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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

設備設計に必要なすべての計算を低コストで

株式会社 設備計画

空調・衛生設備計算ソフト「Jim-CAL」

会社概要 株式会社 設備計画
所在地:東京都新宿区
資本金:1,000万円
従業員数:15名

空調・衛生設備計算ソフト「Jim-CAL」  建築設備設計を手がける東京都の設備計画。設備設計に不可欠の熱負荷計算や換気計算など各種計算を行うソフトにかかるコストが負担となっていた。そんな状況で出会った、低予算ですべての計算が可能な「Jim-CAL」。その使い勝手について話を伺った。

渡辺 忍氏

設備設計業務について

 弊社は、建築設備(空調、衛生、電気)の計画、設計、監理を行っている、設備設計事務所です。事務所ビル、学校などの教育機関、美術館、図書館、音楽ホール、病院や福祉施設、研究機関、宿泊施設、集合住宅、市街地再開発ビルなど多種多様な建築設備設計を行っています。
 設備設計を行うには、計画段階、設計段階で、熱負荷計算、換気計算、給水量の算定などの各種の計算を行い、設備機器の容量や、配管、配線サイズの決定をします。 これらの設備機器などが建築の中でどのように配置するかで、建築環境を左右することになります。
 この各種の計算を行うには、建築室内設計条件、気象条件、使用建築材料の特性などの資料データが必要となります。これらのデータは、学会の便覧、各種データブック、国土交通省大臣官房官庁営繕部設備課監修の建築設備設計基準(以降設備設計基準)のものを採用します。計算式についても同様です。特に公共建築について、設備設計基準で計算を行うことになっています。

ソフト導入の経緯

 これらの計算は、以前はすべて手計算で行われていましたが、現在では当然のようにパソコンで行われていますし、パソコン上での計算ソフトも市販されています。しかし、これらのソフトは、いずれも1ライセンスあたり数十万円するものです。事務所内では複数の担当者が常に計算を行っていますので、各自にライセンスを与えると、経費も馬鹿になりません。また設備設計基準は2年おきくらいに改訂されていますので、当然ソフト自体も改訂され、バージョンアップが強いられます。
 このような状況の中で、なんといっても安価で、設備設計基準を満たしかつ、民間物件用に学会のデータも使え、さらには利用者の要望にも応え、実際の設計者と共同開発・制作された「Jim-CAL」が完成されたので、早速弊社ではこのJim-CALを採用しました。現時点でのJim-CALの利用料金は、空調設備・衛生設備のパックで1年間26,250円(税込)と安価です。

空調・衛生設備計算ソフト「Jim-CAL」


必要な各種計算をすべて網羅

 このJim-CALは、熱負荷計算だけではなく、換気計算や給水計算など、設備設計基準に準拠した計算がすべて網羅されていますので、公共建築の設備設計において、Jim-CALを用いて設計を行うことができます。Jim-CALの操作は非常に簡単です。 Jim-CALはマイクロソフト社のExcelを使用したものですので、普段Excelを利用している人であれば、悩むことなく操作できます。 Jim-CALでは次の計算が行えます。


■Jim-CALの計算機能
・ 熱負荷計算
・ 機器算定
・ 配管ダクト抵抗計算
・ 各種換気計算
・ 室内防音計算
・ 空気清浄装置の計算
・ 給水、給湯、排水の各水量計算
・ 配管サイズの選定
・ 消火ポンプの計算



マニュアル要らずの操作性

空調・衛生設備計算ソフト「Jim-CAL」 まず目次形式で各種の計算が一覧表になっており、目次上でこれから行う計算名をクリックすると、その計算のシートに自動で移動します。入力は(社)公共建築協会の建築設備設計計算書書式集にほぼ準じた書式上での入力ですので、今何を入力しているのかがわかりやすいので、誤入力や入力落ちがなく、スムーズに計算ができます。 入力は色のついたセル上の項目なので、わかりやすいです。
 また、各計算シートでは画面上に計算手順があるので、他のソフトのように操作マニュアルを見ながらではなく、その画面上の計算手順に従えばよいので、非常に便利で、簡単に計算が行えます。
 J i m – C A Lで熱負荷計算を行えば、Jim-CAL上で空調機の選定計算を行うことができ、湿り空気線図上に対象系統の線図を自動で作図することもできますので、空気線図を手で書くことなく、見やすいきれいなものが出力されます。
 ほかにも設備設計基準の数値ではなく、独自の数値を入力することもできるので、実情に合った数値を採用したい場合などは、特に便利です。


データ提出方法が簡便に

 以前は、発注者に提出するものは紙ベースで出力したもので良かったのですが、現在ではデータベースで提出するのが当たり前になりました。しかし、熱負荷計算については、提出先が同じ熱負荷計算ソフトを所有していないと、多少の変更であっても修正が行えないどころか、提出したデータそのものが読み取れない状態でしたが、安価であれば、提出先に購入していただくか、場合によってはJim-CALも一緒に提出ということも可能だと思います。
 計算そのものは、大半が四則演算なので、表計算ソフト上での計算で十分であり、複雑な解析を行うわけでもないので、ワープロや表計算と同様に誰でも簡単に使えるべきだと思います。


設備設計の今後

 今後は設計者、施工者さらには、国や地方自治体あるいは施主がJim-CALを導入すれば、計画、設計、施工、監理の各段階で検討や修正がスムーズに行えるようになるでしょう。熱負荷計算を1㎡当たりの単位負荷で行う場合もありますが、省エネ、CO2の排出量の削減を真剣に取り組むためには、建物の形状や使用材料を考慮した熱負荷計算を行うことがますます必要になると思います。
 設備設計基準は数年ごとに改訂されるので、Jim-CALも今後その改訂に合わせてバージョンアップを確実に行ってほしいと思います。またそのバージョンアップされたもので、以前のデータを読み取り、再計算が容易にできるように改善されることを望みます。現在は空調設備と衛生設備関連の計算だけですが、電気設備についても、早急に制作していただきたいと思います。

最終更新日:2010-02-26




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