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成功事例集

建設ソフトやハードウェアなどのITツールを導入して成功した事例を紹介します。

AI活用した土地査定システムで投資型マンションを供給する

株式会社タスキ

建築企画BIM「TP-PLANNER」

佐藤 有里 氏角谷 亘 氏中山 義秀 氏

株式会社タスキ

所在地:東京都港区
設立:2013年8月
資本金:10億4,964万円
 
 


(左)事業推進部 建築管理 部長    中山 義秀 氏            
(中)事業推進部 建築管理 課長代理  角谷 亘 氏             
(右)事業推進部 建築管理       佐藤 有里 氏            
  

株式会社タスキは、「タスキで世界をつなぐ~革新的なイノベーションで社会のハブになる~」を企業理念に掲げ新築投資用IoTレジデンスを開発する。
DX認定事業者に選定された同社は不動産業をデジタル化で効率的に行う新事業の開発にも積極的に取り組む。
事業推進部建築管理中山部長に用地取得ツールとして利用するTP-PLNNERの活用法を伺った。

 
 

タスキIoTレジデンス

 
株式会社タスキは、新築投資用IoTレジデンスの開発・1棟販売に加え、暮らしや社会の価値を高めるソリューションを提供する。
 
同社の2021年9月期の売上は前期比30.8%増の91億9,000万円、経常利益は同113.0%増の11億1,200万円。
 
創業は2013年で2016年から投資用新築マンションの開発事業を開始し創業からわずか7年でマザーズ上場を果たした。
 
牽引力となっているのは新築投資型マンションを供給する「IoTレジデンス事業」で売上の9割以上を占める。
 
物件は東京23区内,最寄り駅から徒歩5分以内に特化し約20坪4~5階建てのRC構造で販売価格は総額3億円前後。

相続税対策などで投資型マンション を購入する富裕者層にとってはこの価格
相続税対策などで投資型マンションを購入する
富裕者層にとってはこの価格


相続税対策などで投資型マンションを購入する富裕者層にとってはこの価格帯の物件は購入しやすくニーズがある一方、市場にあまり出回っていない点に商機を見出した。
 
最近では既存顧客に加え新規の投資家を取り込む形で、少額から始められる不動産クラウドファンディング「TASUKI FUNDS」もリリースした。

 

 

不動産業界のDX推進

 
さらに物件案内のためのVR動画AIが土地を査定し瞬時に建築プランが自動で作成できる「TASUKI TECH」など,不動産業をデジタル化で効率的に行う新事業の開発にも積極的に取り組む。
 
経済産業省が定めるDX認定制度に基づく「DX認定事業者」にも選定された。
 
DX推進のテーマは下記4項目。
①不動産価格査定業務の完全自動化
②建築プランの自動精査~WEB売買までオンラインで完結、「非対面取引の実現」
③「TASUKI TECH」による取引実行価格のデータストックと「不動産価格の可視化」による不動産取引インフラの構築
④「TASUKI TECH」を不動産業界の必須ツールへ

 
 

仕入力

 
投資型マンションを効率的に供給するためには、他社より高価格で購入できる仕入力を保持しなければならない。
 
そのための戦略として
①プランの統一規格化・単純化。
②住宅設備仕様の統一化による建設会 社定量発注。
③ドミナント戦略で同一エリア・複数棟 工事を発注し、コスト削減等々を実現。
これらに加えて事業用地取得には、形態制限を考慮した魅力的なレジデンスの可能性を短時間で的確に見極めることが求められる。

 

 

企画BIM実践活用法

 
事業推進部建築管理では用地取得のためのプラン作成ツールとしてTP-PLANNERを使用している。
 
中山部長には、アレンジした用地情報でTP-PLANNERによるプラン確定に至るまでの活用法を解説していただく。

 
 

プラン確定までの工程

 
駅から5分程度の用地がほとんどのため、仕入れ判断には迅速、的確なプラン作成が課せられる。
 
建築管理では、用地情報発生からプラン作成までおおむね2時間程度で仕入判断資料を作成する。 
 
用地は極小敷地や変形敷地等さまざまで形態制限も用途地域をまたぐ日影規制、屈曲道路の天空率、都内各区で異なる高度地区による高さ制限など形態制限も困難なことが多い。
 
そのため構法を壁式構造に限定することで耐震性の確保と自由度の高い形状を可能にし1住戸当たり22㎡前後のプランを計画する。
 
用地情報からプラン完成に至るまでTP-PLANNERの企画BIMの手順とともにシステマティックに行う。
 
用地情報からプラン確定までの流れを解説したい。

 
 

①用地情報を入力する。
TP-PLANNERは敷地内高低差、屈曲道路形状などあらゆる条件に対応する。
それらの用地条件を的確に入力することから始める。
 
北緯(行政区指定)・方位・敷地形状および境界条件・用途地域条件までが形態制限の基本入力。
これらを入力することにより日影規制および斜線規制チェックが容易に行える。
 
高度地区は、特定行政庁を指定する事で適用され逆斜線計算および斜線断面図で確認される。

 
②逆斜線計算、逆日影計算を行う
道路、高度地区等による逆斜線、逆日影計算を行う。
道路斜線NGの場合は天空率で解決する。
 
逆日影計算は逆日影チャートをドラッグ設定することで設計者が意図する日影可能空間が算出される。

 

③逆日影および逆斜線精度チェック
逆斜線、逆日影計算およびその複合結果は、等高線あるいはブロック図で表示される。
 
さらに「ブロック:建物変換」で逆日影計算結果による日影計算および斜線断面図等で精度チェックが可能になる。 
 
精度確認後の等高線は、プラン入力時の形態制限に対する可否判断を容易にし効率的にプランが作成される。

道路斜線NGは天空率チェックで解決
道路斜線NGは天空率チェックで解決
道路斜線NGは天空率チェックで解決


④プランニング
逆日影および逆斜線結果による等高線をガイドにプラン入力を行う。
 
変形敷地なりに建物形状も変形することが多いが、「合成」「抜き取り」などプラン作成専用コマンドで自在に作成され同時に面積属性を有する建築物(立体)が作成される。
 
面積計算は壁心で算出され、形態制限チェック時は壁厚および仕上げ厚が考慮される。
そのためプラン入力を行いながら日影計算、斜線断面、天空率計算に加えて容積率および住戸数も逐次確認できる。

 

⑤躯体壁自動発生と建具配置
プラン作成は④の単線プランで行うが躯体自動発生後の建具配置、階段室自動作成機能によりプラン確定後に平、立、断面図とパース等の企画図が効率的に作成される。

 

⑥面積表作成
プラン終了時にはExcelマクロで詳細な建築概要書および面積表が自動作成される。

用地情報発生からプラン確定までのフロー
用地情報発生からプラン確定までのフロー


 

教育

 
以上のプラン確定までのフローは、TP-PLANNERの操作および法解釈を正しく実践的に理解することで可能になる。
 
そのため、TP-PLANNERを開発販売する株式会社コミュニケーションシステムの研修制度も活用しさらなる効率化を図っている。

 
 

最終更新日:2022-04-15




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