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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

スタートアップに最適な一貫構造計算プログラム

soaps一級建築士事務所

任意形状一貫構造計算プログラム「ASCAL/ASTIM」

小山内 博樹 氏菅田 祐子 氏

soaps一級建築士事務所
所在地:東京都港区
設立:2020年10月
従業員数:2名
主な事業内容:建築構造設計監理、研究開発
 
 

代表                 代表              
小山内 博樹 氏            菅田 祐子 氏         

 

小山内博樹氏と2020年に所属していた構造設計事務所から独立した菅田祐子氏は、共同でsoaps一級建築士事務所を設立した。
独立する以前から構造計算プログラム「ASCAL/ASTIM」を利用し続けている。
構造設計事務所にとって構造計算プログラムは業務の主幹プログラムと言える。
数多くのプログラムが各メーカーから提供される中で、なぜASCAL/ASTIMを使い続けているのか、その強みや今後構造計算プログラムに期待することなどを語っていただいた。

 
 

スタートアップに最適な一貫構造計算プログラム

 
ASCAL/ASTIMとの出会い
ASCALを始めて知ったのは、私(小山内)が最初に勤務した構造設計事務所で、壁式RC造とRC造の立面混構造の計画について検討している時でした。
他の一貫構造計算プログラムではできない形状の建築物が設計できるすごいプログラムだと感じ、いつか使ってみたいと思っていました。
 
実際に利用し始めたのは、構造計算書偽造問題後で建築基準法改正前後の2006~2007年頃からです。
当時手伝っていた構造設計事務所(structured environment)では、それまで複雑な形状の建築物は任意形状解析プログラムを用いていましたが、ASCALは一貫構造計算プログラムでありながら、複雑な形状をおおむねそのまま解析することが可能で、壁式RC造にも対応できることから、大部分のプロジェクトにASCALが導入されました。
 
その後、メーカーと共同開発された木構造設計の機能(ASCAL木造→MK木造→ASTIMと変遷)により、木造ラーメン構造だけでなく在来軸組工法も設計できるようになりました。
 
以前、確認審査機関では取り扱ったことがないソフトは審査に時間がかかる、他社の一貫構造計算プログラムでやり直してほしいなどと言われてきましたが、
 
2016年に大臣認定プログラムとなったことでそういった問題はなくなりました。
 
 
設計事務所を設立して
私たちは2020年に独立したのですが、軌道に乗るまではできるだけ初期費用を抑えたいと考えていました。
 
一般的に構造設計事務所を始める際に準備する構造計算プログラムで、RC・壁式RC・S・木造を個別に購入する場合は、数百万の資金が必要となりますが、ステップアップレンタルという月々定額のシステムを利用すると1カ月当たり数万円程度の費用でRC・壁式RC・S・木造の全てを導入することができました。
ライセンスが一つでもモデルの入力から荷重計算・応力計算までは並行して何人でも作業できるという点も助かっています。
これから独立を考えている人には、ステップアップレンタルの検討をお勧めします。
 
独立後のプロジェクトは、杭-上部構造一体モデルの鉄骨造(図-1)、スキップフロアの木造在来軸組工法、ルート3壁式RC造一部S造、1階壁式RC造+2、3階木造(一部S造)、伝統的木造遊具などさまざまですが、全てASCAL/ASTIMで検討を行っています。

杭-上部一体モデル
図-1 杭-上部一体モデル



 

なぜASCALなのか

 
自由な形状・BIMソフトウエアとの連携
構造設計者としては他により優れたプログラムがあり、それを使うことでより自由な設計ができるのであれば、いつでも乗り換えたいと考えています。
 
その中でASCALを利用する最大の理由は、入力できる建築物の形状に対する制約が少ないということです。
最近では他社のプログラムも複雑な形状が解析できるものが増えていますが、それらと比較してもASCALは優れていると感じています。
 
ASCALで対応できない三次曲面シェルなどはFEM解析プログラムを併用することになりますが、一般的に一貫構造計算プログラムで入力できないと思われているような形状も入力できます。
 
