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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

快測Scanで検証 LiDARによる点群計測で3次元データの活用がもっと身近に

株式会社桑原組

快測Scan

快測Scan

株式会社桑原組
所在地:滋賀県高島市設立:1964年7月 資本金:9,800万円
事業内容:総合建設業(建築・土木・舗装工事等)、建設資材製造販売業

工事次長 中川 氏、技術主任補佐 近藤 氏、総務部次長 谷 氏


2022年10月に建設システムがリリースした「快測Scan 」は、LiDAR搭載のiPad Proで動作する多点計測技術対応アプリだ。
国土交通省では、2022年度より小規模土工などの一部工種の出来形管理で、モバイル端末搭載のLiDARによる3次元計測を認可している。
この新たな3次元計測技術の有効性を確認するため、株式会社桑原組にて、現場を想定した体験会を実施した。
LiDARを利用した3次元計測技術は、ICT普及促進の一躍を担う技術となりえるのか、現場目線による感想を伺った。
 
 

実稼働に向け現場を想定した検証を実施

「3次元は誰にとっても分かりやすい」そう語るのは、滋賀県高島市に本社を構える株式会社桑原組工事次長の中川氏だ。
 
同社では、地上型レーザースキャナー(以下、TLS)とUAVにより、3次元測量が行える環境を早くから整え、実践している。
そうした中、国土交通省で2022年度よりモバイル端末搭載のLiDARで、出来形管理が行えるようになったことを知り、快測Scan 開発元の建設システムと、共同で現場を想定した体験会を実施した。
 
快測Scanは、iPad ProのLiDARを利用した多点計測技術対応アプリで、国土交通省「3次元計測技術を用いた出来形管理要領(案)」に準拠している。
桑原組では、既に他社の無償アプリで、LiDARによる点群取得は行っており、取得した点群で形状の共有や簡易的な長さ確認などの用途で利用している。
そのため、 LiDAR計測の手軽さについては理解しているものの、出来形計測での利用となると、精度や利用条件、さらには実際の現場での利用頻度など、実稼働に向けて検証の機会が必要であった。
 
快測Scanの特長は、QRにより標定点を認識し、点群座標を自動で公共座標化できることだ。
そこで、現場を想定した盛土を準備し、実機で検証を兼ねた体験会を実施した。
検証を行った盛土は、おおむね15×20mの大きさで、盛土を囲うように標定点を4点、検証点を2点、「快測ScanメタルQRセット」を利用し検証を行った。
 

QRプレートで標定点の中心点を自動認識
QRプレートで標定点の中心点を自動認識
計測状況
計測状況

 
 

モバイル端末上で取得した点群の精度も確認

快測Scanの操作は、技術主任補佐の近藤氏が担当。
近藤氏によると、難しい操作はなく、問題なく計測できたとのことだ。
また、無償アプリは海外製のものが多く、日本製であることも安心感を与えてくれたという。
ただ、連続スキャンの場合、どうしても意識がiPadに集中するため、足元を取られないか心配になったとの声も聞かれた。
とはいえ、計測自体は至って順調に進み、スキャン開始からおおむね10 分程度で点群を取得できた。
また、公共座標変換後の座標較差をアプリ上で確認できることが快測 Scanのもう一つの特長として挙げられる。
これにより、現場にいながら精度確認を行えるため、効率よく測量業務を行うことが可能なのだ。
今回は、あいにく天候が崩れ、雨天の中の計測となってしまったものの、点群を計測することができ、TLSやUAVでは計測不能な雨や風などの天候に大きく左右されるものではないことが分かった。
 
座標変換画面
座標変換画面

 
 

出来形以外の使い道についても意見交換

検証後の意見交換の場では、「UAVは飛行条件を満たせるか周辺の環境を気にしなくてはならないが、それがないのが良い」といった意見や、「簡易側溝の出来形などで使えたらうれしい。
レベルを出したりする手間が省ける」といった意見が挙がった。
また、LiDAR計測や快測Scanについて、出来形計測以外の利用範囲についても話が膨らむ。
従来、埋設調査や想定外の地中埋設物が出たときなど、現場状況の共有で何かの記録を残したいときは、「写真」か「動画」で対応してきたが、これに「点群」という新たな選択肢が増えることで、計測可能なデータとして利用価値が高いといった意見も出た。
iPad Proの手軽さと利便性、また3次元だからこそ叶うデータの活用性で、点群データの新しい使い道が生まれそうだ。
 
快測Scan で計測した点群
快測Scan で計測した点群

 
桑原組では、TLSとUAVを所有しているが、運用できている技術者はそれぞれ 4名ほどで、全技術者が点群データの恩恵を受けているわけではない。
とりわけ TLSは、非常に高価であるため、取り扱いに注意が必要だ。
一方のUAVは、最近では比較的安価で購入可能となったが、スキルとともに、飛行可能な環境でないとそもそも飛行させることはできない。
このように、一般的に利用されている点群計測技術でも、限られた範囲でしか利用がされていないのが現状だ。
誰もが点群の有効性は感じているものの、手軽に点群を取得できないでいた。
iPad Pr oという身近なモバイル端末で点群が取得できる、さらには出来形計測が行えることで、実際に現場で使いながら、今まで想定していなかった使い方が発見できるのではないか。
出来形管理において、 2022 年度の要領(案)で規定されている工種は、ICT土工(1,000㎥未満)・床掘工・小規模土工・法面工といった一部の工種に限られている。
中川氏からは、法面整形は良いと思うが、構造物工で活用できれば、使い勝手が増えるとの意見もあった。
市販のモバイル端末に搭載されているLiDARの有効照射距離は5mといわれているため、対応工種が限定されているが、水路や側溝などの小型構造物も対象となれば、さらに多くの現場で、手軽な3次元計測技術として、利用される機会が増えるだろう。
 
 

最終更新日:2023-03-20




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