建て方計画の精度向上による工程遅延問題の解消と鉄骨積算によるコスト削減
建て方計画の精度を向上し、工程遅延問題を解消
現場では、建て方のシミュレーションをするための鉄骨モデルが詳細化されていないことにより、工程遅延が発生するケースがあるという。
仕口や附帯鉄骨が含まれていない鉄骨モデルからは正確な重量が算出できないため、適切な揚重機が選定できず、その結果、揚重機の追加変更に伴う工程遅延や追加コストが発生することがある。
また、鉄骨モデルが製品単位になっていないと、クレーン位置や、鉄骨据え付け手順の検討精度が低くなり、やはり工程遅延の原因となることがある。
Revit鉄骨モデル詳細化ツール「FAST ZERO for Revit」で作成した鉄骨モデルでは、正確な鉄骨重量、製品形状の把握が可能となる。
さらに、このモデルはコベルコ建機株式会社のクレーンシミュレーションソフト「K-D2 PLANNER」と の連携ができ、これによって、正確な揚重機の選定、またクレーン配置やクレーン姿勢、鉄骨の据え付け順の検討をより現実に近い条件でシミュレーションすることが可能となる。
このように、鉄骨詳細モデルを建て方計画に活用することで、工程遅延やコスト増を未然に防ぐことができる。
BIMを活用した鉄骨積算でコスト削減
近年、材料や電気代、ガス代などの高騰に伴って鉄骨製品の価格も高騰している。
その中で、大手ゼネコンのみならず中堅ゼネコン、地場ゼネコンにおいて、自社で鉄骨積算をして、コスト削減につなげたいという要望が増えている。
鉄骨製品の購買では、基本的に複数のファブリケーターに相見積りを取って価格、条件などを比較し発注先の選定を行う。
その際に、附帯鉄骨や仮設、ボルトなどの詳細な部分は、見積り先にまかせるケースが多くあるという。
上記のような詳細部分を含むBIMモデルを早期に作成し、材質や重量、溶接箇所などを把握することで、ゼネコン独自で詳細な鉄骨積算が可能となる。
その資料は、発注先との交渉材料として使われ、その結果、大きなコスト削減につながる。
Revit鉄骨モデル詳細化ツール「FAST ZERO for Revit」では、鉄骨専用CADとRevitの構造モデルをダイレクトに連携し、鉄骨専用CAD上で効率よく詳細化したモデルを、Revit上に構築できる。
その鉄骨詳細モデルが鉄骨積算に活用されている。
同ソフトウエアユーザーから話を聞くと、設計時の数量検討や協力会社取り決め時の数量確認に使用することで年間300t程度のコスト削減効果があったという。
このように、早期に実施する鉄骨構造BIMモデルの詳細化は、鉄骨積算で活用することで、大きなコスト削減効果が期待できる。
共同作業型鉄骨専用CAD「FAST ZERO」の概要
鉄骨専用CAD「FAST ZERO」は、図面現寸の連動性、自動作図された図面品質で高い評価を得た「FAST Hybrid」の後継ソフトで、多くのファブリケーターや図面作成会社で活用されている。
特に大型の物流倉庫や超高層ビルなどの大規模物件で効果を発揮する。
大規模物件の入力時間を大幅に短縮するため、複数人による共同作業ができるコラボモードを標準装備した。
鉄骨モデル詳細化ツール「FAST ZERO for Revit」双方向連携
双方向連携では、Revit⇒FAST ZERO連携でFAST上に構築された鉄骨詳細モデルを、Revitのネーティブデータとして生成する。
Revitのネーティブデータは柱や梁の形鋼はファミリで生成し、接合部はDirect Shapeで生成する。
この連携を連続的に行うリアルタイム連携と、FABや図面作成会社が作成した鉄骨詳細モデルをバッチ的に一括生成する方法がある。
この双方向連携により、鉄骨詳細モデルが早期にRevit上に構築できる。
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