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すけるTON for Revitを使ったBIM活用
成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

プラントエンジニアリングの土建設計における、
すけるTON for Revitを使ったBIM活用

三菱化工機株式会社

すけるTON for Revit

 
MKK 土建設計若手BIMチームの皆さん
三菱化工機株式会社
所在地:神奈川県川崎市
設立:1935年5月
資本金:39億5,697万5,000円
従業員数:944名
主な事業内容:各種プラント・環境設備および各種単体機械等の設計、製作、据付、販売
https://www.kakoki.co.jp/


MKK土建設計若手BIMチームの皆さん  

 
三菱化工機株式会社プラント設計部土建設計課では、2023年現在少数精鋭でBIMどう活用していくか、模索している。
各種プラントに計画される構造物の初期検討時からBIMを活用しているのであるが、エンジニアリングに関わる諸情報の早期把握や干渉問題等を未然に回避することで二度手間や修正作業削減の合理化につながるものと信じて邁進中とのこと。
かなりの効果を確信しているという同課の主幹である武内祐二氏に語っていただいた。
 
 

3D活用の取り組み経緯

三菱化工機(MKK)の3D活用実績

プラントエンジニアリングを行っている当部門では、世の中が3DだBIMだと盛り上がるかなり以前の2000年頃より、配管設計(配置設計)部門にて3D CADを用いた業務構築を行い活用してきた歴史があります。
しかしながら当方が所属する土建設計部門では従来の2D主体のまま実務を継続してきた経緯があり、配管設計にてまとめられる主となる3Dモデルの作り込みと、土建設計図のまとまり状況と情報共有化を行える時期と精度について、互いの作業進捗の違いから情報共有がかみ合わないという問題が常に内在しておりました。
この問題を起因とし、具体的には後付けでの干渉回避作業や、構造見直し問題など、設計作業の出戻りや二度手間につながる調整が多々発生してしまうことが多々あり、要改善事項として認識してまいりました。
 

土建設計での3D取り組み

これまでも、Tekla Structuresの前身となるX-Steel時代からの鉄骨3DCAD導 入 やSketchupの3D活用模索、Real4を用いた鉄骨モデルのフロントローディングなどもトライアルして来た経緯はありますが、各々ソフトの目指している本来の機能と、当社の目的としている使用用途が今ひとつフィットせず、なかなか実施案件での定常的な利用には至らず、実際の運用上どうしたらよいものかと悩んでおりました。
 
 

土建設計でのBIM推進

Revitの導入と活用

建築業界でもBIM活用が重視される時代に移行してきた中で、BIMの主流となるRevitを用いた土建設計業務への活用を数年前より模索してきました。
その中で、かなりの速度と精度で建築物や各種構造物の計画が進められること、同時にBIMの主目的ともいえるInformationの部分の活用が非常に有用なこと、副産物として3Dモデルが同時並行で即時に確認および他部門と共有化出来て、合理的に調整業務が進められることが分かってきました。
 

過去実績時での問題点整理

直近に終えた実施案件での社内他部門との3Dモデル調整時に発生していた干渉調整などの問題点および、最近になってちょうど検討を進めていた23年前の当社実績を用いたコピープラント検討時の当時の3Dモデルを点検していて、どうやら同じような問題が内在していることに気付きました(図-1)。

それは建築図(特に構造図)特有の2次元に落とし込んだ模式的図面表現に起因する、建築技術者以外の技術者が理解しづらい部分の干渉問題(端的に言うと、ブレース端部ガセットプレートや剛接合部廻りの突出情報など)でした(図-2)。
 
干渉回避目的であらかじめの調整は行うのですが、携わる関係者が増えるごとにそれら調整内容は忘れ去られる傾向にあるのが常です。
そこで干渉回避させたい部分を見える化させることで、うまく他部門技術者間の調整やあらかじめの干渉回避運用が可能と考えました。

図-1
図-1
図-2 よくある干渉ケース 直近実績
図-2 よくある干渉ケース 直近実績

 

すけるTON for Revitとの出会い

Revitで簡易&快速で作成した初歩モデルの活用方法模索と、ガセットプレート廻りの自動作成が可能である機
能を有していることを切り口に、それらに特化したソフトを探している際に、すけるTON for Revitの存在を知り、トライアル利用での操作性の良さと二次部材の入力のしやすさが確認できたことや、費用面も鑑みて当部門の求める機能を有していることが分かり、導入を決定しました(図-3)。
 
当初はRevit⇒すけるTONでの作業を計画していましたが、すけるTON単体からの架構入力も行いやすく、作業時間的には合理的なので状況に合わせて適宜取捨選択する運用を心掛けています。
 
副産物的にはすけるTONの帳票機能での基礎モデル構築と基礎・土工事廻りの数量算出も併行して行えるので積算作業の効率化につながっています。
 
さらに副産物的に良かったのが、SS7入力モデルを「*.stb」ファイルを介し活用しての、すけるTON化と最終的にRevitモデルにまとめた上での活用です。
その後の部門間集約3Dモデルでの干渉チェックはNavis Works Manageにて行い最終調整しています(図-4)。
 
まだまだ活用方法と実際の運用についてはトライ・アンド・エラーにより日々模索している最中ではありますが、カルテック様のサポートも早く、実際の利用に寄り添った対応をしてくれて、おおむね満足しながらさらに業務効率化を進められております。

図-3 すけるTON習作時に割りと簡単にできる
図-3 すけるTON習作時に割りと簡単にできる
図-4 初期計画モデル段階で、すぐにプレート入り3Dが出せる
図-4 初期計画モデル段階で、
すぐにプレート入り3Dが出せる

 
 

将来への展望

BIM能力向上と標準化

どの組織でも同様でしょうが、BIM利用を課員全員での利用を標準化させることで、飛躍的に作業が効率化すると考えております。
 
そのためには弛まぬ努力と、ソフトが有している機能の活用を常に模索していこうと思います。


最終更新日:2024-05-07




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