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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

ASCALを用いて自由に構造をデザインする

株式会社 エストルクトゥーラ
〜繋がる整合性、広がる可能性〜

ASCAL任意形状一貫構造計算プログラム


会社概要 株式会社 エストルクトゥーラ
所在地:東京都新宿区
資本金:800万円
従業員数:15名
主な業務内容:
・建築、土木および構造物の企画、設計および監理
・建築、土木および構造物の材料、構造および施工法の開発、研究 ほか

取締役 関口 隆太郎 氏 耐震偽装事件をきっかけに、2007年に改正された建築基準法による適合性判定制度がスタートした。主に構造設計を手がける(株)エストルクトゥーラではそれまで一般的な構造計算ソフトを使用していたが、連続傾床において解析モデルと実状の建築物の形状が異なってしまうため、適合性判定機関から指摘を受けてしまったとのこと。同社では打開策として一貫構造計算を行う大臣認定プログラム「ASCAL」を導入した。

取締役 関口 隆太郎 氏

ASCAL 導入の理由について

ASCAL任意形状一貫構造計算プログラム 当社では一般的な架構の建築物の他、最下階から最上階まで、すべての床がつながっている連続傾床という構造の構造設計を行っております。
 構造設計を行っている方なら皆さんが経験されていることと思いますが、建築基準法の改正に伴い2007年から「構造計算適合性判定」が実施されたことによって、それ以前では考えられないくらいの厳密な設計と計算が求められるようになりました。特に適合性判定制度がスタートした直後はそれが異常なほどで、どんなシンプルな架構形状の建物でさえ確認を下すまでの労力は大変なものでした。  以前は上記の連続傾床式の構造計算も一般的な構造計算ソフトでは床が複数の階にまたがっている状態を入力することができないため、スラブが一周する範囲を1層とし、階ごとに床を切り離したモデルにするなどして計算を行っていたのですが、どうしても解析モデルと実状の建築物の形状が違ってしまいます。
 もちろん適合性判定機関から実状と解析モデルの形状が違うため指摘を受けます。追加説明書として重要と思われるフレームを抜き出して別途任意形状のフレーム解析プログラムでの解析や断面の検討などを行うことになるのですが、別途計算を行うフレームに設定する外力その他の設定等の数値は一貫計算を行った計算結果から数値を抜き出して入力を行うので、転記ミスがないようにチェックする時間も労力も必要となります。
 従来のソフトでは、この問題を解決することは不可能だと考え、当社の一部のスタッフが使用していた「ASCAL」に注目しました。
 このソフトの最大の特長は、一般的なグリッド形式の設計・構造計算ソフトでは不可能だった傾斜フレームや中折れフレームなどの建物形状も扱えること。
 グリッドの制約がないので、軸を任意に定義できて、どのような形状の建物でも自由に入力することができます。特に、架構認識に中間階、傾斜床という概念があるので、比較的に階の設定が難しい1階から最上階まで床がつながった状態の自走式駐車場を設計する場合には適しています(それと、コストパフォーマンスが大変に良いので… )。そこで連続傾床式の場合にASCAL を導入することに決定しました。
 ASCAL を導入することに決まっても、新しいプログラムを使うことになるので慣れるまでに時間がかかることなど、それなりに覚悟は必要でした。ただ、その時は半ば強制的に(適判対策のため)やらなければならない状況ではありました。


ASCAL を使ってみて

 やはり今まで慣れ親しんで使っていた一般の構造計算ソフトと入力方法や計算条件の設定など、作業する画面が違うので最初のうちは違和感がありました(もちろん想定していましたが…)。
 ASCALを導入するきっかけとなった中間層や傾斜床を入力して解析を行う場合、剛床の考え方を解析モデルに設定することや、解析結果として水平部材に発生する軸力、部材のねじれ等の一般の構造計算ソフトでは考えることが少なかったことがとても重要なことになります。解析の内容については、中間層がある場合のAi分布の計算方法や重心,剛心の計算方法など、構造設計者としましてはその内容をしっかりと把握しておく必要があります。
 架構入力や計算条件の設定に影響しますし、適合性判定機関からASCALの計算内容についての質疑に回答することもあります。


ASCAL任意形状一貫構造計算プログラムASCAL任意形状一貫構造計算プログラム

今後の展開について

ASCAL任意形状一貫構造計算プログラム 連続傾床タイプの建物の構造設計に限らず、立面的に複雑な形状の建築物を設計するうえでは非常に役立っています。一般の構造計算ソフトでは入力できないような架構の場合でもASCALでは架構をほとんど実状のままの形状で入力できますので、モデル化を考える時間が減ったことと、応力図等の出力ではその形状の出力がされますので、無理なモデル化をした計算書に比べて説得力もありますし、一連計算を補正する別途計算も必要ありません。
 たとえば、右のようなフレームは、任意形状のフレーム解析プログラムでは特に難しい形状ではありませんが、中間階がある場合、ブレースの架構が上下で分かれる場合、階の中間に解析節点が必要な場合など、一連計算プログラムで、1階建てとして扱うことは難しいと思います。ASCALでは1階建てとして計算できるので非常に役に立っております。また、以下の層が上方向に繋がって何階建てかになった場合も同様です。
 現在当社は、ASCALのライセンスを4つ使用しており、ASCALを使える人数も増えてきました。入力方法や解析の内容等、分からないことがあればマニュアルを見たりサポートセンターに質問する前に、ASCALを使う他の人にちょっと聞いて解決できることも増えてきています。
 ようやく当社がASCALを使う環境も整いつつあり、今後もますますASCALを活用させていただきたいと思っています。






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