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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

KAPシステムの有効性と未来像

株式会社永井製作所

建築専用鉄骨CAD「KAPシステム」

 

株式会社永井製作所
所在地:熊本県宇城市
設立:1957年
資本金:8,000万円
従業員数:313名(2022年11月時点)
主な事業内容:金属製品製造業
https://nagai-steel.co.jp

 
株式会社永井製作所は、1957年の創業以来、高品質な製品を製造するため自己変革を繰り返しながら技術とサービスの向上に取り組んできた。
鉄骨製造業は、近年の経済の影響を受け、次世代への成長の道筋が見えにくい状況に置かれているが、これまでの経験やノウハウを存分に生かしながら、業界の変革者として立脚し、多くの視点、広い視野、高い視座の3つの観点から“鉄骨のあり方”を真剣に考え、KAPシステムの有効性と未来像についてデータ運用を起点において活動、挑戦を続けている。
 
 

KAPシステムの有効性

KAPシステムとは、“完全なオブジェクトを簡易的に作成でき、製品属性データを適切な因果関係で構成できるソフトウエア”と考えています。
 
弊社ではKAPシステム(Linux版)を2016年に34台導入しました。
作図や現寸だけではなくさまざまなデータ運用の元データとして利用をしています。
KAPシステムを利用しているユーザーのほとんどは成果物を図面や帳票としていますが、弊社ではKAPシステムが所持しているデータ、つまりテキストで表される意図や因果関係や形状を生成するロジックをデータベースの一つとして捉えており、あらゆる属性と親子関係に注目し製造の軸となる基本データベースとして整えた後に他のデータベースに工程ごとのリレーション(関連付け)を行うことでKAPシステムの入力値だけでは表現できない製造(施工)データとしての運用を可能にします。
 
KAPシステムは汎用的な入力、一つの形状成型に対し複数パターンの入力手法でアプローチを可能としています。
図面として出すだけであればどんな手法でも形状成型可能だといえることが最大の強みだと思いますが、現寸連動や内部データの製造(施工)運用を考慮するのであれば繊細な構築過程(手法)の管理を必要とします。
 
一つのモデルを複数人で入力した場合、管理の質によりデータの質、構築時間に大きく左右します。
弊社ではWEBツールを利用し物件(入力)情報、作業進捗を細分化し、入力手法なども瞬時に意見交換できるようにコミュニケーションツールを利用して入力、モデル構築を行っています。
KAP端末自体の扱い方にも弊社独自の取り組みを行っています。
 
KAP
 
受注物件ごと(1モデル1端末)にKAP端末を振り分けます。
オペレーターは自身が操作する個別のKAP端末を使用し、遠隔操作にて各物件専用端末に対し構築作業を行います。
これにより長時間かかるモデリングの効率化と複数人による同時並行入力を可能にしています。
常にKAPシステムの更新、改善修正を行うため、物件ごとに端末を分けていれば、デバッグ作業も物件単位で効率よく行うことができます。
 
現在KAPシステムによるモデリング作業はSRID部で行っていますが、KAPシステムを使用するという意味合いにおいては各部署で必要な範囲内を取捨選択して使用しています。
 
・営業部⇒積算、見積り、清算
・製造部⇒工程計画、出荷計画
・設計部⇒施工図、切板発注、加工図
・工事部⇒建方計画、ボルト発注
 
直接KAPを利用している部分以外にも秘密保持の関係上詳しく書くことができませんが、直接製造以外の分野についてもKAPシステムのデータを転用しているため、社内外でのさまざまな場面で貢献しています。
 
弊社がここ数年でデータ運用に関しレベルアップできたことは、KAPシステムを通して、ソフトウエアベンダーとして日本ファブテック株式会社から真摯にご対応いただいたおかげであり、有効性で言えば、簡易的な入力で完全なオブジェクト、多数の適切な製品属性データを作成できるKAPシステムは“唯一の建築専用鉄骨CAD”だと考えています。
 
 

KAPシステムと未来

2016年からKAPシステムを導入して、現在、6年が経過致しました。
導入時に形状成型に関してできない部分も多かったKAPシステムですが、問い合わせによる日本ファブテック株式会社の対応力(開発力)のおかげでモデル構築上の困難部分も今は簡易的に成型できるようになりました。
 
実寸法師(株式会社タイワ)との連携も継続的に連携強化を繰り返していて、作図・現寸作業の効率化につながっています。
 
弊社が導入しているKAPシステム(Linux版)のハードウエアは2022年2月をもってハード保守を終了いたしました。
弊社は運用をする上でKAPシステムの機能の一つである“マウント機能”という端末間をリモート操作できる機能を駆使しています。
次世代機のKAPシステム(Windows版)には“マウント機能”がなく、運用方法の転換を考えていましたが、現在、KAPシステム(Windows版)で“マウント機能”を搭載するための開発が進んでいるそうです。
これまで、日本ファブテック株式会社との協議の中で不可能と思われた機能を搭載してもらえることがかなえば、弊社も運用方法を大きく変えることなく、さらなるデータを用いた製造業という将来像への邁進することができるため、大いに期待を膨らませているところです。
 

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さいごに

鉄骨ファブリケータはアナログ作業的なイメージが強いですが、近年では加工機もデジタル化が進み、加工機に付随する操作パネルに対して手入力を行うことはなく、上位データから加工機に直接送れる機種が主流になっています。
社内環境も数年で大きく変わり、紙文化からの脱却を始めています。
時代の変化とともにあらゆる情報を人が瞬時に簡単に手に入れることができて、情報を利用する人の思考も多様化に至り、さまざまなデータを利用したシステムが作られています。
アナログ作業は極限までシステム置換により削減され“人が認知(理解)できるモノの価値<システムが認知(理解)できるモノの価値”へ変わりつつあると実感しています。
 
製造DX(デジタル変革)を企業の質にあったもので行うためには、基幹となるシステムを汎用的でデータ構成(中身)が適切でないと役に立ちません。
それを成すためには上位データ部分から、いかに簡易的で、いかに正確な整理された構成データなのかが「鍵」になります。
 
今後はさらにKAPシステムの可能性を追求し続け、業界全体に貢献できるような仕組み作り、データソリューションを行えればと考えています。
 
 


最終更新日:2023-06-21




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