マスタープランが策定され、施設配置が進行中である流域において、災害発生危険度や保全対象の重要性を考慮し、30年以内くらいで優先して整備する渓流を選定する作業です。
 マスタープランでは、対象となる流域と大まかな土砂量に基づく配置計画であるため、具体的実施計画に移る際に細部を見直すことはよくあります。
 こうした側面で、現況地形データを基にえん堤の配置計画から整備率を求める、「V-SABO/Plan」のようなシステムを利用する機会は増えるという。
 広域に複数のえん堤を配置しての施設効果の検討を行う場合に厄介なのは、土砂量の出し方が特殊といいますか、網目状に広がり合流していく流域において、上流から下流に伝播していく土砂の動きを把握するのに手間がかかることです。
 「V-SABO/Plan」ではそうした複数渓流における複数えん堤による効果の計算、例えば上流側えん堤の流出量を考慮した下流側えん堤の能力計画が効率的に行えるよう工夫されているようですので、大いに活用したいと思います。基本計画のデータを詳細計画、設計時に再利用できるでしょう。



■砂防えん堤計画CAD「V-SABO/Plan」の主な機能

砂防えん堤計画CAD「V-SABO/Plan」の主な機能

えん堤整備率計算書を簡単に出力できる。着目えん堤より上流側にあるえん堤効果量や入力した既設効果量を考慮可能。
えん堤整備率計算書を簡単に出力できる。
着目えん堤より上流側にあるえん堤効果量や入力した既設効果量を考慮可能。

砂防のことならなんでもおまかせ

 砂防に関することであれば、あらゆる情報を提供し、あらゆる要望に応えていきたいと語る近藤氏に、3Dビューの利用や今後の期待について聞いてみた。
 計画、設計という観点からは従来はなかったが、今後景観を考慮する意味では利用場面が出てくるかもしれません。観光地など景観を重視する場合の多自然化において、えん堤の質感なども表現できると用途が広がるでしょう。3次元化については、作業効率は上がると思いますが、現時点では国なり県なりに3次元CADの利用を積極的に提案するまでには至っていません。
 当センターは砂防に関する先進技術提案を行うことも使命の1つであり、砂防に関してはどんな問い合わせにも対応していきたいと思っています。センターでのさまざまなシステム開発成果に、「V-SABO」のような優れた民間技術の評価も含めて研究していきたいと思います。それら関連するシステムやデータが有機的に利活用できるようなシームレスな連携環境の構築を民間のソフトベンダーとも協力して進められればいいですね。
 また、「V-SABO」についても当センター固有の利用方法に合わせた改良など、是非とも協力をお願いします。我々もユーザーとして「V-SABO」の改善、発展に協力できるでしょう。




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