通り×層/中間層/斜面を作成すると自動的に立体のグリッドが生成され、そこに部材を配置し計算条件を入力します。工夫をすればかなり複雑な形状でも入力できます。
 
図-2のように形状が複雑な建築物の場合2Dの図面だけでは意匠設計とやり取りすることが難しい場合がありますが、ST-BridgeのXMLファイルの他、BIMの標準フォーマットであるIFC形式での書き出しが可能のため、ArchicadやRevitなどを使用している意匠事務所に躯体形状を確認してもらうことができます。また、FEM 解析モデルへ転用することも可能です。

壁式RC造3階建ての住宅
図-2 壁式RC造3階建ての住宅



 
さまざまな構造形式・部材とその組み合わせ
ASCAL/ASTIMではRC・壁式RC・S・木造、それぞれの構造部材を立面・平面・部材単位での混構造として入力し断面検定まで行うことが可能です。
これは、現時点で他社のプログラムで代用が難しい部分です。
 
オプションにより壁式ラーメンRC造や壁式RC造(限界耐力計算により8階建てまで)にも対応できます。
SRC造やCFT造には対応していませんが、断面の性能などを直接入力することで計算が可能です。
 
 

ユーザーや社会のニーズへの対応
改正された基準や日本建築学会規準への速やかな対応により確認申請の計算書の作成がスムーズにできるという、一貫構造計算プログラムとしての良さもあります。
 
任意形状の木造の一貫構造計算プログラムを他社に先駆けて開発したというのは、構造設計事務所が中大規模の木造を設計し始めるのにはちょうどよいタイミングでした(図-3)。

中規模木造の児童館
図-3 中規模木造の児童館



 
それまでは、任意形状プログラムの場合は応力解析までは可能でしたが、断面検定やそれ以外の法規や基準への対応は別途行うことが必要で、木造は手計算ベースのプログラムしかなかった時代に、施行令第46条の木造の検討に加え第46条2項の木造建築物やルート2以上の木造にも対応できたというのは、最近ようやく他社が追い付いてきたところで、総合的にはまだASCAL/ASTIMの方が優れている部分だと思います。
 
準耐火建築物の燃えしろ設計にも対応でき部材ごとにどの面を燃えしろとするか設定することも可能で、接合部設計時の組み合わせ検定にも対応しています(図-4)。

燃えしろ設計を採用した木造ラーメン構造の住宅
図-4 燃えしろ設計を採用した木造ラーメン構造の住宅



 
木造の入力や結果の評価には、それなりのスキルや経験が必要ですが、スキップフロア・吹き抜け・登り梁の勾配屋根などもそのままの形状で解析することができます(図-5)。

風車形屋根の木造住宅
図-5 風車形屋根の木造住宅



 
設計手法の確立がこれからという部分もありますが、増分解析による保有水平耐力計算もできるため今後が楽しみです。

 

 

今後への期待

プログラム開発メーカーとしての魅力
アークデータ研究所は、少数精鋭で開発やサポートをされていると感じます。
質問への対応やバグの修正などに時間がかかることもありましたが、逆にユーザーとの距離が近いというメリットの方があると感じています。
プログラムのバグなどは他社でも同様にありますし、こちらが想定を超えた使い方をしている面もあるかもしれません。
要望を出せば時間はかかっても反映されることも多く、他のプログラムにはない機能やオプションが追加されるなど他社にはない柔軟さを感じます。

最後に、今後ぜひ実現してほしい機能について、期待を込めて記載します。

①計算結果などをCSVなどで書き出し
②一つの計算書内で複数の計算条件を検討(45度方向加力など)
③水平ブレースを引張ブレースの対応
④鉛直材・水平材の引張材の対応
⑤CLT部材の対応(開発中?)
⑥木造筋交端部金物の軸剛性の対応
⑦柱部材が同じ節点から複数配置することや、斜面と傾斜柱の交差など現状で入力できない形状の入力
⑧SRCやCFT部材をそのままで検討
⑨木造金物のせん断耐力の加力方向に対する耐力・せん断剛性の入力
⑩壁式RC造の限界耐力計算ができるので、木造の限界耐力計算への対応
⑪中大規模木造のような通りが多い物件の表示や計算時間をさらに短縮
⑫柱長さの梁せい分考慮の自動計算

知り合いの構造事務所にもASCALをよくお勧めしています。
気に入って導入した事務所も何社かあります。
ユーザーが増えることはプログラムの性能の向上につながります。
プログラムに慣れることや工夫が必要な部分について、サポートの充実にも期待しています。

 
 


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